地中へと降りていく美術館
道路から眺めても、建物らしきものはほとんど目に入りません。「地中」という名のとおり、安藤忠雄が設計したこの美術館は、直島南部の丘の斜面にその大部分が埋め込まれています。開館は2004年です。地上から見えるのは、草地と、わずかにのぞくコンクリートの縁、そして細長く切り取られた空だけです。
館内は打ち放しのコンクリートに、鋭い幾何学形の中庭が組み合わされた空間です。照明はすべて頭上から差し込む自然光でまかなわれています。雲が流れるたびに部屋の明るさが変わるので、正午と夕方近くでは作品の見え方もまったく違ってきます。
3人のアーティスト、3つの部屋
収蔵作品の数は、あえてごく少なく絞られています。それぞれのアーティストには、作品に合わせて設計された専用の空間が用意されています。
- クロード・モネ: 晩年に描かれた「睡蓮」5点が、間接的な自然光だけで照らされる白い部屋に展示されています。入口で靴を脱ぎ、小さな大理石のタイルの上を歩いて鑑賞します。
- ジェームズ・タレル: 光を用いた作品群です。階段を上ると青紫色の固い壁のようなスクリーンの中へ入り込んでいく感覚を味わえる「オープン・フィールド」や、天井に正方形の開口部を設けた「オープン・スカイ」などがあります。
- ウォルター・デ・マリア: 「タイム/タイムレス/ノー・タイム」は、石の階段の上に巨大な花崗岩の球体を据え、周囲の壁に金箔を施した木製の彫刻を配した作品です。
タレルとモネの部屋では、一度に入れる人数をスタッフが調整しています。空いている日でも、入口で少し待つことになると考えておきましょう。
高松からのアクセス
ほとんどの人は、JR高松駅に隣接する高松港から直島へ渡ります。四国汽船が、直島の宮浦港までカーフェリーと、より速い旅客船を運航しています。便数が少なく、1本逃すと予約した入館時間に間に合わなくなることもあるため、最新の時刻表を必ず確認してください。
宮浦港からは、つつじ荘方面へ向かう直島町営バスに乗ります。そこで南海岸沿いを走るベネッセのシャトルバスに乗り換えると、美術館に着きます。港で自転車を借りて向かう人もいます。ただし地中美術館までの道にはかなりの坂があるため、電動自転車を選ぶとずいぶん楽になります。
日時指定チケットと館内のルール
予約なしで訪れても入館はできません。旅行の前に、地中美術館の公式サイトで入館時間の枠を予約しておきましょう。料金も公式サイトに掲載されています。週末や祝日の枠は、ほかの日より先に売り切れます。
- 予約時間より早めに到着しましょう。 まずチケットセンターで受付を済ませ、そこから入口まで短い坂道を歩いて上ります。
- 館内は撮影禁止です。スタッフからも注意があります。入口を過ぎたら、スマートフォンはしまっておきましょう。
- モネの部屋では靴を脱ぎます。脱ぎ履きしやすい靴で出かけると便利です。
- 会話は小声で。 コンクリートの空間ではあらゆる音が響きますし、周りの人たちはこの静けさを味わいに来ています。
- 月曜日は休館日です。 祝日の前後には臨時休館もあるため、公式カレンダーで確認してください。
週末の混雑を避けるには
週末は午前10時〜午後4時まで、終日にぎわいます。実質的には、開館時間のほぼすべてが混雑する時間帯です。日程に余裕があれば、火曜日から金曜日までの平日に訪れましょう。平日ならタレル作品の待ち時間も短く、モネの部屋を数分ほど独り占めできることもあります。
どうしても土曜日か日曜日になる場合は、取れるなかで最も早い枠か最も遅い枠を予約しましょう。フェリーを待つ間の時間は、混雑のピークを外して過ごすのが得策です。閉館は10月〜2月が午後5時(3月〜9月は午後6時)で、最終入館はその1時間前です。
地中の庭と南海岸の見どころ
チケットセンターのそばには「地中の庭」があります。モネがジヴェルニーで育てていた草花や木々をもとに植栽が考えられており、睡蓮の浮かぶ池もあります。入館前にぜひ歩いてみてください。鑑賞後には、絵の中に同じ植物を見つけられるはずです。
美術館のカフェからは瀬戸内海を望めます。薄暗い展示室を出たあとにひと息つくには最適の場所です。徒歩やシャトルバスですぐの距離には、安藤建築がさらに2つあります。
- 李禹煥美術館: こちらも半地下に造られた安藤建築で、韓国出身のアーティスト・李禹煥による石や鉄板の作品が展示されています。
- ベネッセハウス ミュージアム: 美術館とホテルが一体となった施設で、浜辺沿いには屋外彫刻が点在しています。
- 草間彌生「南瓜」: ベネッセハウス近くの桟橋にある、黄色いかぼちゃです。
フェリーの乗り継ぎがうまくいけば、高松から日帰りで地中美術館とこれらのうち1か所を回れます。本村の家プロジェクトまで見たいなら、島に1泊するのがおすすめです。
よくある質問
地中美術館がいちばん空いているのはいつですか?
週末は午前10時〜午後4時まで混雑し、開館時間のほとんどがこれにあたります。火曜日から金曜日までの平日に訪れるのがおすすめです。週末に行く場合は、予約できるなかで最も早い枠か最も遅い枠を選びましょう。
チケットは事前に予約する必要がありますか?
はい、必要です。入館は日時指定制で、地中美術館の公式サイトから予約します。最新の料金も公式サイトに掲載されています。週末の枠から先に埋まっていきます。
高松から地中美術館へはどう行けばよいですか?
高松港から四国汽船のフェリーに乗り、直島の宮浦港へ向かいます。そこから町営バスでつつじ荘まで行き、ベネッセのシャトルバスに乗り換えれば美術館に到着します。港でレンタサイクルを借りる方法もあり、その場合は電動自転車がおすすめです。
滞在時間はどのくらい見ておけばよいですか?
展示室と地中の庭、カフェを回るには2〜3時間が目安です。これにフェリーとバスの移動時間が加わります。近くの李禹煥美術館やベネッセハウス ミュージアムと組み合わせれば、充実した日帰り旅になります。
休館日はいつですか?
月曜日が休館日で、火曜日から日曜日の午前10時〜午後5時に開館しています。祝日の前後には臨時休館もあるため、公式カレンダーで確認してください。
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