コンクリートとガラス、そして瀬戸内海
海を見下ろす斜面に埋め込むように、安藤忠雄はこの美術館を建てました。ひんやりとなめらかな打ち放しコンクリートの壁のあいだを抜けて中に入ると、建物は海に向かって段々に開けていきます。ガラス越しや壁の切れ目から瀬戸内海がのぞき、沖の島々まで展示の一部のように見えてきます。
開館は1992年です。美術館とホテルがひとつの建物に同居するという、当時としては珍しい施設でした。アートと建築と風景を響き合わせたいというのが、安藤とベネッセアートサイト直島の構想です。その考え方は、いまでは直島の南海岸全体に広がっています。
壁の作品、そして壁の外の作品
コレクションは現代の絵画、彫刻、写真、インスタレーションです。いま置かれている部屋のために制作された作品もいくつかあります。その場所のための恒久展示と入れ替わる展示が混在していると考えておきましょう。
よく名前の挙がる見どころは次のとおりです。
- ブルース・ナウマン《100生きて死ね》:壁一面のネオンの言葉が、順番に点いたり消えたりします。
- 杉本博司の「海景」:水平線で画面を二分した、静かな海の写真です。海岸沿いの屋外に、本物の海と向き合うように展示されているものもあります。
- ニキ・ド・サンファルの彫刻:美術館の下の浜辺近くに、色鮮やかな人物像が置かれています。
- 草間彌生《南瓜》:坂を少し下った先、古いコンクリートの桟橋の上にある、黒い水玉の黄色いかぼちゃです。
入れ替わる展示もあるので、いま何が見られるかはベネッセアートサイト直島の公式ページで確かめてください。
桟橋の黄色いかぼちゃ
草間彌生の《南瓜》は、湾に突き出た細い桟橋の先に置かれています。島でいちばん写真に撮られている作品です。宮浦港に着いたときに目にする赤いかぼちゃは別の作品なので、混同しないようにしましょう。
桟橋は雨風を遮るものがなく、背景の景色は潮の満ち引きや光の具合で変わります。団体客が固まりやすく、人の写り込まない写真を撮ろうと、なんとなく列ができています。桟橋の付け根で順番を待ってから先へ進みましょう。
天候が荒れると桟橋に波がかぶることがあり、修復のためにかぼちゃが撤去されたこともあります。どうしても見たい人は、出発前に公式のお知らせページを確認してください。
遅くまで開いていて、静かな展示室
この美術館は開館時間が長いのが特徴です。現在Googleでは、毎日8am–9pmの開館と掲載されています。日本の美術館としてはかなり遅くまで開いていて、直島での一日の組み立て方も変わってきます。
日帰り客は昼前後に美術館を詰め込み、午後のフェリーで島を離れるのが定番です。そのため、開館直後の時間帯や、日帰り客が港へ戻ったあとの夕方以降は、比較的落ち着いていることが多いようです。ただしこれはフェリーの動きから考えた推測で、実際に計ったわけではありません。日が暮れてから眺めるネオンや安藤のコンクリートは、明るい午後とはまた違った体験になります。
開館時間は季節によって変わり、休館日もあります。今月の予定はベネッセアートサイト直島の公式サイトで確認できます。
南海岸の琴弾地への行き方
美術館の住所は直島の南岸、琴弾地(ごたんじ)です。多くの人は、岡山の宇野港か香川の高松港からフェリーに乗り、宮浦港で降ります。
宮浦港からの行き方は3通りあります。
- 町営バスでつつじ荘バス停まで行き、ベネッセアートサイト直島の無料シャトルバスに乗り換えて美術館へ上ります。
- 港の近くの店でレンタサイクルか電動自転車を借ります。海沿いの道は気持ちよく走れますが、最後の上り坂がきついので電動自転車が人気です。
- つつじ荘から先は、屋外作品を眺めながら海沿いを歩いて向かうこともできます。
ベネッセハウス周辺は自家用車の乗り入れが制限されているので、シャトルバスか自転車、徒歩で移動する前提で計画しましょう。
館内での過ごし方
チケットは美術館の入口で買います。近くの地中美術館はオンラインの日時指定制なので、どの施設も同じ仕組みだとは思わないでください。施設ごとに確認が必要です。
気持ちよく見学するために、次の点を心がけましょう。
- 写真撮影は展示室内では制限されています。表示をよく見て、迷ったらスマートフォンを構える前にスタッフに尋ねましょう。
- 声は控えめに。小さな部屋が多く、コンクリートに声が響きます。ひとつの作品の前でじっと立ち止まって見ている人もいます。
- 大きな荷物は狭い部屋では邪魔になりがちです。南へ向かう前に、港のコインロッカーか宿に預けておきましょう。
- チップは不要です。これは日本ではどこでも同じです。スタッフは丁寧に案内してくれるので、軽く会釈して「ありがとうございます」と言えば十分です。
建物はホテルを兼ねています。宿泊者専用のスペースもあるので、階段やテラスにある「宿泊者専用」の表示には従ってください。
南海岸のほかのスポットとあわせて
同じシャトルバスで結ばれたアートスポットの集まりのなかで、中心となるのがベネッセハウス ミュージアムです。ここと地中美術館のあいだの谷あいには李禹煥美術館があり、どちらも安藤の設計です。新しくできたヴァレーギャラリーもすぐ近くです。
地中美術館と李禹煥美術館はたいてい月曜休館なので、月曜はベネッセハウスと屋外作品を中心に回るのにうってつけです。島の反対側では、本村の家プロジェクトを訪ねたり、フェリーに乗る前に宮浦港近くの銭湯I♥湯に立ち寄ったりするのもよいでしょう。
南海岸だけで丸一日はみておくのが現実的です。島で2日過ごせば、最終便を気にして急ぐことなく全部見て回れます。
よくある質問
フェリー乗り場からベネッセハウス ミュージアムへはどう行けばよいですか?
宇野港(岡山)と高松港からのフェリーは宮浦港に着きます。町営バスでつつじ荘まで行き、ベネッセアートサイト直島の無料シャトルバスに乗り換えましょう。港の近くで自転車や電動自転車を借りることもできます。最後の区間は上り坂です。
開館時間は何時から何時までですか?
現在Googleでは、今週は毎日8am–9pmの開館と掲載されています。開館時間は季節によって変わり、休館日もあるので、今月の予定はベネッセアートサイト直島の公式サイトで確認してください。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
館内で1〜2時間を見込んでおきましょう。坂を下って草間彌生の黄色い《南瓜》や海沿いの屋外彫刻まで歩くなら、さらに時間が必要です。
チケットは事前予約が必要ですか?
チケットは入口で販売しています。近くの地中美術館はオンラインの日時指定制なので、施設ごとのルールを公式サイトでそれぞれ確認してください。
月曜日でも見学できますか?
はい、今週は月曜日も開館と掲載されています。地中美術館と李禹煥美術館はたいてい月曜休館なので、月曜はベネッセハウスと屋外作品を中心に回るのに向いています。
直島旅行の準備
上記リンクの一部はアフィリエイトリンクです。このリンクから予約すると、追加料金なしでWander Atlasが少額の手数料を受け取ります。こうしてすべてのガイドを無料で提供しています。