美術館のスロープを上ると、大理石のロビーが待っているだろうと思いきや、まず目を奪われるのは天井です。青とターコイズが波打つタイル張りのドームに自然光が差し込み、思わず足が止まります。エントランスの中庭からも見えるこのドームこそ、ここがただの埃っぽい遺物陳列室ではないことを物語る最初の手がかりです。
東南アジアでも屈指の完成度を誇る美術館建築であり、それを自ら誇示するかのような空間です。
館内には、スペインから中国にまで及ぶ、1000年以上にわたるイスラム美術のコレクションが広がっています。精緻な彫刻が施された木製のコーラン台、コバルトブルーとコーラルピンクの釉薬が美しいオスマン帝国の陶磁器、ムガル帝国の翡翠の短剣などが並び、2階には世界の名だたるモスクを縮小模型で再現した建築ギャラリーもあります。
この美術館が際立っている理由
多くの人はその規模を見くびりがちですが、実際には複数のフロアにわたっていくつもの常設ギャラリーが展開されています。それぞれ地域やテーマ(染織、金属工芸、武器・武具、陶磁器など)ごとに構成されています。
シリアの民家から移設・復元された彫刻入り木製天井を持つオスマンルームだけでも、訪れる価値があります。建築ギャラリーでは天窓から自然光がたっぷりと降り注ぎ、隣接するコーランギャラリーでは、その光が写本ページの金箔を美しく照らし出します。
アクセス
美術館は、タシック・パーダナ(Tasik Perdana)近くのジャラン・レンバ(Jalan Lembah)沿い、パーダナ植物園(旧レイクガーデンズ)内に位置しています。
- 最寄り駅:パサール・スニ(Pasar Seni)駅、またはクアラルンプール・セントラル(KL Sentral)駅からタクシーかGrabで植物園まで少し移動
- 車の場合:敷地内に駐車場があります。園内は広く、道路から歩いて入ると時間がかかるため、車の利用が便利です
- 徒歩の場合:庭園内の遊歩道を通じて国立モスク(Masjid Negara)やKLバードパークとつながっており、この3か所をまとめて巡る人も多くいます
見どころとグルメ
最低でも2〜3時間は確保しておきましょう。12のギャラリーを急ぎ足で回ると、この美術館ならではの細部の魅力を見逃してしまいます。
見逃せないのは以下のギャラリーです:
- 建築ギャラリー:タージ・マハル、岩のドーム、アルハンブラ宮殿などの縮小模型を展示
- 中国ギャラリー:中国の陶磁器や書道に見られる、数世紀にわたるイスラム文化の影響を紹介
- 織物ギャラリー:オスマン帝国や中央アジアの刺繍が施されたローブを展示
館内のレストラン「アロマス・オブ・ダマスカス(Aromas of Damascus)」では、中庭を眺めながらレバント料理とマレーシア料理を楽しめます。わざわざ外に食事を探しに出るより、ここでランチを済ませるのが得策です。また、研究図書室や、イスラム美術に関する良書が揃うギフトショップもあり、こうした美術館併設ショップとしては珍しいほど本のセレクトが充実しています。
訪れるベストタイミング
美術館は毎日9:30〜18:00まで開館しており、定休日がないため、クアラルンプールの旅程に柔軟に組み込めます。
市内でも常に来場者数の多い美術館のひとつなので、曜日よりも時間帯の選び方が重要になります。週末は10:00から閉館の18:00まで、ほぼ一日を通して比較的落ち着いています。
平日であれば、閉館直前の17:00〜18:00が最も静かな時間帯です。ギャラリーをできるだけ独り占めしたいなら、この最後の1時間が狙い目ですが、スタッフが閉館準備を始める前に見終える必要があるため、駆け足になることは覚悟しておきましょう。
現地流の楽しみ方
これは知る人ぞ知る穴場ではなく、多くの人が訪れ、高く評価している美術館です。だからこそ、混雑を完全に避けようとするより、時間帯を工夫して訪れるのが賢い選択です。
展示の前でゆったり過ごしたいなら、平日の17:00〜18:00を狙いましょう。週末に訪れる予定なら、午前中の半ば以降であればおおむね混雑は落ち着いています。
チケットは到着後に窓口で購入すれば十分で、事前予約はほとんど不要です。支払いはカードまたは現金で窓口にて行い、入館料はわずかながら発生します(料金は改定されることがあるため、訪問前に最新情報を確認してください)。
タイル張りの床を歩くため、履き慣れた靴がおすすめです。外の暑さに比べて館内の冷房はかなり効いているので、羽織るものも一枚持って行きましょう。初めて訪れる人にありがちな失敗は、バードパークとモスクの間の「1時間程度の立ち寄りスポット」として扱ってしまうことです。このコレクションは、もっとゆっくり時間をかけて味わう価値があります。
複数のスポットを組み合わせるなら、まだ体力があるうちに美術館を先に訪れ、その後、木陰の続く庭園の小道を歩いてマスジド・ヌガラ(国立モスク)へ向かうのがおすすめです。このクアラルンプールの一角を、無理なく自然な流れで巡ることができます。
よくある質問
イスラム美術館(マレーシア)の見学には、どのくらい時間を見ておけばいいですか?
12の常設ギャラリーをしっかり見て回るなら2〜3時間を目安にしてください。館内レストラン「アロマス・オブ・ダマスカス(Aromas of Damascus)」でランチをとる場合は、さらに時間をプラスしておきましょう。
最も空いている時間帯はいつですか?
平日であれば、閉館直前の17:00〜18:00が最も静かです。週末は10:00から閉館の18:00まで、ほぼ一日を通して比較的空いています。
車を使わずに美術館へ行くにはどうすればいいですか?
LRTまたはKTMでパサール・スニ(Pasar Seni)駅かKLセントラル(KL Sentral)駅まで行き、そこからGrabかタクシーで少し移動してパーダナ植物園内へ入ります。美術館はジャラン・レンバ(Jalan Lembah)沿いにあります。
美術館は毎日開いていますか?
はい、定休日はなく、毎日9:30〜18:00まで開館しています。そのため、クアラルンプールの旅程に組み込みやすくなっています。
この美術館とあわせて訪れるのにおすすめの場所はありますか?
国立モスク(Masjid Negara)とKLバードパークは、どちらもパーダナ植物園内の遊歩道を歩いて行ける距離にあり、この3か所をまとめて巡れば半日たっぷり楽しめる観光コースになります。
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