道の脇には、穴だらけの黒い玄武岩を膝の高さまで積んだ石垣が続きます。その向こうには根菜の畑が広がり、さらに先には海が見えます。砂地の上では淡く澄み、溶岩の上では深く沈んだ色をしています。柵の杭に結ばれた2色のリボンが道しるべです。これが済州オルレ19コースと20コースの風景で、2026年11月5日〜7日の済州オルレ・ウォーキングフェスティバルの舞台でもあります。
北東部の海岸を歩く3日間
このフェスティバルは舞台を観るイベントではなく、自分の足で歩くイベントです。決まった会場はありません。「会場」にあたるのは済州オルレの道のうち、つながった2つの区間です。登録した参加者たちと一緒に、その道を歩いていきます。
19コースの起点は朝天万歳の丘(Jocheon Manse Hill)の近くです。1919年の独立運動に済州島が加わったことを記念する場所です。ここから東へ進み、咸徳(Hamdeok)海水浴場を通り過ぎて、金寧(Gimnyeong)の小さな港でゴールとなります。20コースはその金寧から始まり、月汀里(Woljeong-ri)やピョンデリ(Pyeongdae-ri)を通って海岸沿いを進みます。ゴールはセファ(Sehwa)近くの済州海女博物館です。たいていの人にとって、どちらも丸1日かかる道のりです。
地理について一点補足します。フェスティバルには西帰浦の名が付いていますが、この2つのコースがあるのは北東部の海岸です。港町の西帰浦は漢拏山を挟んだ反対側、南海岸にあります。そのため、済州市やコース沿いの海辺の村に泊まる人が多くいます。
チケットではなく事前登録で参加
参加費は無料で、事前登録をすれば参加できます。運営は済州オルレの名のもとで行われており、毎回の登録方法やプログラムはチケット販売サイトではなく主催者が公開しています。
チケット売り場も座席選びもありません。登録した参加者には、たいてい出発地点とコース、そしてその日一緒に歩く仲間が用意されています。登録せずに同じ道を歩く人は、公共の遊歩道を歩いているだけということになります。
青い矢印、オレンジの矢印、そして子馬
歩き始める前に何より知っておきたいのが、道しるべの仕組みです。済州オルレの道で使われる目印は数種類だけなので、1時間も歩けば覚えられます。
- 青い矢印は、コースの正規の進行方向を示します。
- オレンジの矢印は逆方向を示し、逆回りで歩く人のための目印です。
- 青とオレンジのリボンは、分かれ道にある枝や柱、柵に結ばれています。
- カンセは子馬をかたどった目印で、道を示すとともにオルレのシンボルにもなっています。
各コースの起点、中間点、終点にはスタンプ台があります。オルレパスポートを持っている人は、それぞれの場所でスタンプを押していきます。フェスティバルの3日間を歩き通せば、19コースと20コースの両方のページがスタンプで埋まります。
11月の道の様子
道はおおむねなだらかです。石垣に挟まれた農道、短い砂浜や木道、村の路地、海沿いの道路の端などを歩きます。長い上り坂はありませんが、1日分の距離を歩くとそれなりの道のりになります。
済州島の11月はみかんの季節です。島の田舎道では、石垣の上にオレンジ色の実がたわわに垂れ下がり、開けた土地はススキで白っぽく染まります。秋の北東部の海岸には、海からの風がまともに吹き付けます。晴れていても防風性のある上着を着て、濡れた玄武岩でも滑りにくい靴を履いて歩くのが一般的です。
咸徳、月汀里、ピョンデリにはカフェやコンビニ、トイレがあり、休憩をとるのにちょうどよい場所です。一方、村と村の間に続く静かな農地の区間には、ほとんど何もありません。
オルレを歩く人たちのマナー
オルレのマナーは、主に通り過ぎる村への配慮に関するものです。道は個人の畑を横切り、民家の門の前を通っています。そのため、次のような習慣は当たり前のこととされています。
- 決められた道から外れないこと。 石垣で囲まれているのは誰かの畑で、中の作物はみかんも含めて農家のものです。
- 路地では声を抑えること。 家のすぐ脇を通る路地がたくさんあります。
- あいさつをすること。 すれ違う海女さんや農家の人に軽く「アンニョンハセヨ」と声をかけるのは自然なことで、喜ばれます。
- ごみは持ち帰ること。 村と村の間にはごみ箱がほとんどありません。
海沿いのカフェやコンビニの多くでは、カードやスマートフォン決済が使えます。現金が今も役に立つのは、村の小さな商店や屋台です。韓国の人たちは朝に歩き始めて昼過ぎにはゴールし、ゴールの村で食事をしてからバスで帰るのが定番です。
起点への行き方
移動の要となるのは201番のバスです。済州市と西帰浦を結ぶ東海岸の道路を走り、朝天、咸徳、金寧、セファを通ります。1本の路線で、両コースの起点、引き継ぎ地点、終点をすべてカバーしているわけです。
フェスティバル期間中の典型的な1日は、201番のバスで出発地点まで行き、歩き終えたらゴール地点から同じバスで戻るという流れです。海沿いではタクシーも走っており、島のタクシー配車アプリも広く使われています。片道を歩くコースでは、ゴールが駐車した場所から遠く離れてしまうため、車はあまり役に立ちません。
歩く前と歩いた後に
20コースのゴールにある済州海女博物館では、素潜り漁を営む済州の女性たちの文化を紹介しています。この文化はユネスコの無形文化遺産に登録されており、博物館はフェスティバルの締めくくりにふさわしい場所です。月汀里周辺の海岸には、海を望むカフェが立ち並んでいます。
さらに滞在するなら、海岸沿いを少し先へ進むと、済州島の東端にある凝灰岩の山、城山日出峰があります。フェスティバルの後も歩き続けたい人にとっての次の目的地は西帰浦です。済州オルレ旅行者センターがあり、南海岸のコースが始まる町です。
よくある質問
2026年の済州オルレ・ウォーキングフェスティバルはいつですか?
会期は2026年11月5日〜7日で、舞台は済州オルレ19コースと20コースです。
チケットは必要ですか?
チケットの販売はありません。参加費は無料で、済州オルレの主催者に事前登録をして参加します。
西帰浦の名が付いていますが、実際の場所はどこですか?
19コースと20コースは済州島の北東部の海岸にあります。朝天万歳の丘の近くから咸徳、金寧を経て、セファ近くの済州海女博物館まで続きます。西帰浦の町は南海岸にあります。
起点や終点へはどうやって行くのですか?
201番のバスが、済州市と西帰浦を結ぶ東海岸の道路を走っています。朝天、咸徳、金寧、セファに停車するので、両方のコースで利用できます。タクシーも手軽な代わりの手段です。
歩くのはどのくらい大変ですか?
農道や浜辺の小道、村の路地など、ほとんどが平坦な道です。ただし、どちらのコースも歩き通すにはほぼ丸1日かかります。11月の海岸に備えて防風性のある上着を、濡れた玄武岩に備えて滑りにくい靴を用意するのが一般的です。
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