ヤス・ベイの水辺に響くテノール
スポーツやコンサートに使われるアリーナでオペラを聴くという、少し珍しい公演です。エティハド・アリーナ(Etihad Arena)は、ヤス・ベイ(Yas Bay)の水辺に建つ空調完備の屋内会場です。緩やかな曲線を描く長いファサードが海に面していて、その脇にはレストランが並ぶプロムナードが続きます。2026年12月2日、アンドレア・ボチェッリは「30周年記念ロマンツァ・ワールドツアー」を携えてこのステージに立ちました。
開催日にははっきりとした狙いがあります。ヤサラーム・クラシックスはグランプリ週を彩るプログラムのひとつで、この時期のヤス島ではサーキットとコンサート会場の両方に注目が集まります。エンジン音が主役の一週間に、イタリアのテノール名曲を楽しむ一夜が加わるわけです。
『ロマンツァ』から30年
ツアー名の由来は、ボチェッリの名を世界に広めたアルバムです。1996年発表の『ロマンツァ』は初期の録音をまとめた作品で、「コン・テ・パルティロ」が収録されています。この曲はのちに、サラ・ブライトマンとのデュエット「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」としてさらに多くの人々に知られるようになりました。
30周年記念ツアーは、こうした代表曲を軸に構成されています。アブダビ公演の詳しい曲目やゲスト出演者、オーケストラの編成は確認できていないため、このガイドでは取り上げていません。ただ、ボチェッリのおなじみのスタイルは期待してよいでしょう。
- 大きな屋内ホールいっぱいに広がる、迫力あるオーケストラの響き
- オペラのアリアとクロスオーバー曲を織り交ぜた構成
- 有名な曲になるほど大きくなる客席の歓声
ヤス島のエティハド・アリーナへの行き方
ヤス島はアブダビの北東端にあり、ザイード国際空港のすぐ近くです。そのため、飛行機で訪れる人にとっては驚くほどアクセスしやすい会場です。空港からは車ですぐです。一方、中心部のコーニッシュ周辺からは、E10とE12の幹線道路を通ってやや長めのドライブになります。
コンサートに訪れる人の多くは、タクシーか配車アプリを利用します。市内ではクリーム色と金色のアブダビのタクシーのほか、カリームとウーバーも使えます。たいていの運転手は会場名だけで通じますが、迷っているようなら「ヤス・ベイ」と伝えれば確実です。ドバイからの場合は、片道1時間以上かかるつもりでいるのが一般的です。
ヤス・ベイの水辺エリアには駐車場もあります。とはいえグランプリ週の夜は、島内の道路がレース関連の車でも混雑します。車を置いて来る人が多いのは、主にこのためです。
グランプリ週のヤス島
レース週にコンサートが重なると、実際の旅程にも影響が出ます。アブダビ・グランプリの期間中は、ヤス島のホテルがすぐに埋まってしまいます。その代表格が、ヤス・マリーナ・サーキットをまたぐように建つWアブダビです。島内で宿が取れなかった人は、サディヤット島やアブダビ中心部に泊まり、車で通うのが一般的です。
その代わり、雰囲気は格別です。この一週間は島全体がイベント一色になり、ファンゾーンやレース後のコンサートが開かれ、水辺は夜遅くまで人であふれます。一度の旅行で、ボチェッリの公演とレース観戦の両方を楽しむこともできます。
エティハド・アリーナでの鑑賞マナー
ボチェッリの公演に集まる観客は、ポップスのライブというよりコンサートホールの聴衆に近い振る舞いをします。静かな場面で拍手をはさむことはせず、曲が終わるまで待つのが一般的です。有名な曲ではスマートフォンを掲げる人も見られますが、ゆったりとしたアリアの間は、ほとんどの人が画面を下ろしています。
服装は、きちんとした夜のおでかけ着が主流です。公共の場では控えめな服装が望ましいとされるアラブ首長国連邦の慣習に合わせ、肩や膝は隠すのが普通です。12月の海沿いの夜は穏やかですが、アリーナの冷房はかなり効いています。薄手の羽織りものやショールを持参する人が多いのはそのためです。
- 支払い: アリーナでもヤス・ベイでも、カードやタッチ決済が一般的です。現金が必要になる場面はほとんどありません。
- 帰り道: 終演後は観客が一斉に出てくるため、配車アプリの待ち時間が長くなります。しばらくプロムナードを散歩し、最初の混雑が引いてから車を呼ぶ人もいます。
- お酒: アルコールは許可を受けたエリアでしか提供されません。アラブ首長国連邦では、公共の場で酔っ払うことは単なるマナー違反ではなく違法行為です。
開演前とアンコールのあとに
コンサートに訪れる人の多くは、ヤス・ベイの水辺で食事をします。アリーナの入口から歩いてすぐのところにレストランやテラス席が並んでいて、開演前にここで夕食をとるのが定番の過ごし方です。店が一本の通りに集まっているので、アンコールのあとに遅めの食事をするのも簡単です。
滞在に余裕があれば、島を出なくても日中を十分に楽しめます。近くには次のような見どころがあります。
- 赤い屋根とジェットコースター「フォーミュラ・ロッサ」で知られるフェラーリ・ワールド・アブダビ
- ヤス・ウォーターワールドとワーナー・ブラザース・ワールド・アブダビ
- 涼しい館内で午後を過ごせるヤス・モール
- この一週間の主役、ヤス・マリーナ・サーキット
少し足を延ばせば、サディヤット島のルーブル・アブダビやシェイク・ザイード・グランド・モスクにも車で気軽に行けます。昼はこうした名所を巡り、夜はヤス・ベイでボチェッリを聴く。そんな組み合わせは特におすすめです。
よくある質問
アンドレア・ボチェッリ「ヤサラーム・クラシックス」はいつ、どこで開催されましたか?
2026年12月2日、アブダビ・ヤス島のヤス・ベイの水辺に建つエティハド・アリーナで開催されました。グランプリ週に行われる「ヤサラーム・クラシックス」シリーズの公演のひとつです。
この公演はどのツアーの一環でしたか?
アンドレア・ボチェッリの「30周年記念ロマンツァ・ワールドツアー」の公演のひとつです。「コン・テ・パルティロ」を収録した1996年のアルバム『ロマンツァ』の発表から30年を記念するツアーです。
エティハド・アリーナへはどうやって行くのが一般的ですか?
ほとんどの人がタクシーかカリーム、ウーバーを利用します。運転手には「ヤス・ベイ」と伝えるのがいちばん簡単です。ザイード国際空港からは車ですぐですが、アブダビ中心部からはもう少し時間がかかり、ドバイからは1時間以上かかります。
グランプリ週には、どこに泊まる人が多いですか?
レース週は、Wアブダビをはじめとするヤス島のホテルがすぐに満室になります。サディヤット島やアブダビ中心部に泊まり、車で通う人が多いです。
公演の前後に、アリーナの周辺で楽しめることはありますか?
アリーナのすぐ隣に、ヤス・ベイの水辺のレストラン街があります。フェラーリ・ワールド、ヤス・ウォーターワールド、ワーナー・ブラザース・ワールド、ヤス・モール、ヤス・マリーナ・サーキットもすべて同じ島内にあります。
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