訪れる理由
静かな中庭からブロンズ像のナポレオンが裸のマルス神を演じる姿を横目に、幅広の石段を上っていくと、そこはもうミラノの他の場所とはまったく違う空間です。ブレラ美術館は広大で疲れる美術館ではありません。こぢんまりとした、よく練られた展示室の連なりでありながら、イタリア・ルネサンス、とりわけヴェネト州とロンバルディア州を代表する重要な絵画の数々を収めています。
このコレクションは、19世紀初頭にナポレオンが修道会を解散させた際、北イタリア各地の教会や修道院から集めたものです。その成り立ちは今も感じ取ることができます。もともと礼拝堂用に作られた祭壇画が、採光のよいギャラリーの中で目の高さに掛けられ、筆致まで見える近さで鑑賞できるのです。
アクセス
美術館はブレラ地区の中心、Via Brera 28に位置しています。ブレラ地区は石畳の小道や蔦の絡まる中庭、小さな工房が並ぶ、ミラノの古い芸術家街です。最寄り駅はモンテナポレオーネ(Montenapoleone)とランツァ(Lanza)で、どちらもM2線(緑)沿いにあり、徒歩約10分です。M1線(赤)のカイローリ(Cairoli)駅も反対方向から同程度の距離にあり、途中でスフォルツェスコ城の前を通ります。
トラム1番、12番もVia Pontaccio沿いに近い停留所があります。すでにドゥオモやスフォルツェスコ城にいるなら、15〜20分ほどの徒歩圏内です。道中も散策する価値のある通りが続きます。
見どころ
最低でも90分、じっくり鑑賞したいなら2時間は見ておきましょう。必見はアンドレア・マンテーニャの「死せるキリストへの哀悼」です。足の裏がフレームに迫り出してくるような、不安をかき立てる急角度の遠近法で描かれており、小さなキャンバスながら強烈な印象を残します。
その近くには、有名な宙吊りのダチョウの卵と横顔で跪くウルビーノ公が描かれた、ピエロ・デラ・フランチェスカの「モンテフェルトロ祭壇画」が掛けられています。
主要な展示室のひとつの中心を担うのが、ラファエロの初期の傑作「聖母の結婚」です。背景には円形の神殿が完璧な構図で描かれています。ほかにも、ジョヴァンニ・ベッリーニの穏やかで静謐な聖母像、カラヴァッジョの「エマオの晩餐」、そしてイタリア・ロマン主義で最も複製された絵として知られるフランチェスコ・アイエツの「口づけ」も見逃せません。
展示室はおおむね年代順に並んでいるため、ビザンチン様式の金地からルネサンスの遠近法へと移り変わる北イタリア絵画の物語を、歩きながらたどることができます。
訪れるタイミング
来場者数の予測データによると、平日・週末を問わず一日の大半は比較的落ち着いていますが、週末は午前10時から午後6時にかけて団体客や日帰り観光客が主要展示室に集中し、実際に混雑が高まります。週末に訪れるなら開館直後か午後6時以降を、あるいは平日の午前中を狙うと、マンテーニャやラファエロの部屋をゆったりと鑑賞できます。
春や初秋の午前中は、鑑賞後にブレラの中庭や周辺の通りでのんびり過ごすのに気持ちのよい季節です。ただ、館内はどの季節でも屋内でゆっくり過ごせるため、雨の日の予定としても優れた選択肢です。
地元流の楽しみ方
可能であれば事前にオンラインでチケットを購入しておきましょう。チケット売り場の列を避けられるうえ、空いている午前中であれば数分で入館できます。窓口では現金・カードどちらも使えますが、今ではほとんどの人がカードをタッチして支払っています。イタリアの国立美術館ではチップは一切不要です。
イタリア人や常連の訪問者は、ガイドツアーよりもガイドブックや美術館が無料で配布しているフロアマップを片手に館内を巡ることが多く、マンテーニャとアイエツの部屋で最も長く足を止める傾向があります。すべての展示室を均等に急いで回るのではなく、そうした自然な流れに任せるのがおすすめです。
訪問者にありがちな失敗は、ブレラをドゥオモ観光のついでの立ち寄り先程度に考え、20分ほどで駆け足で見て回ってしまうことです。このコレクションは小規模だからこそ、じっくり眺める価値があります。急ぎ足で通り過ぎるだけではもったいないのです。なお、この建物にはミラノの美術アカデミーであるブレラ美術アカデミー(Accademia di Belle Arti)も入っているため、中庭でスケッチをする学生たちの姿を見かけても驚かないでください。ここは美術館であると同時に、今も現役の芸術学校でもあるのです。
鑑賞後は、地元の人々に倣ってブレラの裏通りに足を延ばし、バーのカウンターに立ってエスプレッソを飲むのもおすすめです。イタリアではどこでもテーブル席に座ると追加料金がかかるため、カウンターで立って飲むのが通の楽しみ方です。
よくある質問
ブレラ美術館へ公共交通機関で行くにはどうすればいいですか?
M2線(緑)でモンテナポレオーネ駅またはランツァ駅へ、あるいはM1線(赤)でカイローリ駅へ向かい、そこからブレラ地区へ徒歩10〜15分でVia Brera 28に到着します。トラム1番、12番もVia Pontaccio沿いに近い停留所があります。
見学にはどのくらいの時間を見ておけばいいですか?
ほとんどの訪問者は90分から2時間ほど滞在します。コレクションは丸一日かけなくてもじっくり見て回れるコンパクトな規模です。
最も空いている時間帯はいつですか?
来場データによると、平日・週末とも午前8時30分から午後7時15分の間はおおむね落ち着いていますが、週末は午前10時から午後6時にかけて実際に混雑が高まります。これを避けるには、開館直後か午後6時以降に訪れるのがおすすめです。
必見の作品は何ですか?
マンテーニャの「死せるキリスト」、ピエロ・デラ・フランチェスカの「モンテフェルトロ祭壇画」、ラファエロの「聖母の結婚」、カラヴァッジョの「エマオの晩餐」、アイエツの「口づけ」が、多くの訪問者が真っ先に見たがるハイライトです。
近くには他に何がありますか?
ブレラ地区の職人街や、カイローリ経由で徒歩すぐのスフォルツェスコ城、徒歩15〜20分ほどのドゥオモは、いずれもブレラ美術館の見学と組み合わせるのにぴったりです。
ミラノ旅行の準備
上記リンクの一部はアフィリエイトリンクです。このリンクから予約すると、追加料金なしでWander Atlasが少額の手数料を受け取ります。こうしてすべてのガイドを無料で提供しています。