一枚の壁の向こうに広がる町
サンタ・カタリナ通り(Calle Santa Catalina)から見えるのは、淡い色の石でできた高く長い壁だけです。ところが入口をくぐると、そのスケールに驚かされます。中には路地や広場、回廊、台所があり、個室の僧房がずらりと並んでいます。ドミニコ会の修道女たちが何世紀にもわたって俗世から離れて暮らしてきた、ひとつの集落になっているのです。
修道院が創設されたのは16世紀後半です。それから約400年ものあいだ外部の人は立ち入れず、一般公開が始まったのは1970年のことでした。今も敷地の一部では修道女たちが暮らしています。その区域には入れませんが、それ以外は自由に歩いて回れます。
アレキパでも指折りの人気スポットで、レビューの数もトップクラスです。貸し切り気分は期待できません。とはいえ敷地はとても広いので、入口近くの中庭を抜ければ人混みはだんだん落ち着いてきます。
トレド通り、グラナダ通り、そして色とりどりの壁
敷地内の路地には、トレド、グラナダ、コルドバ、セビーリャ、マラガといったスペインの都市の名前が付いています。どの路地も狭い石畳の道です。両側の壁は、アレキパの植民地時代の街並みを形づくる白い火山岩「シジャール(sillar)」でできています。
これらの路地が写真の名所になっているのは、壁の色のおかげです。深い藍色に塗られた区画もあれば、鮮やかなテラコッタ色の区画もあり、漆喰の壁際には鉢植えのゼラニウムが並んでいます。色はブロックごとに変わるので、角を曲がるたびに別の色の世界に入り込んだような気分になります。
多くの人が何度も足を運ぶのは、青い壁と鉢植えの花で知られるコルドバ通りです。ただ、有名な場所だけを目指すのではなく、路地を順番にたどってみてください。町として歩いてみると、全体の造りがよくわかるはずです。
僧房、台所、洗濯場
修道院での暮らしぶりがよくわかるのが、修道女たちの僧房です。多くは殺風景な部屋ではなく、小さな一軒家のような造りでした。居間や寝室用のアルコーブがあり、煤で黒くなった台所には石のかまどが残っています。裕福な家の出身の女性たちは、使用人と家財道具を伴って入ってきました。部屋には今も当時の家具や鍋、宗教画が残されています。
見学中に探してみたい場所は次のとおりです。
- オレンジの回廊(Claustro de los Naranjos):彩色されたアーチと柑橘の木々が見事です
- 大回廊:聖母マリアとキリストの生涯を描いた壁画が並んでいます
- 修練女の回廊:修道院に入った女性たちが最初の数年を過ごした場所です
- 洗濯場:半分に割った大きな素焼きの壺が並び、流れる水路から水が引き込まれています
- ソル・アナ・デ・ロス・アンヘレス・モンテアグードの僧房:この修道院の修道女で、1985年に教皇ヨハネ・パウロ2世によって列福されました
- 美術館:クスコ派の様式で描かれた植民地時代の宗教画を展示しています
上の階には一段高い通路もあります。そこからは瓦屋根の向こうに、街を見下ろすようにそびえる火山エル・ミスティを眺められます。
昼の混雑を避けるには
ほかの観光地と比べても、ここは訪れる時間帯がとても重要です。いちばん空いているのは、平日も週末も9時〜10時です。週末なら16時〜17時も比較的落ち着いています。
週末の12時〜14時に訪れるのはやめておきましょう。入口付近や有名な路地がもっとも混み合う時間帯で、コルドバ通りの撮影待ちの列もなかなか進みません。現在の開館時間は9時、閉館は17時なので、週末の夕方に行く場合は1時間しか見学できません。
こうした博物館の開館時間は季節によって変わり、夜間に特別開館した日もあります。最終入場時間も含めて、その月のスケジュールは公式サイトで確認してください。朝の光は白い石をやわらかく照らし、午後遅くの日差しは赤や青をいっそう際立たせます。
入口でガイドを頼む
ガイドツアーは入口から出発します。初めて訪れるなら、ぜひ参加してみてください。敷地内には順路や解説がありません。ガイドがいれば、どの僧房に誰が住んでいたのか、修練女がどのように修道女になったのか、壁がなぜあの色に塗られたのかを説明してもらえます。ツアーはスペイン語や英語のほか、さまざまな言語で行われています。
ガイド料の支払い方法は決まっていないので、チケットを買うときに窓口で確認しましょう。最後にチップを渡す人も多くいます。料金はチケット窓口と公式サイトに掲示されています。カード端末が使えない場合に備えて、ソルの現金も少し持っておくと安心です。
そのほかの注意点は次のとおりです。
- 修道院の区域に配慮しましょう。一部は今も現役の修道院で、その扉は閉ざされたままです。
- 礼拝堂や僧房では静かにしましょう。
- 三脚を使う前には確認しましょう。写真撮影も見学の楽しみのひとつですが、ルールは変わることがあります。
- ゆっくり歩きましょう。アレキパは標高約2,300メートルにあり、石畳や階段の上り下りが意外と体にこたえます。
アルマス広場からの行き方
修道院は、アルマス広場からサンタ・カタリナ通りを数ブロック北へ進んだところにあります。広場の脇道に続くアーケードを抜けて坂を上っていくと、白く長い壁が見えてきます。入口は301番地です。
歴史地区にあるホテルなら、たいてい歩いて行ける距離です。中心部の通りは碁盤の目状に走っているので、道に迷う心配もほとんどありません。ヤナワラなど離れた場所から向かう場合は、タクシーで修道院の名前を伝えれば通じます。
サンタ・カタリナ通り周辺の街並み
歴史地区全体がユネスコの世界遺産に登録されていて、その多くが同じ白いシジャールで造られています。修道院の見学と組み合わせて、半日の街歩きを楽しむのも簡単です。
近くの見どころは次のとおりです。
- アンデス聖地博物館(Museo Santuarios Andinos):「フアニータ」と呼ばれるインカの氷のミイラを所蔵しています。南へ歩いてすぐです
- アレキパ大聖堂:アルマス広場の一辺をまるごと占めています
- ラ・コンパニーア教会(Iglesia de la Compañía):広場の角に建つイエズス会の教会で、シジャールのファサードに施された緻密な彫刻が見事です
- ヤナワラ展望台(Mirador de Yanahuara):川向こうにあり、アーチ越しにエル・ミスティを望めます。午後遅くにタクシーで訪れる価値があります
午前中は修道院を見学し、昼食は広場の近くでとって、午後は大聖堂かフアニータを訪ねる。この順番で回れば、週末の昼のサンタ・カタリナの混雑を避けられます。
よくある質問
サンタ・カタリナ修道院がいちばん空いているのはいつですか?
曜日を問わず9時〜10時が狙い目です。週末なら16時〜17時も比較的空いています。いちばん混み合うのは週末の12時〜14時なので、この時間帯は避けてください。
見学にはどのくらいの時間をみておけばよいですか?
2〜3時間ほどを予定しておきましょう。ガイドツアーでは主な回廊と僧房を案内してもらえます。色鮮やかな路地を歩いたり、エル・ミスティを望む通路に上ったりするなら、さらに時間に余裕をもたせてください。
場所と行き方を教えてください。
アレキパ歴史地区のSanta Catalina 301にあり、アルマス広場から数ブロック北へ行ったところです。中心部に宿泊している人の多くは歩いて訪れます。タクシーなら名前を伝えるだけで通じます。
ガイドツアーに参加する価値はありますか?
初めての訪問なら参加をおすすめします。敷地内には案内表示がほとんどありません。ガイドがいれば、僧房のことや修練女の制度、修道会の歴史を解説してもらえます。ガイドの手配は入口で行います。料金の支払い方法はチケット窓口で確認できます。
周辺にはどんな見どころがありますか?
アンデス聖地博物館(ミイラ「フアニータ」を展示)、アレキパ大聖堂、ラ・コンパニーア教会は、いずれも歩いてすぐです。川向こうのヤナワラ展望台へは、タクシーですぐに行けます。
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