観光バスが素通りする宮殿
ハイデラバード旧市街を訪れる人の多くは、この場所にたどり着かないまま帰っていきます。チャールミナールを写真に収め、ラード・バザールで腕輪を値切ったら、それでおしまいです。パッタル・ガッティの門の奥、歩いてすぐの場所にニザームの宮殿があることは、ほとんど知られていません。
プラーニー・ハヴェーリーとは「古い邸宅」という意味で、まさに名前どおりの建物です。18世紀後半から19世紀初頭にかけて、アーサフ・ジャー2世が息子のシカンダル・ジャーのために建てました。その後は歴代のニザームが公邸として使っています。ムガル様式のアーチや段状のミナレットが並ぶ地区にあって、ヨーロッパ風のファサードは意外に映るはずです。
長いU字形の建物と、そこに収められたもの
宮殿はU字形の配置です。本館から2つの翼棟が前方へ延び、片側には2階建ての長い棟が続いています。その長い棟を端から端へゆっくり歩きながら、戸口越しに部屋をのぞいていきます。どの部屋も、群衆ではなく宮廷のために造られた空間です。
敷地の一部は現在学校として使われているため、学期中は制服姿の子どもたちを見かけます。博物館になっているのは、ニザームの所持品を収めるために充てられた部屋です。見学の際は、表示された順路から外れないようにしましょう。
ニザーム博物館の館内
規模は小さく、テーマもはっきりしている博物館です。収蔵品の大半は、第7代にして最後のニザーム、ミール・オスマーン・アリー・ハーンが1936年に迎えた即位25周年記念祭にまつわるものです。要人や市民から贈られた数々の品が、ここに多く残されています。
特に注目したいのは次の品々です。
- 金のティフィン(弁当箱)。宝石をちりばめた弁当箱で、ニザームの富がどれほどのものだったかを物語っています。
- 銀の模型。記念祭の会場となったジュビリー・パビリオンのミニチュアも含まれます。
- 彫刻が施された小箱と表彰状。市内のさまざまな共同体から贈られたものです。
- 第6代ニザーム、ミール・マフブーブ・アリー・ハーンの衣装棚。翼棟の端から端まで続く、手回し式で2層構造の歩いて入れる木製衣装棚です。世界一長いとよくいわれています。
この衣装棚を目当てに訪れる人も少なくありません。片端に立ち、ずらりと並ぶ棚を見渡すと、どんな解説パネルよりも王家の暮らしぶりが伝わってきます。
迷わず入館するために
うっかりしやすいのが開館日です。博物館が開いているのは月曜、火曜、水曜、木曜、土曜の午前10時〜午後5時で、金曜と日曜は休館です。旧市街にはほかにも金曜休みの名所がいくつかあるので、この地区で1日過ごす計画なら、それぞれ確認しておきましょう。
チケットは入口脇の窓口で販売していて、最新の料金もそこに掲示されています。写真撮影のルールも同じ窓口に掲示されています。この種の博物館では展示室内でのカメラ使用が制限されていることが多いので、スマートフォンを構える前に確認してください。
博物館の見学には45分〜1時間ほどみておきましょう。敷地内を散策するなら、もう少し時間が必要です。午前中に訪れれば、午後の渋滞が始まる前にチャールミナールへ移動できます。
旧市街での行き方
パッタル・ガッティ周辺の路地は狭くて人通りも多く、宮殿の門は見落としがちです。訪問者の多くはオートリキシャか、ウーバー、オラ、ラピドなどの配車アプリを使って来ています。アプリでは住所を正確に入れるよりも、「プラーニー・ハヴェーリー(Purani Haveli)」または「ニザーム博物館(Nizam’s Museum)」と入力するのが確実です。
路上でオートリキシャを拾う場合は、乗る前に料金を決めておくか、メーターを使うよう頼みましょう。チャールミナールからなら、歩いて行くのも十分に可能です。パッタル・ガッティのにぎやかな通りを進み、近くまで来たら店の人に「プラーニー・ハヴェーリー」と尋ねてみてください。たいていの人がすぐに道を教えてくれます。
服装は肩と膝が隠れる控えめなものを選びましょう。宮殿そのものは博物館ですが、周辺は人々が暮らし働く、保守的な地域です。敷地内に学校があることからも、翼棟のあいだでは声を控えめにしたいところです。
旧市街のほかの見どころと組み合わせる
プラーニー・ハヴェーリーは、半日の周遊コースにすっきり収まります。次の場所はいずれも車ですぐです。
- チャールミナール。旧市街の中心に立つ1591年建造のモニュメントで、ここから約1キロです。
- ラード・バザール。チャールミナールから西へ延びる、ラック細工の腕輪の店が並ぶ通りです。
- チョウマハッラー宮殿。ニザームの儀式の場となった宮殿で、落ち着いた邸宅であるこちらとは対照的な壮麗さがあります。
- サーラール・ジャング博物館。ムーシー川の対岸にあり、はるかに大規模なコレクションを誇ります。
おすすめの順番は、まずプラーニー・ハヴェーリー、次にチャールミナールとラード・バザール、そして近くで昼食です。サーラール・ジャング博物館は、できれば別の日に回しましょう。ここで記念祭の品々を見たあと、同じ午後にあれほどの規模の博物館を巡るのはかなり骨が折れます。
よくある質問
プラーニー・ハヴェーリーの休館日はいつですか?
金曜と日曜が休館日です。月曜〜木曜と土曜は午前10時〜午後5時に開館しています。
プラーニー・ハヴェーリーの見学にはどのくらい時間がかかりますか?
ニザーム博物館の見学には45分〜1時間ほどみておきましょう。宮殿の敷地内も歩くなら、さらに時間を足してください。
チャールミナールからプラーニー・ハヴェーリーへはどう行けばよいですか?
パッタル・ガッティにあり、チャールミナールから約1キロです。歩いて行くこともできますし、オートリキシャや配車アプリの車でもすぐに着きます。アプリでは「プラーニー・ハヴェーリー(Purani Haveli)」または「ニザーム博物館(Nizam's Museum)」で検索してください。
館内でいちばんの見どころは何ですか?
最後のニザーム、ミール・オスマーン・アリー・ハーンが即位25周年記念祭で贈られた品々で、金のティフィン(弁当箱)もそのひとつです。第6代ニザームの2層構造の木製衣装棚も必見で、世界一長いとよくいわれています。
博物館の中で写真を撮ってもよいですか?
撮影のルールは入口脇のチケット窓口に掲示されています。展示室で撮影する前に、そこで確認してください。
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