建物そのものが、最初の展示品といえます。テヴァラにあるケララ民俗博物館は、ある骨董品収集家が、古いケララの邸宅(タラワド)や寺院、宮殿から譲り受けた柱や梁、扉口を使って建てたものです。そのため階を上るごとに建築様式が変わっていき、石敷きの床を持つコーチ様式の1階から、木材を多用したマラバール様式の最上階まで、3つの異なる様式が積み重なる構造になっています。
展示ケースにたどり着く前から、この地域の木工技術の歴史をたどる旅がすでに始まっているのです。
実際に何が展示されているか
コレクションはケララ各地やその他の地域から集められたもので、その数は5,000点以上ともいわれていますが、常時展示されているのはその一部にすぎません。館内で見られるのは主に次のようなものです。
- 木彫りの寺院彫刻や彩色天井パネル
- 青銅や真鍮の祭祀用具、オイルランプ、日用の骨董品
- カタカリやテイヤムの仮面や頭飾り
- 伝統舞踊や音楽の公演に使われる劇場風のホール
- 入り口付近にある、工芸品や織物、骨董雑貨を扱う小さな売店
キャプションによる解説は控えめなので、個々の展示品についてもっと知りたい場合は、キャプションを読むだけよりも、ガイド付きの見学(申し込めば利用できることもあります)を頼るほうが理解が深まります。
様式が変わっていく階段
常連の訪問者が最もよく話題にするのが、この階段や各階の造りの違いです。階を上るにつれて、より重厚な石とラテライトを使うコーチ様式から、ケララ北部に特有の、精緻な彫刻が施された木造のマラバール様式へと、建築の言葉そのものが意図的に変化していきます。本来なら3つの異なる地域を訪ねなければ比較できないような建築工法を、この一つの建物の中で見比べられる、またとない機会です。
タイミングを見極める
博物館は曜日を問わず、毎日9時から18時まで同じ時間で営業しているため、平日に休館日を気にする必要はありません。混雑のパターンにも一定の傾向があり、平日・週末を問わず、開館直後の9時から10時が最も空いています。
一方、週末の午後はまったく逆です。土曜・日曜の正午から16時にかけては、団体客と家族連れが重なり、博物館が最も混み合う時間帯になります。週末に訪れるなら、昼食後ではなく開館と同時に入館することで、展示ケース周りや劇場ホールでのゆとりが大きく変わってきます。
アクセス
博物館は、コーチ南部のテヴァラ・フェリー波止場からほど近い、テヴァラ・フェリー・ロード交差点付近のパンディット・カルッパン・ロード(Pandit Karuppan Road)沿いにあります。フォート・コーチ(Fort Kochi)やマッタンチェリー(Mattancherry)に滞在しているなら、フェリーでテヴァラまで渡り、そこから短いオートリクシャーか徒歩で博物館の門まで向かうのが、最も景色を楽しめるアクセス方法です。
陸路の場合は、エルナクラム(Ernakulam)やフォート・コーチからタクシーやオートリクシャーで気軽に行くことができ、交通状況や出発地点にもよりますが、おおよそ20〜30分ほどです。テヴァラへ直接乗り入れる地下鉄路線はないため、多くの訪問者はフェリー、オートリクシャー、あるいは事前予約したタクシーで訪れています。
混雑を避けて訪れるには
この博物館は、知る人ぞ知る穴場というよりも、実際に人気の高いスポットです。そのため、週末午後の混雑は運任せで避けられるものではなく、あらかじめ計画に織り込んでおくべきものと考えてください。地元の人やリピーターが実践している、いくつかの実用的なポイントを挙げます。
- 特に週末は、可能であれば9時から10時の間に到着すること
- 見学時間は60〜90分を目安にし、劇場ホールで公演が行われている場合はさらに長めに見ておくこと
- 撮影はほとんどのエリアで基本的に許可されていますが、公演や特にデリケートな骨董品を撮影する前にはスタッフに確認すること
- 帰る前に工芸品のお土産を買いたい場合は、入り口付近に小さな売店があること
- 古い木造の床があるエリアでは靴を脱ぐよう求められることがあるため、人に見られても構わない靴下を履いておくこと
博物館の外に広がるもの
テヴァラそのものは、観光地というよりは静かな住宅街の一角なので、入り口の周りにお土産店が立ち並んでいるようなことは期待しないほうがよいでしょう。テヴァラ・フェリー・ロード周辺は、コーチの日常の暮らしぶりを感じられる場所として、少し歩いてみる価値があります。
すぐ近くにフェリー波止場があるので、見学後にそのままフォート・コーチやエルナクラム方面へ船で戻る、という組み合わせも簡単にできます。
コーチ南部の文化的な見どころを中心に1日を組み立てるなら、フェリーでの移動は博物館の朝の静かな時間帯が過ぎた頃、つまり日中に済ませることにして、フォート・コーチ周辺の教会群や植民地時代の建築と合わせて訪れるのがおすすめです。
よくある質問
ケララ民俗博物館の見学にはどれくらいの時間が必要ですか?
展示室や建築を見て回るなら60〜90分を目安にしてください。劇場ホールでカタカリ舞踊などの公演がたまたま行われている場合は、さらに時間を加えるとよいでしょう。
最も空いている時間帯はいつですか?
平日・週末を問わず、開館直後の9時から10時が最も空いています。逆に週末の正午から16時にかけては最も混み合う時間帯なので、できればこの時間の来館は避けましょう。
フォート・コーチ(Fort Kochi)から博物館へはどう行けばよいですか?
最も景色を楽しめるのは、フェリーでテヴァラ・フェリー波止場まで渡り、そこからオートリクシャーか徒歩でパンディット・カルッパン・ロード(Pandit Karuppan Road)へ向かうルートです。陸路の場合はタクシーやオートリクシャーで、交通状況にもよりますがおよそ20〜30分かかります。
博物館は毎日開いていますか?
はい、定休日はなく、毎日9時から18時まで同じ時間で営業しています。
見学後、博物館周辺で楽しめることはありますか?
テヴァラは静かな住宅地なので、多くの訪問者はフェリーでフォート・コーチやエルナクラム(Ernakulam)方面へ戻り、同じ日にフォート・コーチの教会群や植民地時代の建築と組み合わせて観光しています。
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