建物そのものが最初の展示品です。マットな黒い立方体が5階建てでそびえ、灰色の石畳が敷かれた広場の上に、脚のように持ち上げられた形で建っています。設計を手がけた建築家・遠藤克彦氏は「浮かぶ箱」としてこの建物を構想しました。堂島川沿いの遊歩道から眺めると、美術館の入り口というよりも、たまたま扉がついた彫刻作品のように見えてきます。
その扉をくぐると、建物のほぼ全高を貫く吹き抜けのアトリウムが広がっています。上部から光が差し込み、黒い鉄骨の階段が階と階の間をジグザグに結んでいます。一般的な意味での1階ロビーはなく、来館者はまずエスカレーターでこの暗い縦穴を上っていき、その先で初めて展示室の姿が現れる仕組みです。
これは意図的な演出であり、この美術館が展示作品と同じくらい写真に収められる理由のひとつでもあります。
コレクションの中身
NAKKAが開館したのは2022年のこと。それまで大阪市が所蔵していた美術品は長年倉庫に眠っていましたが、その蓄積を反映するように、常設コレクションは近代・現代の日本美術と海外美術をあわせて6,000点を超えています。
日本の近代美術については、坂田一男や吉原治良をはじめとする具体美術協会ゆかりの作家陣が充実しているほか、西洋近代美術では、美術館自身が広報でも取り上げている著名なモディリアーニの肖像画も収蔵されています。常設コレクションはテーマに沿った展示替えが繰り返される仕組みになっており、固定された展示ではありません。そのため、1年おきに訪れても展示内容が変わっていることがあります。
特別展は常設展示とは別のフロアで開催され、通常は常設展とは別料金が設定されています。単独作家の回顧展からデザイン、写真展まで、これまで扱われてきたテーマは幅広く、週末にチケット売り場へ行列ができる主な理由もこの特別展にあります。
中之島での場所
美術館があるのは、大阪中心部を流れる堂島川と土佐堀川を分ける細長い島、中之島の西端です。
- 最寄り駅:渡辺橋駅(京阪中之島線)、徒歩約5分
- 淀屋橋駅・肥後橋駅(御堂筋線・四つ橋線)からも徒歩約12〜15分で行ける距離
- 広場を挟んだ向かいには国立国際美術館をはじめ、中之島にある他の文化施設が並んでおり、両館を一度の午後で訪れる組み合わせは定番になっている
国立国際美術館は実質的にすぐ隣、しかも建物の一部が地下にあるため、多くの来館者はどちらか一方だけでなく両方をまとめて訪れています。
混雑を避けたタイミング選び
この美術館は静かな地元の穴場スポットというより、実際に人気の高い施設です。それは週末の様子にはっきり表れていて、土曜日と日曜日は午前11時から午後5時にかけて安定した混雑が続きます。とりわけ話題性の高い特別展が開催されている時期は顕著です。
平日の午前10時、開館と同時に到着するのが、団体ツアーや校外学習の一団が押し寄せる午前遅めの時間帯より前に、アトリウムと序盤の展示室を独り占めできる一番シンプルな方法です。週末しか都合がつかない場合でも、開館直後に着くほうが、チケットカウンターもエスカレーターも混み合う昼食後の時間帯を避けられます。
なお、この美術館は月曜日が終日休館です。日本の他の美術館でよくある火曜休館のスケジュールに慣れている旅行者は、この点に注意が必要です。
チケットと館内の回り方
常設展と特別展のチケットは通常別売りですが、両方を見る予定であれば、割安になるセット券が用意されていることが多いです。
チケットは1階入り口を入ってすぐの券売機または窓口で購入できます。人気の特別展にはオンラインの前売り券も用意されており、話題の展覧会が開催中であれば事前に予約しておく価値があります。現金とICカード(Suica、ICOCAなど)は、チケットカウンターとミュージアムショップの両方で利用できます。
- コインロッカーは下層階にあり、荷物やコートを預けられる
- 混雑時、アトリウムを上るエスカレーターの流れは一方通行になっており、フロアを後戻りするのが簡単ではない場合がある
- 最上階のカフェとショップは、今開催中の特別展を見なくても、エスカレーターをもう一段上る価値がある。大阪中心部方面を望む川の眺めが楽しめる
中之島でゆったり過ごす午後
館内を見終えたら、島そのものをゆっくり歩いてみる価値があります。美術館のすぐ東側には中之島公園が水辺沿いに広がり、バラ園は春と秋に見頃を迎えます。
さらに少し歩くと、1918年築のドーム型ルネサンス様式建築、大阪市中央公会堂があります。NAKKAの黒い鉄骨の外観とは対照的な佇まいで、見比べる楽しさがあります。堂島側の川沿いにはカフェが並んでおり、席に着けばこの対照的な二つの建物を同時に眺めながらひと息つけます。
よくある質問
大阪中之島美術館へのアクセス方法は?
京阪中之島線の渡辺橋駅から徒歩約5分です。御堂筋線や四つ橋線をご利用の場合は、淀屋橋駅または肥後橋駅から徒歩12〜15分ほどかかります。
NAKKAはいつ休館ですか?
毎週月曜日が休館日です。火曜日から日曜日までは午前10時から午後5時まで開館しています。
混雑を避けられる時間帯はありますか?
週末は午前11時から午後5時にかけて安定して混み合うため、平日の開館直後である午前10時に到着するのが行列を避ける一番の方法です。人気の特別展開催中は特にその傾向が強くなります。
見学にはどのくらいの時間を見ておくべきですか?
常設展だけなら90分、特別展もあわせて見る場合は2〜3時間ほど見ておくとよいでしょう。
近隣の観光スポットと組み合わせる価値はありますか?
あります。広場を挟んだ向かいには国立国際美術館があり、島をさらに少し歩けば中之島公園や大阪市中央公会堂にも足を延ばせます。
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