駅とカレッジ群のあいだに広がる40エーカー
ここは大学が自ら運営する植物園です。敷地は40エーカーで、ブルックサイド(Brookside)沿いに広がっています。道路脇の石造りの水路にはホブソンズ・ブルックが流れています。柵の内側に入ると、大木の下を長く続く散策路があり、池やロックガーデン、ずらりと並んだ温室が現れます。市の中心部は北へ少し歩いた所なのに、キングズ・パレードの人混みがずいぶん遠く感じられます。
植物園がこの地に移ってきたのは1846年のことです。移転を主導したのは植物学教授のジョン・スティーブンス・ヘンズローで、チャールズ・ダーウィンの師として知られる人物です。ヘンズローは、植物を科ごとに配置した教育用の庭園としてここを構想しました。その学術的な目的は、今もラベルや区画の配置に表れています。一般的な公園とはまったく違う印象を受けるのは、そのためでもあります。
家族連れやカップル、日帰り旅行者にとても人気があります。温室までじっくり見るなら2〜3時間は確保しておきましょう。主な散策路と池だけを短めに回るなら1時間ほどです。
ガラスの中の世界
天気が崩れてきたら、屋内から見学を始めましょう。温室群はいくつもの棟が一列につながっているので、ある気候からすぐ隣の気候へと歩いて移れます。棟ごとに、異なるタイプの植物が育つ環境が整えられています。
- 熱帯温室: 暖かく湿度が高く、葉の大きな植物がうっそうと茂っています
- 乾燥地帯の温室: 乾いた砂利まじりの植床にサボテンや多肉植物が並びます
- 高山植物の温室: 鉢や石の植え鉢で小さな高山植物を育てています。見頃は春です
寒い日や雨の日の避難場所としても、温室がいちばんです。ただし週末の午後の混雑時は、狭い通路がなかなか進まなくなるので覚悟しておきましょう。
ヘンズローの「生きた目録」
ケンブリッジならではの見どころといえるのが分類花壇です。島のように点在する多数の花壇に、植物学者が分類した順序で植物が科ごとにまとめられています。花壇1つにつき1つの科が植えられ、それぞれにラベルが付いているので、歩いて巡れば教科書の中を散策している気分になります。
堅苦しく聞こえるかもしれませんが、夏には園内でもっとも色彩豊かな場所のひとつになります。ケシの仲間のすぐ隣にキャベツの仲間が並ぶなど、普段なら並べて見比べることのない植物同士を比べられるのも面白いところです。今も学生の授業に使われています。
ブルックサイド寄りの一角には、アイザック・ニュートンの有名なリンゴの木から育てられた木もあるので、ぜひ探してみてください。また、2019年7月には園内の気象観測所で38.7°Cを記録しました。この数値は一時期、英国の観測史上最高気温でした。
灰色の季節のための庭
多くの庭園では冬は見どころの少ない季節ですが、ここには冬専用の区画があります。ウィンター・ガーデンは花ではなく、樹皮や枝、香りを楽しめるように植栽されています。色づいたミズキの枝や白っぽいシラカバの幹、葉の落ちた枝に花を咲かせる低木などが見られます。もっとも美しいのは、冬の低い日差しが差し込むときです。
春になると原種のチューリップが咲きます。植物園は植物のナショナル・コレクションをいくつも所蔵しており、野生種のチューリップもそのひとつです。夏は分類花壇と池のほとりが見頃です。秋には主な散策路沿いの木々が色づきます。
門の場所とアクセス、入園について
植物園には入口が複数あります。住所は1 Brooksideですが、ベイトマン・ストリート(Bateman Street)と、駅に近いヒルズ・ロード(Hills Road)にも門があります。電車で来る場合は、ステーション・ロード(Station Road)からヒルズ・ロードへと歩きましょう。ケンブリッジ駅からは徒歩10〜15分ほどです。市の中心部からなら、トランピントン・ストリート(Trumpington Street)を南へ進み、ブルックサイドへ曲がります。
ケンブリッジ中心部への車の乗り入れは渋滞しやすく、駐車場も限られています。パーク・アンド・ライドのバスか自転車を利用するほうが便利です。ケンブリッジは平坦な街ですが、晴れた週末には門の近くの駐輪場がすぐに埋まってしまいます。
現在の開園時間は毎日午前10時〜午後5時です。植物園は季節によって開園時間が変わり、一部の祝日は休園となるため、その月の時間を公式サイトで確認してください。入園料は公式サイトと門に掲示されています。
週末の混雑を避けるには
ここでは訪れるタイミングがもっとも重要です。いちばん落ち着いているのは平日の午前10時〜11時で、開園と同時に入れば、分類花壇や温室をほぼ独り占めできます。週末の午前11時〜午後5時はできるだけ避けましょう。芝生が家族連れでいっぱいになり、カフェには長い列ができ、温室の通路も渋滞します。
いつ訪れるにしても、次のような点を心がけると快適です。
- 温室を最初に回りましょう。 園内でもっとも狭い空間なので、時間がたつほど混雑します。
- 支払いはカードで。 ケンブリッジではカード払いが一般的です。カウンター式のカフェでチップを渡す必要はありません。
- 通路から外れないようにしましょう。 花壇の植物には研究・教育用のラベルが付けられています。挿し木用に枝を切り取らないようお願いされています。
- ピクニックをするなら、事前にルールを確認しましょう。 芝生で何が許可されているかは、植物園のウェブサイトに記載されています。
週末しか行けない場合は、午前10時ちょうどに到着しましょう。まっすぐ温室へ向かい、広々とした芝生や池は後回しにします。そのころには広い空間に人が散らばり、混雑も和らいでいます。
閉園後の楽しみ方
植物園の後は、街の南側と組み合わせて巡るのがおすすめです。トランピントン・ストリートにあるフィッツウィリアム美術館までは北へ徒歩10分ほどで、入館は無料です。さらにその先へ進むと、最古のカレッジであるピーターハウスがあり、続いてペンブルックが見えてきます。ここから中心部のカレッジ街が始まります。
あるいは、トランピントン・ロードをもう少し先まで進み、グランチェスター・メドウズの遊歩道へ向かうのもよいでしょう。ケム川沿いを歩く、ケンブリッジの定番の散歩道です。植物園が午後5時に閉まった後、日の長い夏の夕方に歩くのが最高です。
よくある質問
ケンブリッジ大学植物園がいちばん空いている時間帯はいつですか?
もっとも空いているのは平日の午前10時〜11時です。週末の午前11時〜午後5時はいちばん混み合うので避けましょう。
ケンブリッジ駅からはどう行けばよいですか?
ステーション・ロードからヒルズ・ロードへと歩いて進みます。ヒルズ・ロード側の門までは10〜15分ほどです。正面の住所は1 Brookside, CB2 1JEです。
開園時間を教えてください。
現在は毎日午前10時〜午後5時に開園しています。季節や一部の祝日によって時間が変わるため、出かける前に公式サイトで確認してください。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
温室群と分類花壇、池まで見るなら2〜3時間を見ておきましょう。主な散策路をひと回りするだけなら1時間ほどです。
冬に訪れる価値はありますか?
あります。専用のウィンター・ガーデンでは、色鮮やかな枝や樹皮、冬の香りを楽しめるよう植栽されています。温室に入れば暖かく過ごせます。
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