やわらかな岩の大地を走るレース
この土地の地面は、そのほとんどが火山灰でできています。数百万年にわたる噴火によってアナトリア中部一帯に凝灰岩の厚い層が積もり、それが風と水に削られて、円錐形の岩や尾根、峡谷が生まれました。カッパドキア・ワイルドマラソンは、こうして浸食された景観の中を走る毎年恒例のトレイルランニングレースで、ギョレメがその拠点です。
コースの舞台は、人々が何世紀にもわたって岩を掘り続けてきた土地です。崖には鳩小屋が刻まれ、岩の内部には古い礼拝堂が残っています。農民や羊飼いが代々歩いてきた小道を、今はトレイルシューズが行き交います。主役はあくまで地形なので、舗装路ではなく、砂の多い道や凝灰岩の岩盤、谷の急斜面が待っています。
2026年11月8日(日)
今大会の日程は2026年11月8日(日)です。11月上旬のアナトリア高原は晩秋にあたります。ギョレメは標高およそ1,000メートルにあるため、朝は冷え込み、空気も乾いています。日が昇れば、たいていは走るのにちょうどよい穏やかな陽気になります。
この時期はコースにもよく合っています。谷から夏の暑さが去り、村々を囲むブドウ畑は収穫を終え、谷底に並ぶポプラが黄色く色づきます。ただし日は短く、日没後は気温が一気に下がります。レース後も滞在するランナーは、夜に備えて暖かい上着を一枚用意しておくのが普通です。
足元に広がる凝灰岩と砂、そして谷
火山性の凝灰岩の上を走る感覚は、山の硬い岩場とはまったく異なります。色は白っぽく、乾いているときはやわらかく粉っぽい質感です。急な区間では足元が崩れたり、砂のように滑ったりすることもあります。水が溝を刻んだ場所では、道が肩幅ほどしかない細い溝になり、その先で平らで広い谷底に出ます。
ギョレメ周辺の谷には、地元の人やハイカーがふだんから使っている名前があります。
- ローズバレー(Güllüdere):ほんのりピンク色を帯びた尾根と、岩を掘って造られた教会で知られる谷
- レッドバレー(Kızılçukur):ローズバレーの隣にあり、夕日の名所として人気の谷
- ピジョンバレー(Güvercinlik):ウチヒサール方面へ延び、岩に刻まれた鳩小屋が連なる谷
- ラブバレー:高くそびえる独立した岩の柱で有名な谷
- ゼミバレー:ギョレメとウチヒサールの間にある、比較的静かな谷
このガイドでは、これらのうちどの谷がコースに含まれるかについては触れていません。ルート、距離、スタート地点は主催者が大会公式サイトで公開しています。ギョレメ近辺であればどこでも共通しているのは路面の性質で、土ぼこりやゆるい砂利、谷から抜け出す短く急な登りがつきものです。
ギョレメへのアクセス
この地域の玄関口となる空港は2つあります。
- ネヴシェヒル・カッパドキア空港(Nevşehir Kapadokya Airport):2つのうちギョレメに近いほうで、車でおよそ40分です。
- カイセリ・エルキレト空港(Kayseri Erkilet Airport):規模が大きく、イスタンブールからの便も多い空港です。車での所要時間は約1時間15分です。
ギョレメのホテルや旅行会社の多くは、飛行機の到着時刻に合わせて空港シャトルを運行しています。イスタンブールやアンカラなど各都市からの長距離バスは、村のちょうど中心にあるギョレメの小さなバスターミナルに停まります。
ギョレメはこぢんまりとした村です。中心部からは、ほとんどの洞窟ホテルやレストラン、いくつかの谷へ向かうトレイルの入口まで歩いて行けます。県都のネヴシェヒルまでは車ですぐです。岩の城を頂くウチヒサールとオルタヒサール(Ortahisar)は、村の上の尾根から見渡せるほどの近さにあります。
夜明けの熱気球
カッパドキアで早起きなのは、ランナーだけではありません。気球のパイロットたちもそうです。風の条件が許す朝には、日の出直前のギョレメ周辺の野原から何十機もの熱気球が飛び立ちます。この季節は条件が合わずにフライトが中止になることも多く、空いっぱいの気球が必ず見られるわけではありません。
ギョレメに滞在するランナーにとっては、バーナーの燃焼音や、暗いうちに乗客を迎えに回るミニバスの音が早朝の風物詩になります。レースの1〜2日前に到着した人は、ある朝に屋上や村の上の尾根で離陸を眺めて過ごすのがお決まりです。夜明け前の空気がどれほど冷たいかを、レース当日の前に体感することにもなります。
レース週末の村でのマナー
ギョレメは観光で成り立っている小さな村です。いくつかの習慣を心得ておくと役に立ちます。
- 支払い: 日常の通貨はトルコリラです。ほとんどのホテルやレストランではカードが使えます。小さな商店やパン屋、村の露店では現金のほうが好まれることがよくあります。
- チップ: レストランでは端数を切り上げたり、ささやかなチップを置いたりするのが一般的です。荷物を運んだり送迎を手配したりしてくれたホテルのスタッフには、ちょっとしたお礼をすると喜ばれます。
- ひと言のあいさつ: メルハバ(Merhaba、こんにちは)、テシェッキュル・エデリム(teşekkür ederim、ありがとう)、そして働いている人にかけるコライ・ゲルスィン(kolay gelsin)を覚えておくと、ぐっと距離が縮まります。
- お茶: 店主がチューリップ形のグラスに入ったチャイ(çay)を勧めてくれることがよくあります。いただくのが礼儀ですが、何かを買う義務はありません。
トレイルでのルールは、岩を守ることに尽きます。妖精の煙突や岩を掘った礼拝堂は、1985年からユネスコ世界遺産に登録されているギョレメ国立公園の一部です。奇岩に登ったり、やわらかな凝灰岩を引っかいたりすると、取り返しのつかない傷が残ります。また、谷の小道の多くは私有の果樹園やブドウ畑を横切っているため、ランナーもハイカーも標識のある道から外れずに進みます。
ゴールのあとに
ここでは、回復日の過ごし方に困ることはありません。村の外れにあるギョレメ屋外博物館は、ビザンティン時代のフレスコ画が残る岩窟教会や食堂が集まった場所です。なかでも暗闇の教会(Karanlık Kilise)は保存状態が最もよいことで知られています。博物館施設のため開館時間は時期によって変わり、最新の開館時間と入場料は博物館の公式サイトに掲載されています。
ウチヒサールの岩の城からは、走り終えたばかりの谷を最も広く見渡せます。クズルウルマク川のほとりにあるアヴァノスには、川の赤い粘土を使った陶器づくりの長い伝統があります。デリンクユとカイマクルの地下都市は南へ車ですぐの距離で、ゆっくりとしたペースで歩いて見学できます。
夕食には、肉の煮込みを素焼きの壺に封じ込め、テーブルで壺を割って供するテスティ・ケバブ(testi kebabı)を探してみてください。この地方のワインは、同じ火山性の土壌で育ったブドウから造られています。カッパドキア・ワイルドマラソンの参加登録、結果、コースの詳細は、主催者の公式サイトにまとめられています。
よくある質問
2026年のカッパドキア・ワイルドマラソンはいつですか?
2026年大会の日程は2026年11月8日(日)、会場はトルコのカッパドキア地方にあるギョレメです。
参加登録やコースの詳細はどこで分かりますか?
参加登録、距離、ルート、スタート地点に関する情報は、大会主催者の公式サイトにまとめられています。
ランナーはどうやってギョレメまで行くのですか?
多くの人は、約40分の距離にあるネヴシェヒル・カッパドキア空港(Nevşehir Kapadokya Airport)か、約1時間15分の距離にあるカイセリ・エルキレト空港(Kayseri Erkilet Airport)を利用します。どちらの空港からもギョレメのホテル行きのシャトルが出ています。長距離バスは村の中心部にあるギョレメのバスターミナルに停まります。
11月上旬の天気はどうですか?
ギョレメの標高はおよそ1,000メートルです。11月上旬は朝晩が冷え込みますが、日中はたいてい穏やかで乾燥しています。スタート前やゴール後に備えて、ランナーは防寒用の重ね着を持参するのが一般的です。
大会前後の週末にはほかに何が楽しめますか?
村の外れにはギョレメ屋外博物館があります。近隣にはウチヒサール城、陶器の町アヴァノス、デリンクユとカイマクルの地下都市もあります。風の条件が許せば、夜明けのギョレメ周辺から熱気球が飛び立ちます。
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