1990年の歌声と、今夜ステージに立つバンド
ヴィクトル・ツォイがこの世を去ったのは1990年のことです。それでも、このコンサートの主役は今も彼の歌声です。キノのステージは、ツォイが生前に録音したオリジナルのボーカルを軸に組み立てられ、その歌声の下でバンドが生演奏を重ねます。2027年1月6日、この公演の舞台となるのはドバイのコカ・コーラ・アリーナです。
ありきたりなトリビュートバンドのライブとは違い、どこか不思議で、胸を打つ一夜になります。ツォイの真似をして歌う人はいません。淡々と、急がずに言葉を置いていくあのバリトンは、まぎれもなく本人の声です。そしてそれを包むギターとドラムは、まさにその場で鳴らされている音なのです。
レニングラード出身のバンドがドバイのアリーナを満員にする理由
キノが結成されたのは1980年代初め、レニングラードでのことです。80年代の終わりには、ソビエト連邦で最も人気のあるロックバンドになっていました。「ハチュー・ペレメン!(変化が欲しい)」などの曲はペレストロイカ時代の賛歌となりました。「グルッパ・クロヴィ(血液型)」や「ズヴェズダ・ポ・イメニ・ソンツェ(太陽という名の星)」は、1990年よりずっと後に生まれた世代にも、一語一句たがわず歌い継がれています。
ツォイは1990年8月、ラトビアでの自動車事故により28歳で亡くなりました。以来、モスクワのアルバート通りにある落書きだらけの「ツォイの壁」は、ファンにとっての聖地となっています。ドバイにはロシア語を話す人々の大きなコミュニティがあり、こうした公演には世代を超えた観客が集まります。かつてカセットテープを持っていた親世代が、ネットでこれらの曲に出会った子どもと連れ立って来ることも少なくありません。
シティウォークのコカ・コーラ・アリーナ
会場は空調の効いた屋内アリーナです。アル・サファ・ロードとアル・ワスル・ロードに挟まれたアル・ワスル地区には、低層の建物が並ぶ屋外型のショッピング&ダイニング街、シティウォークがあり、アリーナはそこに直結しています。
この立地は、夜の過ごし方を大きく左右します。アリーナを出た先に広がるのは砂漠の駐車場ではなく、レストランやカフェが軒を連ねる歩行者専用の通りです。東へ車で少し走れば、ダウンタウン・ドバイやブルジュ・ハリファにも行けます。
シティウォークへのアクセス
アリーナの目の前にドバイメトロの駅はありません。主な行き方は次のとおりです。
- タクシー・配車アプリ: いちばん手軽な方法です。ドバイではカリーム(Careem)とウーバー(Uber)のどちらも利用でき、シティウォークにはRTAのタクシーが列をなして待っています。
- メトロとタクシーの組み合わせ: レッドラインでブルジュ・ハリファ/ドバイ・モール駅など近くの駅まで行き、そこから短い距離をタクシーで移動します。
- 車: シティウォークには立体駐車場がありますが、大きなコンサートの夜は満車になります。
アンコールが終わると、観客が一斉に会場を後にします。メイン出口付近の乗車待ちの混雑を避けるため、シティウォークの中を数ブロック歩いてから車を呼ぶ人がよく見られます。
アリーナの中で:キノの夜の楽しみ方
この会場に集まる観客は、歌詞をすべて覚えています。最初のサビから大合唱が始まり、静かなヴァースではスピーカーの音より歌声のほうが大きいことも珍しくありません。歌詞はロシア語です。ロシア語がわからなくても、「グルッパ・クロヴィ」のリフレインさえ覚えておけば、キノのセットでいちばん盛り上がる瞬間を一緒に楽しめます。
この会場のコンサートでは、たいてい次のような流れになります。
- セキュリティチェック: 入口で手荷物検査があります。大きなバッグやプロ用カメラは、基本的に持ち込めません。
- デジタルチケット: スマートフォンで表示するのが一般的なので、観客は入場ゲートに備えてバッテリーを残しています。
- カード・スマホ決済: フードやドリンクのカウンターで使えます。こうした場面での支払いに関しては、ドバイはほぼキャッシュレスの街です。
- 服装: カジュアルで構いません。ツォイの顔がプリントされた黒いバンドTシャツが、いわば非公式のユニフォームです。
テンポのゆったりした曲、とりわけ「クークシュカ(カッコウ)」では、スマートフォンのライトが会場中に灯ります。本格的な撮影はステージ近くの人たちに任せ、バラードの間は歌うことに専念するのがファンの定番です。
ドバイの1月の夜
1月はドバイで最も穏やかな季節です。夜は涼しく、屋外では軽く羽織るものがあると重宝します。公演の前後にシティウォークを散策するのも、つらいどころか心地よいひとときになります。
旅行者の多くは、ダウンタウン・ドバイやビジネス・ベイ、ジュメイラに滞在しています。いずれもアリーナからタクシーですぐの距離です。開演前はシティウォークのテラス席で食事をとる人が多く、終演後にはドバイ・モールまで足を延ばし、ブルジュ・ハリファのふもとの噴水を眺める人もいます。本公演の日程、チケットのリンク、入場規則は、主催者とアリーナが公開しています。
よくある質問
ドバイでのキノ・トリビュート・コンサートはいつ、どこでありますか?
公演日は2027年1月6日、会場はコカ・コーラ・アリーナです。ドバイのアル・ワスル地区にあるシティウォークに直結した屋内アリーナです。
本当にヴィクトル・ツォイの歌声が使われているのですか?
はい。コンサートはツォイが生前に録音したオリジナルのボーカルを軸に構成されており、キノがその歌声に合わせて生演奏します。ツォイの真似をして歌う歌手はいません。
公共交通機関でコカ・コーラ・アリーナへ行くにはどうすればよいですか?
アリーナに直結するメトロ駅はありません。多くの人はレッドラインでブルジュ・ハリファ/ドバイ・モール駅など近くの駅まで行き、そこから短い距離をタクシーで移動します。タクシーやカリーム、ウーバーで直接向かう人もいます。
楽しむにはロシア語がわからないといけませんか?
その必要はありません。ただし歌詞はロシア語で、観客は大声で一緒に歌います。「グルッパ・クロヴィ」や「ハチュー・ペレメン!」などのサビをいくつか覚えておくと、ぐっと楽しい夜になります。
開演前に食事ができる場所は近くにありますか?
アリーナを出てすぐのところにシティウォークがあり、歩行者専用の通りにレストランやカフェがずらりと並んでいます。ダウンタウン・ドバイやドバイ・モールへも車ですぐです。
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