小さな棋士たちの9日間
チェス盤と時計を載せたテーブルがずらりと並び、その一つひとつに、床に足が届かないような子どもが座っています。そんな光景が見られるのが、2026年11月21日から29日までジョージアのバトゥミで開かれるFIDE世界カデットチェス選手権2026です。
部門は8歳以下・10歳以下・12歳以下の3つです。ヨーロッパから東アジアまで、世界トップクラスのジュニア48人が出場します。今では最強クラスに数えられるグランドマスターにも、こうした大会でデビューした人がいます。当時、彼らの対局を見ていたのはロープ際に身を寄せたわずかな保護者だけでした。
対局会場について
バトゥミはチェスの大会に慣れた街です。2018年にはチェス・オリンピアードが開かれ、その後もFIDE主催のジュニア大会や早指し大会が数多く行われてきました。各国から訪れる何百もの家族のために、ホテルや送迎、会場運営を手配するのはこの街ではもはや日常のことです。
具体的な対局会場は、FIDEと現地の組織委員会が決定します。公式スケジュールや大会規定、登録に関するルールもそちらから発表されます。バトゥミはコンパクトな街なので、海沿いのホテルであれば、会場がどこになってもたいていタクシーですぐに行けます。
11月下旬のバトゥミへのアクセス
ほとんどの家族は飛行機を使います。バトゥミ国際空港は市街のすぐ南にあり、海沿いのエリアまで車ですぐです。海外からの旅行者の多くはイスタンブール経由で乗り継ぐか、トビリシやクタイシに降りてから陸路で向かいます。
- トビリシから: バトゥミ中央駅(Batumi Central)までは列車で約5〜6時間です。陸路なら列車が快適です。
- トルコから: 市街の数キロ南、海岸沿いの道路にサルピ(Sarpi)国境検問所があります。
- 市内の移動: チームがホテルと会場を行き来する際は、配車アプリで呼んだタクシーを使うのが一般的です。
11月のこの沿岸部は温暖ですが、雨の日が多くなります。バトゥミはジョージアでもっとも雨の多い都市なので、傘は必ずスーツケースに入れておきましょう。
ロープ際からの観戦
ジュニア選手権の対局会場はとても静かです。初めてチェス大会に付き添う保護者は、そのことに驚くかもしれません。
FIDEのジュニア大会では、保護者やコーチが会場に入れるのは各ラウンドの最初の数分間だけというのが一般的です。その後は全員が退出し、選手は盤と向き合うことになります。テーブル付近ではスマートフォンやスマートウォッチの持ち込みが禁止されており、アービター(審判)が厳しく取り締まります。
家族はたいていロビーやカフェスペースで待機します。FIDEの主要大会ではライブ中継が行われるのが通例なので、スクリーンや中継で対局を見守る人も多くいます。
次のような心がけで、毎日が過ごしやすくなります。
- 会場入口付近では静かに。 ドアがひっきりなしに開閉するため、話し声が中まで響きます。
- 外から助言をしない。 選手に身ぶりや合図を送ると、ペナルティの対象になることがあります。
- 電子機器は持たせない。 お子さんが会場に持ち込むのは、ペンとスコアシート、水筒だけにしましょう。
- ジョージア語であいさつを。 「こんにちは」は「ガマルジョバ」、「ありがとう」は「マドロバ」です。ホテルや会場のスタッフも、その心づかいに気づいてくれます。
登録や観戦のルールは主催者が定めます。家族向けのパスは、到着日に登録デスクで受け取るのが一般的です。
ラウンドの合間は黒海のほとりで
自由な時間もあります。ラウンドは1日のうち一部の時間だけで終わることが多いので、空いた時間にはバトゥミ・ブルバールを散歩するのが定番です。
この海辺の遊歩道は何キロにもわたって続き、小石の浜辺やヤシの並木、自転車レーンに沿って歩けます。子どもたちに人気のスポットは次のとおりです。
- アルファベットタワー: ジョージア文字33字があしらわれた、らせん状の鋼鉄製タワーです。
- アリとニノ: 2体の人物像が数分ごとに動き、互いの体をすり抜けていく鋼鉄製の彫刻です。
- ピアッツァ: 旧市街にあるタイル敷きの広場で、周りにはカフェが立ち並んでいます。
- バトゥミ植物園: 市街の北、ムツヴァネ・コンツヒ(Mtsvane Kontskhi)の丘の斜面にあり、休息日のお出かけにぴったりです。
- ゴニオ要塞: トルコ国境方面へ南に車で少し走ったところにある、ローマ時代の城壁です。
アジャラ流の食事を楽しむ
バトゥミがあるアジャラ地方は、ジョージアでもっとも有名な料理「アジャルリ・ハチャプリ」の発祥の地です。舟の形をしたパンに溶けたチーズを詰め、卵とバターの塊をのせた一品です。卵とバターをチーズに混ぜ込み、パンの縁をちぎって浸しながら食べます。
ボリュームがあるため、コーチたちは対局前の昼食ではなく、ラウンドを終えた夜に食べさせることが多いようです。軽めのものなら、黒海の魚のグリルや、土鍋で出される豆の煮込み「ロビオ」があります。バトゥミのレストランではたいていカードが使えます。ただし、アプリを使わないタクシーや市場の屋台のために、ジョージア・ラリの現金があると便利です。レストランの会計には、サービス料があらかじめ含まれていることがよくあります。
よくある質問
FIDE世界カデットチェス選手権2026はいつ開催されますか?
2026年11月21日から29日まで、ジョージアのバトゥミで開催されます。
どの年齢層が出場しますか?
8歳以下・10歳以下・12歳以下の3部門があります。全部門を合わせて、東アジアの選手も含む世界トップクラスのジュニア48人が集まります。
保護者は対局を観戦できますか?
FIDEのジュニア大会では、保護者が会場で見られるのは各ラウンド冒頭の数分間だけというのが通例です。その後は会場から退出し、家族はスクリーンやライブ中継で対局を見守ります。観戦に関する正確なルールは主催者が定めます。
バトゥミへはどうやって行けばよいですか?
市街のすぐ南にバトゥミ国際空港があります。トビリシからバトゥミ中央駅まで列車で約5〜6時間かけて向かう方法や、トルコからサルピ国境検問所を越えて入る方法もあります。
休息日には何をして過ごせますか?
バトゥミ・ブルバールを散歩してアルファベットタワーや「アリとニノ」の像を眺めたり、旧市街のピアッツァを訪れたりする家族が多いです。バトゥミ植物園やゴニオ要塞まで足をのばすのもおすすめです。
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