音量を上げた民謡
古い村の歌のサズの旋律を、エレクトリック・バーラマで奏でるところを思い浮かべてみてください。その背後では、ファズ・ベースとドラムが鳴り、オルガンの音が一面に広がっています。この異質な音のぶつかり合いこそがアルトゥン・ギュン(Altın Gün)です。バンドは2016年にアムステルダムで結成されました。
中心となったのは、オランダ人ベーシストのヤスパー・フェルフルスト(Jasper Verhulst)です。夢中になったトルコのサイケデリック・ロックのレコードを、自分でも演奏してみたいと考えたことが始まりでした。
彼らの楽曲の多くは、アナトリアの民謡や1970年代のアナドル・ロックをアレンジし直したものです。ネシェット・エルタシュ(Neşet Ertaş)、アシュク・ヴェイセル(Aşık Veysel)、セルダ・バージャン(Selda Bağcan)といったアーティストの作品が取り上げられています。2作目のアルバム『ゲジェ(Gece)』は、グラミー賞の最優秀ワールド・ミュージック・アルバム部門にノミネートされました。その後も『ヨル(Yol)』『ドニュシュ(Dönüş)』『アシュク(Aşk)』と作品を重ねています。
イスタンブール公演の日程と会場
公演は2026年11月13日(金)、フォルクスワーゲン・アリーナ(Volkswagen Arena)で行われます。トルコの観客が集まると、ライブの雰囲気はがらりと変わります。アムステルダムやロンドンでは、グルーヴを目当てに来る観客が大半です。一方イスタンブールには、これらの曲の原曲を聴いて育ち、歌詞をすべて覚えている人がたくさんいます。
フォルクスワーゲン・アリーナは、マスラック(Maslak)にある複合施設「UNIQ Istanbul」の一角を占めています。マスラックはイスタンブールのヨーロッパ側に位置し、ガラス張りの高層ビルが立ち並ぶビジネス街です。会場はコンサート向けに造られた屋内アリーナなので、11月のイスタンブールにありがちな冷たい雨に悩まされる心配はありません。日程とチケットのリンクは、バンド公式サイトのツアーページで確認できます。
マスラックへのアクセス
いちばん便利なのは地下鉄M2線です。イェニカプ(Yenikapı)を起点に、シシハネ(Şişhane)、タクスィム(Taksim)、オスマンベイ(Osmanbey)、レヴェント(Levent)を経て北へ向かいます。最寄り駅はイテュ・アヤザア駅(İTÜ–Ayazağa)で、アリーナまでは歩いてすぐです。
- タクスィム、ベイオールから: M2線で北へ乗り換えなし、約20分です。
- 旧市街(スルタンアフメット/Sultanahmet)から: T1線のトラムでカバタシュ(Kabataş)へ行き、F1線のケーブルカーでタクスィムまで上がってから、M2線に乗り換えます。
- アジア側から: マルマライ(Marmaray)またはフェリーで海を渡り、イェニカプかタクスィムからM2線に乗ります。
このライブにタクシーを使わない人が多いのには理由があります。金曜夜のマスラックやビュユックデレ通り(Büyükdere Caddesi)周辺は、市内でも指折りの渋滞エリアなのです。アンコールが終わると駅のホームはすぐに人であふれます。そのため、しばらく施設内で時間をつぶしてから帰路につくファンもいます。
アルトゥン・ギュンのライブを一緒に歌って楽しむ
常連のファンには、いくつか共通する楽しみ方があります。
- サビをひとつ覚えておきましょう。 民謡のリフレインになると、観客がステージに向かって声を合わせるのがお決まりです。特に合唱になりやすいのは「ゴジャ・ドゥニャ(Goca Dünya)」「ジェマリム(Cemalim)」「タトル・ディレ・ギュレル・ユゼ(Tatlı Dile Güler Yüze)」です。ひとつ歌えるだけでも、夜の楽しさがぐっと増します。
- 踊る準備もしておきましょう。 アレンジされた曲の中には、もともと踊りのための曲がいくつもあります。地方のリズムが始まると、フロア後方でファンが腕を組み、ゆるやかなハライの列をつくることもあります。
- イスタンブールカートを用意しましょう。 チャージ式の交通カードで、地下鉄、トラム、ケーブルカー、フェリーに使えます。主要駅の売店や券売機で購入・チャージができます。また、多くの改札ではタッチ決済対応の銀行カードも使えます。
- 重ね着で出かけましょう。 満員のアリーナ内は暑く、外は湿っぽく冷えています。コートを着たまま2時間立ち続けるのはかなりつらいものです。
トルコの人々は「Altın Gün」を「アルトゥン・ギュン」と発音します。意味は「黄金の日」です。トルコでは女性たちの積立貯金の集まりも同じ名前で呼ばれており、バンド名にはそんな遊び心も込められています。
ライブの前後に
マスラックには、オフィスとショッピングモールのほかにこれといった店がありません。多くの人は別の場所で食事を済ませてから地下鉄で会場へ向かいます。定番はM2線沿線の街です。
- シシハネ、カラキョイ(Karaköy): メゼとラクを楽しめるメイハネが集まっています。ガラタ塔周辺までも歩いて数分です。
- ニシャンタシュ(Nişantaşı、オスマンベイ駅): アブディ・イペクチ通り(Abdi İpekçi Caddesi)から延びる路地に、カフェやレストランが並んでいます。
- レヴェント: 駅直結のショッピングモール、カンヨン(Kanyon)とメトロシティ(Metrocity)があり、会場近くで手早く食事を済ませたいときに便利です。
ライブのためだけに滞在する場合は、ベイオール(Beyoğlu)かシシリ(Şişli)に宿を取る人がほとんどです。どちらもM2線沿線なので、終演後は乗り換えなしで宿まで帰れます。
予習におすすめのレコード
セットリストを存分に味わうなら、カバー曲だけでなく原曲も聴いておきましょう。ネシェット・エルタシュの録音や、1970年代のトルコのサイケデリック・ロックのコンピレーションを聴くと、アレンジの源流がよくわかります。
初めて聴く人の多くが最初に手に取るのは『ゲジェ』で、バンドがグラミー賞にノミネートされたのもこの作品です。2021年に発表された『ヨル』と『ドニュシュ』は、シンセサイザーやドラムマシンの比重が大きくなっています。ライブでは、こうした両方の持ち味がひとつに溶け合うことが多いようです。
よくある質問
アルトゥン・ギュンのイスタンブール公演はいつ、どこで行われますか?
2026年11月13日(金)に、フォルクスワーゲン・アリーナで開催されます。このアリーナは、イスタンブールのヨーロッパ側に位置するマスラック地区の複合施設「UNIQ Istanbul」内にあります。
フォルクスワーゲン・アリーナの最寄りの地下鉄駅はどこですか?
M2線のイテュ・アヤザア駅です。駅からアリーナまでは歩いてすぐです。M2線はタクスィム、シシハネ、レヴェントから乗り換えなしで直通しています。
チケットはどこで扱っていますか?
バンド公式サイトのツアーページに、イスタンブール公演の日程とチケットのリンクが掲載されています。料金はここではご紹介していません。購入時の画面でご確認ください。
アルトゥン・ギュンはどんな音楽を演奏するバンドですか?
アナトリアの民謡を土台にしたサイケデリック・ロックです。ネシェット・エルタシュやアシュク・ヴェイセルといったアーティストの楽曲を、エレクトリック・バーラマ、オルガン、ファズ・ベース、ドラムで大胆にアレンジしています。アルバム『ゲジェ(Gece)』はグラミー賞の最優秀ワールド・ミュージック・アルバム部門にノミネートされました。
公演の前後に食事や宿泊をするなら、どこがよいですか?
マスラックはオフィスとショッピングモールが中心のエリアです。来場者の多くは、シシハネやカラキョイ、ニシャンタシュ、あるいは駅に近いレヴェントのモールで食事を済ませます。宿泊先はベイオールやシシリが定番です。いずれもM2線の沿線にあります。
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