キャッスル・ヒルに残る古い宿屋
市の中心部から北へ延びるキャッスル・ストリート(Castle Street)は、上り坂になっています。ここまで足をのばす観光客はあまり多くありません。モードリン橋を渡り、カレッジを横目に坂を上っていくと、通りは次第に静かになります。やがて角に現れるのが、周囲のどの建物よりも古そうに見える木骨造りの建物です。見た目のとおり、実際にこのあたりでいちばん古い建物です。
これがケンブリッジ博物館です。この建物は何世紀にもわたって「ホワイト・ホース・イン」という宿屋として使われ、1930年代に「ケンブリッジ・州民俗博物館」に生まれ変わりました。大学の歴史を伝えるのがカレッジだとすれば、ここで語られているのは、町や周辺の州で暮らしてきたそれ以外の人々の歴史です。
低い天井、傾いた床、そして市井の暮らし
館内では、建物そのものが見学のペースを決めます。17世紀の木骨構造のため、部屋はどれも小さく、狭くて急な階段でつながっています。床は平らではなく、戸口も低いので、背の高い人はすぐに身をかがめる癖がつくはずです。展示施設というよりは、古い民家の中を歩き回っているような感覚です。
収蔵品のテーマは、ケンブリッジシャーの日々の暮らしです。主に次のようなものが並んでいます。
- 台所や家庭で使われていた生活用品
- 地元の職人や労働の現場で使われた道具類
- 町や州の風景を描いた絵画
- かつて人々が頼りにしていたお守りや民間療法などの民間伝承
なかでも記憶に残りやすいのが、民間伝承の展示です。近代医学が生まれるはるか前、庶民が病気や不運をどうやって遠ざけようとしていたのかが見えてきます。解説はぜひゆっくり読んでください。これほど小さな博物館では、細部にこそ見どころがあります。
キャッスル・ストリートへの行き方
所在地は2-3 Castle St, CB3 0AQです。マーケット・スクエア(Market Square)からブリッジ・ストリート(Bridge Street)を進み、ケム川に架かるモードリン橋を渡って、そのまま坂を上ります。途中でモードリン・カレッジの前を通り、10–15分ほどで到着します。
ケンブリッジ駅からは市内を横断することになり、歩くとかなりの距離があります。まずバスで中心部まで出て、そこから坂を上るほうが楽です。中心部は車だと渋滞しやすく、駐車場も限られています。そのため、多くの人は郊外のパーク・アンド・ライドを利用しています。
訪れる曜日の選び方
開館日は見落としやすいので注意が必要です。現在の開館日は次のとおりです。
- 月曜:10am–5pm
- 金曜:10am–5pm
- 土曜:10am–5pm
- 日曜:11am–5pm
- 火曜・水曜・木曜:休館
旅程が平日の中ごろにかかる場合は、それを踏まえて予定を組みましょう。小規模な独立系博物館は、季節や休暇期間によって開館時間が変わります。出発前に博物館の公式サイトを確認しておくと安心です。
全部の部屋を急がずに見て回るなら、1時間あれば十分です。ティールームでくつろぐつもりなら、さらに時間をとっておきましょう。急な階段と小部屋が続くため、ざっと一周するだけでも思った以上に時間がかかります。閉館前の最後の1時間に入るよりも、だいぶ早めに着くようにしてください。
階段、入館料、ティールーム
入館料は到着時に受付で支払います。最新の料金は博物館の公式サイトと入口に掲示されています。イギリスの博物館では、多くの場合「ギフトエイド」を付けるかどうかを尋ねられます。これは慈善団体が入館料に上乗せして税の還付を受けられる英国の制度です。英国の納税者である場合にのみ「はい」と答えてください。
これほど古い建物では、次の点に気をつけると見学しやすくなります。
- 階段が狭いので、下りてくる人を先に通しましょう
- 大きなリュックは狭い部屋で展示物にぶつかりやすいので、受付で預けられるか尋ねてみましょう
- 足の不自由な方は、どの階まで行けるのかを事前に博物館へ問い合わせておきましょう
ティールームも、見学の大切な一部です。かつては宿屋として、今は博物館として、この建物は古い梁の下でお茶を楽しむ場所であり続けてきました。あまり知られていない博物館なので、席の取り合いになることはまずありません。ただし、週末には家族連れや少人数のグループが訪れることもあります。
キャッスル・ヒルのほかの見どころ
博物館があるのは、ケンブリッジの中でも小さいながら見どころの多い一角です。歩いて数分の範囲に、次のような場所があります。
- ケトルズ・ヤード(Kettle’s Yard):同じ角の隣にある、近代美術の邸宅兼ギャラリー
- キャッスル・マウンド(Castle Mound):ノルマン時代の城跡が草に覆われた丘で、街に立ち並ぶ尖塔を無料で眺められる屈指の展望スポット
- 聖ペテロ教会(St Peter’s Church):キャッスル・ストリートから少し入ったところにひっそりと建つ、中世の小さな教会
- モードリン橋とケム川:坂のふもとにあり、パント(平底舟)が集まる場所
半日をかけるなら、こんな回り方がおすすめです。まずケンブリッジ博物館を見学し、キャッスル・マウンドに登って景色を楽しみます。次にケトルズ・ヤードを訪れ、最後に坂を下って川辺へ向かいます。キングス・カレッジの行列に並ぶ日帰り客の多くが知らない、この街のもうひとつの顔に出会えるはずです。
よくある質問
ケンブリッジ博物館は何曜日に開いていますか?
現在は月曜・金曜・土曜が10am–5pm、日曜が11am–5pmに開館しています。火曜・水曜・木曜は休館です。開館時間は季節によって変わることがあるため、お出かけ前に公式サイトをご確認ください。
ケンブリッジ博物館へはどう行けばよいですか?
所在地は2-3 Castle St, CB3 0AQです。マーケット・スクエアからブリッジ・ストリートを進み、モードリン橋を渡ってキャッスル・ストリートを上っていくと、徒歩で10–15分ほどで着きます。鉄道駅から向かう場合は、まずバスで中心部まで出るとよいでしょう。
見学にはどのくらい時間をみておけばよいですか?
展示室をひと通り見るなら1時間ほどで足ります。ティールームにも立ち寄るなら、もう少し余裕をみておきましょう。近くのケトルズ・ヤードやキャッスル・マウンドと組み合わせれば、半日のコースになります。
足の不自由な方でも見学できますか?
博物館の建物は17世紀の木骨造りの旧宿屋です。階段は狭くて急で、床にも段差やゆがみがあります。どのエリアまで行けるのか、訪問前に博物館へ問い合わせてください。
周辺にはほかに何がありますか?
すぐ隣にケトルズ・ヤードがあります。少し歩けば、街を見渡せるキャッスル・マウンドがあります。キャッスル・ストリートから少し入ったところには聖ペテロ教会があり、坂を下りればモードリン橋とケム川に出ます。
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