自動車工場で過ごす4夜
C2Cの舞台は、フィアットのかつての工場です。リンゴット(Lingotto)複合施設は、トリノ南部のヴィア・ニッツァ(Via Nizza)沿いに長く延びるコンクリートの建物です。フィアットが自動車の生産拠点として1916年から1923年にかけて建設しました。組立ラインは1階ずつ上の階へと進む造りになっていて、完成した車は屋上のコースで試験走行をしていました。
その後、建築家レンゾ・ピアノの手で、展示ホール、ショッピングアーケード、ホテル、美術館に改修されました。毎年秋になると、これらのホールでイタリア屈指のエレクトロニック・実験音楽のフェスティバルが4夜にわたって開かれます。会場は野外ではなく、天井の高い細長い工業空間です。プログラムの大半は日が暮れてから始まると考えておきましょう。
2026年の開催日程と出演者
2026年は10月29日(木)から11月1日(日)までの開催です。発表済みの出演者は次のとおりです。
- ロビン(Robyn):スウェーデンのポップアーティストです。ダンスフロア向けの作品はクラブファンの間で根強い人気があります。
- ジ・アヴァランチーズ(The Avalanches):サンプリングを駆使したコラージュ的な音作りで知られる、オーストラリアのグループです。
- バッドバッドノットグッド(BadBadNotGood):トロント出身のバンドで、ジャズ、ヒップホップ、映画音楽の世界を自在に行き来しています。
このほかにも、海外から多くのアーティストが出演します。C2Cは2002年にトリノで始まりました。ポップ寄りのアーティストと、より尖った実験的なアクトを並べて組むのが、当初からのスタイルです。有名アーティストのステージを1時間楽しんだら、次の1時間は暗い部屋で聞いたこともない名前の演奏に浸る、という過ごし方になるでしょう。
開催時間や出演者の全容、チケットについてはC2C公式サイトで確認してください。出演時間やチケットの種類は、転載された情報ではなく公式サイトを頼りにしましょう。
ハロウィン、オニッサンティ、そして連休
この週末は祝祭日が2つ重なります。10月31日(土)はハロウィンで、市内のバーやクラブはその夜それぞれパーティーを開きます。11月1日(日)はオニッサンティ(諸聖人の日)で、イタリアの国民の祝日です。
これは旅の計画にも関わってきます。オニッサンティには休業する商店や小規模な店が出るうえ、公共交通機関も本数の少ない祝日ダイヤになると考えておきましょう。用事や薬局、スーパーでの買い物は金曜か土曜に済ませておくのが賢明です。
この時期は「ポンテ」と呼ばれる連休を取るイタリア人が多く、トリノ行きの列車も中心部のホテルも埋まりがちです。どちらも早めに予約しましょう。さらに、アート見本市アルティッシマを中心とするトリノの現代アートウィークも、例年11月上旬に重なります。ギャラリーは混み合い、ホテルの部屋も少なくなります。
リンゴットへのアクセス
トリノの地下鉄は1号線しかないので、迷わず利用できます。西のフェルミ駅を起点にポルタ・スーザ駅、ポルタ・ヌオーヴァ駅を経て、ヴィア・ニッツァの下を南へ走っています。リンゴット駅で降りれば、施設までは歩いてすぐです。
- ポルタ・ヌオーヴァ駅(中央駅)から:1号線で南へ約10分です。
- 列車で:国鉄のトリノ・リンゴット駅が施設のすぐ裏にあるので、近郊から列車で来る人に便利です。
- 空港から:トリノ・カゼッレ空港は市の北にあります。まず中心部へ出て、そこから1号線で南へ向かいます。
深夜の地下鉄は本数が限られています。夜が始まる前に、GTT(トリノ交通公社)の時刻表を確認しておきましょう。終電を逃しても、ヴィア・ニッツァを北へまっすぐ2km歩けばポルタ・ヌオーヴァに着きます。平坦な一本道です。
屋上のコースと周辺の街並み
一度は明るいうちに訪れてみてください。屋上のテストコースは、傾斜のついた楕円形のコースに沿って植栽を施した遊歩道「ラ・ピスタ500」に生まれ変わっています。屋上にはアニェッリ絵画館もあります。ガラスと鉄でできた「スクリーニョ」(宝箱)と呼ばれる展示空間で、常設コレクションにはカナレット、マティス、ピカソらの作品が含まれます。開館時間は事前に確認してください。
地下鉄駅の道路を挟んだ向かいにあるのが、食のチェーン「イータリー」の第1号店であるイータリー・リンゴット店です。カルパーノ社の旧ベルモット工場を利用して、2007年にオープンしました。長い夜に備えて、ここで腰を落ち着けてしっかり食事をとっておきましょう。ポルタ・ヌオーヴァより南は主に住宅街なので、夜が更けるにつれて食事の選択肢は少なくなっていきます。
まずはアペリティーヴォ、リンゴットはそのあとで
トリノの夜はアペリティーヴォから始まります。この街は1780年代にベルモットが生まれた地です。夕方になると、サン・カルロ広場やポー通り、サン・サルヴァリオ地区のバーでは、飲み物と一緒におつまみが出されます。地元の人の夕食は遅く、20時30分か21時ごろが普通で、フェスティバルの客も同じ時間感覚で動いています。
覚えておくと役立つ習慣をいくつか紹介します。
- トリノ流の注文を。バーでは「ウン・ベルモット」かネグローニを頼み、一緒に出てくるものをいただきましょう。たいていのバーでは、おつまみは飲み物に付いてきます。
- 夜の時間配分を考えて。有名アーティストほど遅い時間に出演することが多いものです。会場の入口ではなく、夕食の店を出る前に、発表済みの出演時間を確認しておきましょう。
- 支払いはカードで。トリノ中心部では、ほぼどこでもカードやスマートフォンで支払えます。ごく一部の小さなバーや深夜の軽食カウンターに備えて、現金も少し持っておくと安心です。
- チップについて。チップは必須ではありません。テーブルサービスがよかったときに、端数を切り上げる程度で十分です。
- 上着について。リンゴットのホールは広く、10月下旬のピエモンテの夜は冷え込みます。クロークに預けたり腰に巻いたりできる羽織りものを持っていきましょう。持ち込める荷物については公式サイトで確認してください。
フェスティバル明けの朝は、歴史地区のカフェでビチェリン(コーヒー、チョコレート、クリームを重ねた飲み物)を味わうのが、トリノらしい一日の始め方です。
フェスティバル期間の宿選び
会場の近さを取るか、街全体へのアクセスを取るかで選びましょう。リンゴット周辺に泊まればホールまで歩いてすぐですが、近くには飲食店がほとんどありません。
サン・サルヴァリオはポルタ・ヌオーヴァ駅とヴァレンティーノ公園に隣接していて、中心部に近いエリアです。バーがひしめくトリノ随一のナイトライフ地区で、1号線一本で会場まで行けます。フェスティバルの合間に昼の観光も楽しみたい人には、クアドリラテロ・ロマーノやガリバルディ通り周辺がおすすめです。連休と重なるので、日程が決まったらすぐに宿を予約しましょう。
よくある質問
2026年のクラブ・トゥ・クラブ(C2C)フェスティバルはいつ開催されますか?
2026年10月29日(木)から11月1日(日)までの開催です。正確な日程と各出演者の出演時間は、C2C公式サイトで確認してください。
C2Cの会場はどこで、どうやって行けばよいですか?
会場はリンゴット複合施設です。トリノ南部のヴィア・ニッツァ(Via Nizza)沿いにある、フィアットの旧工場です。地下鉄1号線でリンゴット駅まで行くのが便利で、ポルタ・ヌオーヴァ駅からは約10分です。国鉄のトリノ・リンゴット駅も施設のすぐ隣にあります。
2026年のC2Cには誰が出演しますか?
現時点で発表されている出演者には、ロビン、ジ・アヴァランチーズ、バッドバッドノットグッドのほか、海外のアーティストが多数含まれています。出演者の全リストと出演時間はC2C公式サイトに掲載されています。
フェスティバル期間中に休業になるものはありますか?
11月1日はオニッサンティ(諸聖人の日)で、イタリアの国民の祝日です。休業する店があるうえ、公共交通機関も祝日ダイヤでの運行になります。用事は週末の早いうちに済ませておきましょう。
会場の近くにはほかに何がありますか?
道路を挟んだ向かいには、カルパーノ社の旧ベルモット工場を利用したイータリー・リンゴット店があります。リンゴットの屋上に上がれば、アニェッリ絵画館と、かつてのテストコースを空中庭園の遊歩道に生まれ変わらせた「ラ・ピスタ500」があります。
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