サン・ポール通りで、夜8時に卵料理を
この店では、正午を過ぎても朝食が終わりません。ランティケール・ビュッフェ(L’Antiquaire Buffet)は開店から閉店まで朝食を出しています。早朝の列車で着いたばかりの人にも、午後いっぱい旧市街を歩き回って夕食にパンケーキを食べたくなった人にも使いやすいお店です。
見た目も中身も、まさにダイナーです。コース料理やワインのペアリングはありません。カナダの定番料理が大皿で出てきます。ロウワータウンの気軽な食堂としてはよく知られたほうで、評価も安定して高めです。そのため観光客はほかにもいますが、観光客向けに作られた店というわけではありません。
「ビュッフェ」という名前の理由
英語を話す人は、この名前で勘違いしがちです。料理がずらりと並び、自分で取り分ける形式を想像してはいけません。ケベックの古い言い回しでいう「ビュッフェ」とは、ささやかな軽食カウンターや簡易食堂のことです。食べ放題ではなく、近所の人が安く食事をするための場所を指します。
名前の前半は、通りの性格を表しています。サン・ポール通り(Rue Saint-Paul)は、昔からケベック・シティの骨董街として知られています。旧港からパレ駅(Gare du Palais)までの区画には、骨董商のショーウィンドウが続いています。「ランティケール(骨董商)」という名前は料理の内容よりも、この店がどこにあるかを教えてくれます。
テーブルに並ぶもの
一番気をつけたいのは量の多さです。この店はボリュームのある料理で評判を得ています。あとでアッパータウンでゆっくり昼食をとる予定がある場合は、シェアするか軽めのものを選ぶとよいでしょう。
ここで出てくるのは、ケベックの伝統的な大衆食堂の料理です。地元の人が子どもの頃から食べてきた品々なので、メニューで探してみてください。
- プーティン: フライドポテトにチーズカードをのせ、グレイビーソースをかけた料理
- パテ・シノワ: ケベック風のシェパーズパイ
- トゥルティエール: スパイスをきかせたミートパイ
- スープ・オ・ポワ: 黄えんどう豆のスープ
- フェーヴ・オ・ラールとクルトン: 豆の煮込みと豚肉のペースト。昔ながらの朝食の付け合わせです
このうちどれがあるのか、いくらなのかは、店のメニューで確かめてください。この記事を含め、どんな一覧よりもメニューが正確です。価格は旧市街では中くらいで、最新の値段はメニューに載っています。
ケベック流の注文と支払い
ひと言ふた言のフランス語でも、ずいぶん印象が変わります。店員はたいてい「ボンジュール(Bonjour)」か、英仏二か国語の「ボンジュール・ハイ(Bonjour-Hi)」と声をかけてきます。英語で返せば、旧市街ではほとんどの人が英語に切り替えてくれます。それでも、まずフランス語で応じるのが礼儀です。
食事の呼び方は、旅行者がよく戸惑うところです。ケベックでは次のように呼びます。
- デジュネ(Déjeuner) は昼食ではなく朝食のこと
- ディネ(Dîner) は昼食のこと
- スペ(Souper) は夕食のこと
看板に「デジュネ・トゥット・ラ・ジュルネ(déjeuner toute la journée)」とあれば「朝食は終日」という意味で、この店がしていることそのものです。
チップはカナダの慣習どおりです。テーブルサービスでは税抜き額の15–20%ほどが一般的です。たいていの店ではカード端末をテーブルまで持ってきてくれます。タッチ決済の前にチップの割合を選ぶ画面が出るので、端末が来る前に金額を決めておきましょう。会計は「ラディシオン・シルヴプレ(L’addition, s’il vous plaît)」と頼みます。こちらから頼まない限り、普通は伝票を持ってきません。
午前6時の開店に合わせて席を確保する
現在の営業時間は午前6時から午後9時で、年中無休です。旧港では珍しいほど早い開店です。営業時間は変わることがあるので、早朝に出かける前には最新の情報を確認してください。
このダイナーの混雑状況を測ったデータはありませんが、わかりやすい傾向はあります。ロウワータウンは午前中にだんだん人が増えていきます。ウォーキングツアーの参加者や日帰り客、クルーズシーズンには船の乗客も、ロワイヤル広場(Place Royale)やプチ・シャンプラン(Petit-Champlain)へ下りてくるからです。その波が来る前なら、たいてい待たずに座れます。一番行列ができやすいのは週末のブランチの時間帯です。
遅い時間に行くのもおすすめです。近くの昼営業のカフェが次々と閉まったあとの午後8時でも営業しています。坂を上って帰る前に、夕食代わりの朝食メニューで一日を締めくくるのもよいでしょう。
95 Rue Saint-Paul周辺の街並み
このダイナーは、ロウワータウン(Basse-Ville)の旧港地区にあります。アッパータウンとシャトー・フロントナックがのる崖の下に、石造りの建物が碁盤の目のように並ぶ平らなエリアで、歩いて回りやすい場所です。ケベック・シティに地下鉄はなく、ほとんどの旅行者は歩いて訪れます。この歩きやすさがあるので、朝の散策の拠点にぴったりです。
ここを起点や終点にした散策ルートの例です。
- サン・ポール通りの骨董店: 通りを西へ、パレ駅の方向に進みながらショーウィンドウを眺められます
- 文明博物館(Musée de la civilisation): ダルウジー通り(Rue Dalhousie)沿いにあり、数分で行けます。雨の午後に向いています
- ロワイヤル広場とノートルダム・デ・ヴィクトワール教会(Notre-Dame-des-Victoires): 街の発祥の地にある小さな広場と石造りの教会です
- プチ・シャンプラン地区(Quartier Petit-Champlain): 狭い歩行者専用の路地や、カス・クー階段(Escalier Casse-Cou)があります。旧ケベック・フニキュラー(Old Quebec Funicular)に乗ればデュフラン・テラス(Dufferin Terrace)まで上がれます
- 旧港のウォーターフロント: セントローレンス川とルイーズ湾(Louise Basin)に沿って遊歩道が続いています
パレ駅には列車や都市間バスが着きます。駅からサン・ポール通りを少し歩けば店の前に出るので、到着後最初の食事にも、出発前最後の食事にも便利です。
向いている人、向いていない人
予約なしで、旧市街でお腹いっぱいになる手頃な料理を食べたい人におすすめです。どこのブランチ店も開いていないような時間に卵料理が食べたくなった人にも合っています。家族連れや予算を抑えたい旅行者にも使いやすいお店です。
一方、モダンなケベック料理や、静かにゆっくり過ごす夜の食事を求めているなら、ほかの店を選びましょう。この店の持ち味は、飾らない大皿料理とダイナーらしいサービスです。
よくある質問
ランティケール・ビュッフェの正確な場所はどこですか?
ケベック・シティ旧港地区のロウワータウン(Basse-Ville)、95 Rue Saint-Paulにあります。ロワイヤル広場(Place Royale)、文明博物館(Musée de la civilisation)、パレ駅(Gare du Palais)から歩いてすぐです。
本当に一日中朝食を食べられますか?
はい、開店から閉店まで朝食を出しています。現在の営業時間は毎日午前6時〜午後9時です。営業時間は変わることがあるので、出かける前に最新の情報を確認してください。
予約は必要ですか?
気軽なダイナーなので、ほとんどの人は予約なしで入っています。待ちたくなければ早めに行きましょう。午前6時の開店直後、ロウワータウンにツアー客が来る前が理想です。一番行列ができやすいのは週末のブランチの時間帯です。
チップと支払いはどうすればよいですか?
ケベックでは、税抜き額の15–20%ほどのチップを払うのが一般的です。店員はたいていカード端末をテーブルまで持ってきます。支払いの前にチップを選ぶ画面が出ます。
食後に近くで見られるものはありますか?
サン・ポール通りの骨董店を見て歩いたり、文明博物館を訪れたりするのがおすすめです。ロワイヤル広場やプチ・シャンプラン地区(Quartier Petit-Champlain)へ足を延ばすのもよいでしょう。そこからは旧ケベック・フニキュラーでデュフラン・テラスとシャトー・フロントナックまで上がれます。
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