通りをはさんで建つ5つの館
シャーブルック通り西に立つと、道の両側に美術館の建物が見えます。北側にあるのは、1912年に建てられた白い大理石のボザール様式の建物です。幅の広い階段と列柱が並び、まるで神殿のようです。通りの向かいには、モシェ・サフディが設計した1991年の新館がそびえています。手前には古いアパートのれんが造りのファサードが残されており、新館はその背後に建っています。2つの建物は地下でつながっています。
モントリオール美術館を理解するには、まずこの「二つに分かれた構造」を知っておきましょう。フランス語の正式名称はミュゼ・デ・ボザール・ド・モントリオール(Musée des beaux-arts de Montréal)で、地元では略して「MBAM」と呼ばれています。前身は1860年に創設されたモントリオール美術協会で、その後も建物を次々と増やしてきました。今では5つの館を持ち、カナダでも有数の来館者数を誇る美術館になっています。
シャーブルック通りの下を抜ける地下通路
館内の構成は、地下から見るとよくわかります。地下の展示室が各館を結んでいるので、ヨーロッパの古典絵画から現代作品まで、一度も外に出ずに見て回れます。真冬1月のモントリオールでも、コートを着直す必要がありません。
各館のおおまかな展示内容は次のとおりです。
- ミシャル&レナータ・ホーンスタイン館(1912年築の大理石の建物):美術館発祥の建物で、古い時代のコレクションと考古学資料を収めるために建てられました。
- ジャン=ノエル・デマレ館(サフディ設計、1991年):正面入口があり、大型の企画展が開かれます。
- クレール&マルク・ブルジー館:教会を改装した館で、イヌイットの作品を含むケベックとカナダの美術を展示しています。ティファニーのステンドグラスが今も残り、かつての身廊ではブルジー・ホールのコンサートが開かれます。
- リリアン&デヴィッド・M・スチュワート館:装飾芸術とデザインの館です。
- ミシェル・ド・ラ・シュネリエール国際館(2016年):複数のフロアで世界各地の美術を紹介しています。
入口でフロアマップをもらっておきましょう。館ごとに階の高さがそろっていないため、階段を上がったら思いがけない時代の展示室に出てしまうこともよくあります。
時間が限られているときの見どころ
最初に向かいたいのは、カナダとケベックの展示室です。この美術館がもっとも高く評価されている分野で、これほど幅広い作品はカナダ国外ではまず見られません。グループ・オブ・セブンの風景画や、充実したイヌイット彫刻のコレクションが待っています。1948年の宣言『全面的拒否(Refus global)』に署名したポール=エミール・ボルデュアスやジャン=ポール・リオペルなど、モントリオールの画家による抽象作品もあります。
もう1時間あれば、地下を通って国際コレクションへ戻りましょう。そのあと、デマレ館で開催中の展示をのぞいてみてください。ここの企画展を目当てに何度も足を運ぶモントリオール市民は多く、大規模な展覧会ともなると、それだけのために行列ができます。
主な見どころなら、ほどよいペースで3時間あれば回れます。大きな企画展が開かれているときは、丸1日かけても無理はありません。
夜の水曜日
この美術館の開館時間で特徴的なのが、夜間開館です。現在は火曜日から日曜日の午前10時〜午後5時に開館し、月曜日は休館です。水曜日だけは午後9時まで開いています。
1週間のうちでいちばんおすすめなのが、この水曜日の夜です。平日の午後5時〜6時は、データのある時間帯のなかで特に空いている2つの時間帯の一つですが、この時間に開いているのは水曜日だけです。会社帰りの人が訪れるのは、夜がもう少し更けてからです。午後5時を過ぎてすぐに入館すれば、しばらくはほぼ貸し切り状態のことも少なくありません。
ほかの多くの美術館と同じく、MBAMも祝日や企画展の会期に合わせて開館時間を変更します。夜間開館に合わせて予定を立てる前に、公式サイトで今月のスケジュールを確認してください。
混雑を避けるには
市内でも指折りの人気スポットなので、ある程度の混雑は覚悟しておきましょう。何よりも効果があるのは、訪れる時間を選ぶことです。
- 平日の午前10時〜11時はもっとも落ち着いた時間帯です。開館と同時に入り、まっすぐカナダの展示室へ向かいましょう。
- 水曜日の午後5時〜6時も、前述のとおり空いている時間帯です。
- 週末の午後12時〜5時はもっとも混み合います。週末しか行けない場合は、午前10時には入口に着いているようにしましょう。
大規模な企画展は、オンラインで事前予約しておくのがおすすめです。人気の展覧会では、週末の日時指定チケットが売り切れることもあります。最新の料金や券種は公式サイトに掲載されています。
モントリオール流の楽しみ方
美術館ではフランス語と英語の両方が使われており、これはダウンタウンのほとんどの場所でも同じです。英語で話しかければ、スタッフもすぐに英語に切り替えてくれます。それでも、カウンターに着いたらまず「ボンジュール」とあいさつするのが、モントリオールでのやり取りの始め方です。
スムーズに見学するためのコツをいくつかご紹介します。
- まずはクロークへ。 冬はみんな厚手のパーカを着てやって来ます。大きなリュックは展示室に持ち込まないよう求められるので、上着と一緒に荷物も預けましょう。
- カード払いが基本です。 チケット売り場でも、ショップやカフェでも、カードやスマートフォンのタッチ決済がごく一般的です。
- 企画展での撮影は事前に確認を。 常設展では、フラッシュを使わなければスマートフォンでの撮影はたいてい問題ありません。ただ、他館から作品を借りている企画展では撮影禁止の場合があり、その際は入口に掲示があります。
- ブルジー・ホールの公演予定もチェックしましょう。 旧教会でのコンサートは別途チケットが必要なイベントです。水曜日の夜の見学と組み合わせるのにぴったりです。
アクセスと周辺エリア
住所は1380 Rue Sherbrooke Ouestです。グリーンラインのギー=コンコルディア駅から北へ徒歩5分で、同じ路線のピール駅(Peel)からも東へほぼ同じ距離です。シャーブルック通りには複数のバス路線も走っています。ダウンタウンは駐車場が少ないため、地下鉄で行くほうが便利です。
このあたりはゴールデン・スクエア・マイルと呼ばれるエリアで、19世紀の商人たちが建てた邸宅が今も残っています。東へ少し歩けばマギル大学のキャンパスです。数ブロック南のクレセント通り(Rue Crescent)には、いちばん近いカフェやバーがあります。美術館の北側では、モン・ロワイヤル(Mount Royal)へ向かって急な坂道が続きます。まだ元気が残っていれば、見学のあとに坂を上って公園まで歩いてみてください。
よくある質問
モントリオール美術館がいちばん空いている時間帯はいつですか?
平日の午前10時〜11時と午後5時〜6時がもっとも空いています。ただし、午後5時〜6時に入館できるのは、現在午後9時まで開館している水曜日だけです。一番混み合うのは週末の午後12時〜5時なので、この時間帯は避けましょう。
最寄りの地下鉄駅はどこですか?
グリーンラインのギー=コンコルディア駅です。美術館の南にあり、徒歩約5分です。同じグリーンラインのピール駅からも、ほぼ同じくらいの距離で歩けます。
月曜日は開館していますか?
いいえ、現在は月曜日が休館日です。火曜日から日曜日までは午前10時〜午後5時に開館しており、水曜日は午後9時まで延長しています。祝日の前後は時間が変わるので、お出かけ前に公式サイトで確かめてください。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
ケベックとカナダの展示室に加えてもう1館を回るなら、3時間ほどで足ります。大規模な企画展も見たい場合は、ほぼ丸1日みておきましょう。
あわせて立ち寄れる近くのスポットはありますか?
マギル大学や、ゴールデン・スクエア・マイルに並ぶ邸宅群は歩いてすぐです。数ブロック南に下ればクレセント通りのカフェがあります。北側の坂を上った先からはモン・ロワイヤル公園が始まります。
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