傷跡ごと再生された廃墟
まずは壁をよく見てください。新博物館を設計したのはフリードリヒ・アウグスト・シュテューラーで、1840年代に設計され、1850年代に開館しました。ところが第二次世界大戦の爆撃で内部は焼け落ち、東ベルリン時代の数十年間は外壁だけが残る姿で放置されていました。
2009年に再開館を果たしたデイヴィッド・チッパーフィールドによる修復では、その傷跡があえて残されています。館内のあちこちで、砲弾の破片がえぐった柱や色あせた壁画、むき出しのれんがが目に入ります。そのすぐ隣には、真新しいコンクリートの壁や簡素な新しい展示室が並びます。中央の壮麗な大階段は、装飾をはがされたれんがのホールを上っていきます。その空間は、廃墟とも大聖堂ともつかない趣です。
見学には2〜3時間ほどみておきましょう。そのうち30分は、建物そのものを味わう時間にあてるのがおすすめです。
北ドームに佇むネフェルティティ
来館者の多くは、まっすぐネフェルティティの胸像を目指します。エジプトの王妃をかたどった彩色石灰岩の肖像で、紀元前1345年ごろ、彫刻家トトメスの工房で制作されました。1912年、ドイツの調査隊がアマルナで発掘したものです。
胸像が展示されているのは上階のドーム型の部屋で、ガラスケースの中にただ一体、やわらかな光に照らされています。この部屋は撮影禁止で、監視員がしっかり目を光らせています。スマートフォンはしまって、じっくりと色彩を眺めてください。驚くほど鮮やかに残っており、片方の目には最初から象嵌が施されていません。
周囲の展示室は、エジプト・コレクションの残りの作品で埋め尽くされています。主な見どころは次のとおりです。
- アマルナ出土の肖像頭部。トトメスの工房に残された、より静かな習作も含まれます
- エジプト博物館・パピルス・コレクションが所蔵するパピルスや棺
- 修復された中庭ギャラリーの壁にはめ込まれたレリーフ
黄金、トロイ、そして長い先史の時代
この館のもうひとつのコレクションが先史・初期歴史博物館で、もう1時間かけるだけの価値があります。「ベルリンの黄金帽子」は、青銅器時代に儀式で使われた背の高い円錐形の帽子で、表面は打ち出し模様の金の帯で覆われています。島全体を見渡しても、これほど奇妙で美しい品はなかなかありません。
ほかにも次の展示に注目してください。
- ハインリッヒ・シュリーマンがトロイで発見した出土品と、1945年以降に失われたものをめぐる物語
- フランスのル・ムスティエで見つかったネアンデルタール人の頭骨
- 時代を歩いてたどれるように並べられた石器時代の道具や副葬品
Bodestraßeへのアクセス
新博物館は、シュプレー川に浮かぶユネスコ世界遺産・博物館島の北半分に位置しています。最寄りはU5のムゼウムスインゼル駅(Museumsinsel)で、ルストガルテン(Lustgarten)を横切って南へ少し歩けば到着します。
S-Bahnを利用する場合は、ハッケシャー・マルクト駅(Hackescher Markt)が便利です(S3、S5、S7、S9)。駅からはフリードリヒ橋(Friedrichsbrücke)で川を渡ります。旧ナショナルギャラリーの列柱廊を眺めながら、約10分の道のりです。
入館は通常、ジェームズ・サイモン・ギャラリー(James-Simon-Galerie)から行います。2019年に開館した白い列柱のビジターセンターで、チケット窓口やクローク、ロッカーがここにそろっています。そこから地下の通路を進むと、新博物館に入れます。
時間指定チケットと週末の混雑
チケットは事前に予約しておきましょう。入場時間が指定されたチケットは、ベルリン国立博物館群の公式サイト(smb.museum)で販売されており、最新の料金もこちらで確認できます。窓口でも購入できますが、混雑日には次の空き枠が数時間後ということもあります。
厄介なのは週末です。土曜・日曜の午前11時〜午後6時は館内がもっとも混み合い、ネフェルティティの部屋も人であふれます。週末しか行けない場合は、午前10時の枠を予約して真っ先に胸像へ向かいましょう。昼の団体客が到着する前に、ドームの部屋をゆっくり楽しめます。
ちょっとした心がけで、見学がぐっと快適になります。
- 大きな荷物やコートは、ジェームズ・サイモン・ギャラリーのクロークかロッカーに預けてください。大型の手荷物は展示室に持ち込めません。
- 開館は火曜〜日曜の午前10時〜午後6時です。島内の博物館は月曜日がすべて休館なので、月曜の訪問は避けましょう。
- 島内の博物館を複数回る予定なら、公式サイトで博物館島の1日券をチェックしてみてください。
- ドームの部屋では小声で話しましょう。声が大きいと監視員から注意されます。
博物館島で1日を過ごす
新博物館の見学で午前中はほぼ終わります。島の残りを回れば、1日はあっという間です。
隣の旧博物館では、シンケルが手がけたイオニア式の長い列柱廊の奥に、ギリシャ・ローマの古代美術が収められています。すぐ背後の列柱に囲まれた庭園には、19世紀絵画を所蔵する旧ナショナルギャラリーがあります。
島の北端にあるボーデ博物館では、彫刻や硬貨を展示しています。ルストガルテンの上にはベルリン大聖堂の緑のドームがそびえ、芝生では見学の合間にくつろぐ人の姿が見られます。昼食は、川を渡ってハッケシャー・マルクト周辺のカフェへ戻るのがおすすめです。島の中よりも選択肢が豊富です。
よくある質問
新博物館がもっとも空いているのはいつですか?
週末は午前11時〜午後6時がもっとも混み合うので、できればこの時間帯は避けましょう。土曜・日曜に訪れるなら、開館直後の午前10時の枠を予約し、最初にネフェルティティを見るのがおすすめです。平日(火曜〜金曜)なら、よりゆったりと見学できます。
新博物館は月曜日も開いていますか?
いいえ、月曜日は休館です。開館日は火曜〜日曜で、時間は午前10時〜午後6時です。
新博物館へはどうやって行けばよいですか?
U5でムゼウムスインゼル駅まで行き、ルストガルテンを横切って北へ歩きます。S-Bahn(S3、S5、S7、S9)でハッケシャー・マルクト駅まで行き、フリードリヒ橋を渡って10分ほど歩く方法もあります。入口は通常、ジェームズ・サイモン・ギャラリーです。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
エジプトと先史時代のコレクション、そして修復された建物を見るなら2〜3時間はみておきましょう。同じ日に博物館島のほかの博物館も回るなら、さらに時間に余裕を持たせてください。
ネフェルティティの胸像は撮影できますか?
いいえ、胸像が展示されているドームの部屋は撮影禁止です。ほかのほとんどの展示室では撮影できます。
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