1535年から続く一族の住まい
歩行者専用の商店街ジロン・デ・ラ・ウニオン(Jirón de la Unión)から眺めても、ここが博物館だとはまず気づかないでしょう。アルマス広場から半ブロック、立ち並ぶ店のあいだに、植民地時代のファサードと重厚な木の扉があるだけです。ところがその扉の奥には、最初に土地を拝領した一族がいまも所有し続けている、南北アメリカ大陸でも屈指の古い邸宅が残っています。
この土地を与えたのはフランシスコ・ピサロで、リマを建設した1535年のことでした。受け取ったのは、ピサロとともに戦った征服者のひとり、ヘロニモ・デ・アリアガです。それ以来、アリアガの子孫が代々この家を守ってきました。ピサロ自身の館は目と鼻の先にあり、その跡地には現在の政庁が建っています。
邸内の見どころ
ツアーでめぐる部屋には、どこも生活の気配が漂っています。いまも一族の持ち物なので、ガラスケースに収められた展示とはまったく趣が違うのです。リマはたびたび地震に見舞われ、なかでも1746年の大地震の被害は甚大でした。そのため目にするものの多くは、もとの間取りの上に後世の再建が重なったものです。その幾重もの歴史こそが、この家を訪れる醍醐味のひとつといえます。
注目したいのは次のようなものです。
- 木彫りのバルコニー:広場周辺の通りにも並ぶ、リマ特有の箱型のスタイルです
- 植民地時代と共和国時代の家具:一族の肖像画とともに、応接間のあちこちに配されています
- 中庭:植民地時代の邸宅らしく、各部屋がこの中庭に面しています
- さらに古い時代の痕跡:言い伝えによれば、邸宅はスペイン人到来以前にこの地を治めた首長タウリチュスコゆかりの先スペイン期の聖所の上に建っているといいます
ガイドが部屋ごとに一族の歴史を解説してくれます。ここでは個々の品よりもその物語のほうがずっと大切なので、気になったことはその場でどんどん質問してみてください。
ガイドツアーの予約
通りからふらりと入ることはできません。見学はガイドツアー形式なので、事前に予約するのが一般的です。
- 前もって予約しましょう。 邸宅の公式窓口か、見学をコースに含むリマのツアー会社を通して申し込みます。当日扉の前まで行けば入れる、とは考えないほうが無難です。
- 料金は予約時に確認しましょう。 料金はツアーを手配する側が決めるため、入口ではなく予約の段階で確かめておきます。
- 開館時間内に収まるよう計画しましょう。 Googleでは現在、毎日午前10時〜午後4時と案内されています。歴史的建造物は予定が変わることもあるので、予約時に確認し、午後4時よりかなり前に見学を始められるようにしましょう。
- 他人の家にお邪魔するつもりで振る舞いましょう。 写真は部屋ごとに撮影してよいか尋ね、家具には触れないようにします。一族のプライバシーを守るため、入れる部屋には限りがあります。
- ソルの小銭を用意しておきましょう。 ジロン・デ・ラ・ウニオンの商店やカフェではカードが使える店が増えていますが、ちょっとした買い物やガイドへのチップはいまも現金が中心です。
知る人ぞ知る存在である理由
リマ中心部を訪れる人の多くは、大聖堂やサン・フランシスコ修道院の地下墓所、衛兵交代式を目当てに足を運び、この扉の前は素通りしてしまいます。しかも見学は飛び込みではなく予約制なので、主要な観光名所のように混み合うことがありません。
ひと手間かけて計画するぶん、得られる体験は格別です。いまも一族の住まいである植民地時代の邸内を、その家の歴史に通じた人の案内で見て回れるのですから。リマでもこうした場所はほとんどありません。
ジロン・デ・ラ・ウニオンへのアクセス
邸宅があるのは歴史地区のセルカード・デ・リマ(Cercado de Lima)で、目印はアルマス広場です。ジロン・デ・ラ・ウニオンは広場の角からサン・マルティン広場の方向へ延びています。224番地は広場寄りにあり、政庁のすぐそばです。
ミラフローレスやバランコからは、タクシーか配車アプリで30分ほどですが、渋滞次第ではそれよりずっと長くかかります。中心部まではメトロポリターノのバスも走っており、降りてから広場までは歩いてすぐです。運転手には「Plaza de Armas, Jirón de la Unión」と伝え、最後の数メートルは歩きましょう。
中心部のほかの名所と組み合わせて
邸宅のツアーには1時間ほどみておきましょう。そのあとは、どこも徒歩数分の周辺エリアを回って、半日から1日の行程を組むのがおすすめです。
- アルマス広場:リマ大聖堂や、木彫りのバルコニーが見事な大司教宮殿が面しています
- 政庁(Palacio de Gobierno):正午の衛兵交代式には、柵の前に大勢の見物客が集まります
- サン・フランシスコ教会・修道院:数ブロック東にあり、地下墓所で知られています
- サン・マルティン広場:ジロン・デ・ラ・ウニオンの反対側の端にあり、古い映画館や商店の前を通り抜けた先です
邸宅の見学を午前中に予約しておけば、午後は広場やサン・フランシスコにゆっくり充てられます。そうすれば、どこも慌ただしく回らずに済みます。
よくある質問
アリアガ邸には予約なしで入れますか?
あまり期待しないほうがよいでしょう。見学はガイドツアー形式なので、邸宅の公式窓口か、見学をコースに含むリマのツアー会社を通して事前に予約してください。
開館時間は?
Googleでは現在、毎日午前10時〜午後4時と案内されています。歴史的建造物は予定が変わることもあるため、予約時に時間を確認し、午後4時よりかなり前に見学を始めるようにしましょう。
見学にはどのくらい時間がかかりますか?
ガイドツアーの所要時間は1時間ほどです。多くの人はアルマス広場、リマ大聖堂、サン・フランシスコ修道院とあわせて、中心部で半日から1日を過ごしています。
正確な場所はどこですか?
リマ歴史地区のJr. de la Unión 224にあります。アルマス広場から半ブロックで、政庁のすぐ近くです。
フランシスコ・ピサロはここに住んでいたのですか?
いいえ。ピサロは1535年、配下の征服者のひとりであるヘロニモ・デ・アリアガにこの土地を与えました。現在もアリアガの子孫が所有しています。ピサロ自身の住まいは、数歩先にある現在の政庁の場所に建っていました。
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