城壁に囲まれたコンベンション
コンベンションといえば、ふつうは大きなホールで開かれるものです。ところがこのイベントは、中世の街をまるごと会場にしてしまいます。
2026年の開催は2026年11月13日〜18日と発表されています。ルッカ・コミックス&ゲームズ(Lucca Comics and Games)は、コミック、ゲーム、ポップカルチャーの祭典として世界最大級の規模を誇り、期間中はルッカの旧市街全体に会場が広がります。広場には出展者のパビリオンが立ち並びます。フィッルンゴ通り(Via Fillungo)はマントや鎧、ウレタン製の剣を身につけた人々で埋め尽くされ、その人波はまるでゆっくりと流れる川のようです。
このイベントの最大の魅力は、なんといっても舞台そのものにあります。ルッカの中心部は、レンガ造りのルネサンス期の城壁に途切れることなくぐるりと囲まれており、イベントはその輪の内側で開かれます。ゲームメーカーや漫画家のブースを巡りながら歩くのは、古代ローマ時代に区画された街路です。道すがら、ロマネスク様式の教会のファサードも目に入ってきます。
パビリオンと広場の仕組み
このフェスティバルは2つのエリアで構成されています。現地に着く前に、その違いを理解しておくと役に立ちます。
- 有料エリア: 広場や城壁の上に設けられた大型の仮設パビリオンと展示スペースです。出版社やゲームスタジオのブース、アーティストの出展テーブルが集まり、サイン会もここで行われます。
- 開放エリア: パビリオンの間をつなぐ路地や広場、城壁の上の遊歩道です。誰でも自由に歩くことができ、コスプレの多くはこちらで繰り広げられます。
屋外エリアだけを目当てに訪れる人も大勢います。散策を楽しんだり、コスプレを撮影したり、食べ歩きをしたりと、過ごし方はさまざまです。ブースの見学やデモ体験、物販エリアへの入場を希望する場合は、その日のチケットが必要になります。チケットの種類や料金、日ごとの規定は、ルッカ・コミックス&ゲームズの公式サイトに掲載されています。入場口で尋ねるのではなく、事前に公式サイトで確認しておきましょう。
ルッカへのアクセス
移動手段として最も賢明なのは鉄道です。ルッカ駅は南側の城壁のすぐ外にあります。駅からはサン・ピエトロ門(Porta San Pietro)をくぐり、少し歩けば中心部に到着します。
- フィレンツェから: フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze Santa Maria Novella)から普通列車が運行しており、所要時間は1時間強です。
- ピサから: ピサ中央駅(Pisa Centrale)から列車でおよそ30分です。最寄りの国際空港は、ピサのガリレオ・ガリレイ空港です。
- 車で: できれば避けたほうが無難です。歴史地区は交通制限区域に指定されているうえ、フェスティバル期間中は城壁の外の駐車場もすぐに満車になります。
開催日の普通列車は、特に朝と夕方に大変混み合うと考えておいてください。コスプレ姿のまま列車で移動する人も多いため、車両がエルフでいっぱいという光景も珍しくありません。
城壁の上を歩いて会場をめぐる
城壁の上は道幅が広く平坦で、並木道になっています。そのため、フェスティバル期間中はルッカでいちばんの近道として重宝します。
城壁を一周すると約4キロです。ほとんどの稜堡から上り下りできるので、目当ての広場の近くで降りることができます。ピーク時には人混みで小刻みにしか進めなくなるフィッルンゴ通りを押し分けて進むより、このルートを選んだほうがずっと快適です。城壁の上からはテラコッタ色の屋根が連なる景色を見渡せます。
スペースにも余裕があるため、コスプレイヤーたちが思う存分ポーズを決めている姿も見られます。
人混みのなかで道に迷わないよう、目印になる名所をいくつか覚えておくと便利です。
- アンフィテアトロ広場(Piazza dell’Anfiteatro): 古代ローマの円形闘技場の外周に沿って家々が建てられた、楕円形の広場です。
- グイニージの塔(Torre Guinigi): 頂上にトキワガシの木々が生い茂るレンガ造りの塔で、屋根越しにもその姿が見えます。
- サン・ミケーレ・イン・フォーロ教会(San Michele in Foro): 古代ローマのフォルムの跡地に建つ教会で、幾層にも重なった白く高いファサードが特徴です。
- サン・マルティーノ大聖堂(Duomo di San Martino): 中心部の南東寄りに位置する、ルッカの大聖堂です。
人混みに一日を奪われないためのコツ
このフェスティバルでは事前の計画がものをいいます。旧市街はこぢんまりとしており、通りも狭いためです。
- どうしても見たいブースを2〜3か所に絞っておきましょう。 すべてを回ろうとすると、一日中行列に並ぶはめになります。
- パビリオンは午前中に回りましょう。 朝早くパビリオンを訪れ、コスプレの人出がピークを迎える午後は城壁や街なかで過ごす、という流れがたいていうまくいきます。
- 小道具はセキュリティチェックを通過できるものにしましょう。 大規模なコンベンションでは、手荷物や小道具の検査がよく行われます。凝った小道具を作る前に、模造武器に関する公式ルールを読んでおいてください。
- 友人とは決まった場所で待ち合わせましょう。 ひどく混雑した場所では携帯電話の電波が入りにくくなることがあります。予備の集合場所として、どこかの稜堡や教会の扉の前などを決めておくと安心です。
- コスプレイヤーを撮影する前には、ひと声かけましょう。 「ポッソ・ファーレ・ウナ・フォト?」(写真を撮ってもいいですか?)とさっと尋ねるだけで、印象がぐっと良くなります。ほとんどの人は喜んでポーズをとってくれます。撮影が終わったら、通行の妨げにならないよう脇へよけましょう。
ルッカではカード決済が広く普及しています。ただし、小さな屋台やバールでコーヒーを一杯さっと飲む程度なら、硬貨のほうが喜ばれることもあります。イタリアでは、まずレジで会計を済ませ、そのレシートをカウンターで見せて注文するのが一般的なので覚えておきましょう。
フェスティバル当日のルッカグルメ
城壁内のレストランは、昼どきになるとすぐに満席になります。座ってゆっくり食事をしたいなら、テーブルを予約するか、早めの時間に済ませるのがおすすめです。
ルッカには独自の郷土料理があり、わざわざ探してでも味わう価値があります。
- トルデッリ・ルッケージ: 肉を詰めた大ぶりのパスタを肉のラグーソースで仕上げた、ルッカを代表するプリモ・ピアットです。
- ブッチェッラート: レーズンとアニスシードを加えたリング状の甘いパンで、ルッカのパン屋で売られています。
- トルタ・コイ・ベッキ: 縁が波形になったタルトで、甘く味付けした野菜やチョコレートのフィリングが詰まっています。
パビリオンの合間に手早く済ませたいときは、座って食べるトラットリアより、フィッルンゴ通りから入った脇道のパン屋やフォカッチャの店を利用するほうが時間の節約になります。夕方には、バールのカウンターで立ったままエスプレッソを一杯どうぞ。イタリアの人の多くはこうして飲んでおり、ほんの数分しかかかりません。
ルッカで宿が取れないときの滞在先
フェスティバル期間中、城壁内の宿はあっという間に埋まってしまいます。どうしても見つからない場合は、鉄道沿線の街が頼りになります。
- ピサ: 列車ですぐの距離にあり、ホテルの数も豊富です。ガリレオ・ガリレイ空港を利用する場合は、拠点にするのに最適です。
- ヴィアレッジョ: 海岸線沿いの海辺の街で、ルッカへの直通列車が運行しています。オフシーズンの秋は比較的静かに過ごせます。
- フィレンツェ: 距離はやや離れますが、トスカーナを長めに旅する途中でフェスティバルに立ち寄りたい場合には便利です。
開放エリアの通りを楽しむだけなら1日で十分です。パビリオンやサイン会、ゲームエリアまで慌てずに楽しみたいなら、2〜3日みておきましょう。交通手段を予約する前に、ルッカ・コミックス&ゲームズの公式サイトで日程や会場マップ、チケットについて確認しておいてください。
よくある質問
ルッカ・コミックス&ゲームズ2026はいつ開催されますか?
2026年の開催は、2026年11月13日〜18日と発表されています。会場はトスカーナ州ルッカの歴史地区です。正確な日程と日ごとのプログラムは、ルッカ・コミックス&ゲームズの公式サイトで確認してください。
ルッカ・コミックス&ゲームズに行くにはチケットが必要ですか?
展示パビリオンなどの有料エリアに入るにはチケットが必要です。出版社やゲームスタジオのブース、アーティストの出展テーブルはこちらにあります。一方、ルッカの通りや広場、城壁は誰でも自由に歩くことができ、コスプレの多くもそこで繰り広げられています。チケットの種類と料金は公式サイトに掲載されています。
ルッカ・コミックス&ゲームズへは鉄道でどう行けばよいですか?
普通列車でルッカ駅まで行き、南側の城壁のすぐ外にある駅からサン・ピエトロ門(Porta San Pietro)をくぐって歩いて中心部へ入ります。ピサ中央駅(Pisa Centrale)からはおよそ30分、フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅(Firenze Santa Maria Novella)からは1時間強です。最寄りの空港はピサのガリレオ・ガリレイ空港です。
ルッカ・コミックス&ゲームズには何日くらい滞在すればよいですか?
城壁や通り、コスプレといった屋外の楽しみだけなら1日で回れます。パビリオンの見学やサイン会への参加、ゲームエリアでのプレイまで慌てずに楽しみたいなら、2〜3日の日程を組みましょう。
ルッカの宿がすべて埋まっている場合、どこに泊まればよいですか?
ピサ、ヴィアレッジョ、フィレンツェはいずれもルッカへ直通列車や便利な鉄道でつながっています。城壁内の宿が満室のときは、これらの街を拠点にすると便利です。
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