5つの湖をめぐる、気軽な周回コース
ここを訪れる理由は、なんといっても湖の色です。ファイブ・レイクス・バレーは、ジャスパーの町の南、森に囲まれたくぼ地に小さく澄んだ湖が連なる場所です。湖の名前はとてもシンプルで、順番どおり「ファースト・レイク」から「フィフス・レイク」と呼ばれています。浅瀬の淡い翡翠色から、深くなったところの濃い青まで、どの湖もそれぞれ違った色を見せてくれます。
定番の周回コースは約4.5 kmで、登りはわずかです。丸一日かけなくても本格的な山の湖の風景を味わえるので、ジャスパー国立公園のなかでも特に気軽に楽しめるコースのひとつといえます。距離は短いものの、ゆっくり歩けば歩くほど得るものが大きいハイキングです。
比較的落ち着いた雰囲気が保たれているのも魅力です。アイスフィールド・パークウェイの有名スポットには観光バスが押し寄せますが、このトレイルはそうした場所から少し離れています。たいていの日は、観光名所というより近所の散歩道のような感覚で歩けます。
Highway 93沿いの登山口へのアクセス
登山口は、アイスフィールド・パークウェイ(Highway 93)の東側にある、標識の出た駐車場です。ジャスパーの町からは南へ車で約10分。公共交通機関は通っていないため、車や自転車で向かうか、ここに立ち寄るシャトルやツアーを利用することになります。
町を出る前に、次の点を済ませておきましょう。
- 公園の入園券: ジャスパー国立公園内に入るには、有効なパークス・カナダの入園券が必要です。最新の料金はパークス・カナダのウェブサイトと公園ゲートに掲示されています。
- トレイルの状況: 2024年のジャスパー山火事では、町の周辺で広い範囲の森林が焼失しました。車で向かう前に、パークス・カナダのトレイル情報ページで閉鎖や変更がないか確認してください。
- 燃料と食料: どちらもジャスパーで調達しておきましょう。登山口では何も買えません。
Googleでは現在「24時間営業」と表示されています。ただし、これはトレイルそのものについての話で、スタッフのいる施設があるわけではありません。出かけるのにふさわしい時間は、日の明るさと現地の状況で判断してください。
湖の色を楽しむ
歩き進めるにつれて、湖の色は移り変わっていきます。駐車場を出ると、道はロッジポールパインの林を下り、ワバッソ・クリーク(Wabasso Creek)沿いの湿地に架かる木道を渡ります。その先で、湖を見下ろす尾根へとゆるやかに登っていきます。
湖は地下からの水で満たされており、それがこの色の秘密です。白っぽい湖底の堆積物の上にある浅い岸辺は緑色に輝き、深い中央部は濃い青に沈みます。水の透明度が高く、湖底に横たわる倒木が岸から見えることもよくあります。
ここで何より大切なのは光です。太陽が高い時間帯ほど緑が鮮やかになり、湖ごとの色の違いもはっきりします。曇りで光が平板な日は、5つの湖が似たような色に見えがちです。色を見ることが目的なら、晴れた日を待つ価値は十分にあります。
所要時間の目安
2時間ほどみておきましょう。足の速い人なら1時間半で一周できます。とはいえ、それぞれの湖畔で足を止めることこそがこのコースの魅力なので、たいていの人はもう少し時間をかけます。
おおまかな計画の目安は次のとおりです。
- 周回のみ、休憩少なめ: 1.5時間
- 各湖でゆっくり過ごす場合: 2〜2.5時間
- ピクニックや水泳も楽しむ場合: 半日
路面はおもに踏み固められた土と木の根で、湖と湖の間に短い登りがあります。夏の乾いた時期なら、しっかりしたスニーカーで問題ありません。雨のあとは低い区間がぬかるみ、春先や晩秋には町の雪が解けたあとも長く凍結が残ることがあります。
クマの生息地で守りたいマナー
ここでのマナーは、人に対するものよりも野生動物に関わるものが中心です。一帯はクマの生息地で、エルクも谷を行き来します。ジャスパーのハイカーの間では、おおよそ次のような習慣が定着しています。
- クマよけスプレーは手の届く場所に携帯しましょう。 ザックの奥にしまい込まず、ヒップベルトやチェストストラップに付けておきます。ジャスパーの町のアウトドアショップで購入できます。
- 見通しの悪いカーブでは音を立てましょう。 歩きながら普通に会話をするだけで、たいていは十分です。地元の人たちは、クマよけの鈴よりも人の声のほうが効果的だと考える傾向があります。
- まとまって歩きましょう。 クマの活動が活発な時期には、パークス・カナダがトレイルに団体での入山制限を設けることがあります。詳しくは登山口の掲示で確認できます。
- 犬にはリードを付けましょう。 カナダの国立公園ではどこでもこれが決まりです。野生動物を守るだけでなく、愛犬の身を守ることにもつながります。
- エルクやクマには十分な距離をとりましょう。 写真を撮るために近づくのは厳禁です。パークス・カナダは、動物から十分離れること、そして道路沿いで見かけた場合は車から降りないことを来訪者に求めています。
- ゴミはすべて持ち帰りましょう。 果物の皮も例外ではありません。湖畔に食べ物が残されると、動物が人に近づくことを覚えてしまいます。
トレイル上では、狭い区間で登りのハイカーに道を譲るのが一般的なマナーです。展望ポイントでは、ほかの人も順番に湖岸へ出られるよう、脇に寄って場所を空けます。
谷がいちばん美しい季節
メインシーズンはおよそ6月から9月の夏です。トレイルには雪がなく、湖も本来の色を存分に見せてくれます。7月と8月は最も暖かく、ハイカーも最も多い時期ですが、それでも湖の水は身が引き締まるほど冷たいままです。勇敢な人は泳ぐこともありますが、のんびり泳ぐというより、さっと短く浸かるくらいのつもりでいましょう。
初秋もおすすめです。斜面のアスペンが黄色く色づき、緑の湖と美しいコントラストを描きます。学校の休みが終わると、トレイルもたいてい静かになります。
駐車場は小さめです。パークウェイを南下する人々で混み合う昼どきを避け、早朝か午後遅めに訪れるのがよいでしょう。夕方は野生動物が姿を現しやすい時間帯でもあるので、日が傾いてきたらクマよけスプレーをすぐ使えるようにしておいてください。
冬になると湖は凍結し、条件が整えば周回コースを歩いたり、スノーシューで巡ったりできます。ただし、氷の上が安全だという保証はありません。凍った湖に足を踏み入れる前に、ジャスパー・ビジターセンター(Jasper Visitor Centre)に確認してください。
パークウェイのほかの見どころと組み合わせる
せっかくHighway 93まで来ているのですから、このハイキングを軸に半日のプランを組むのも簡単です。さらに南の立ち寄りスポットと組み合わせてみましょう。
- ワバッソ湖(Wabasso Lake): もっと歩きたい人は、同じエリアから延びる長めのトレイルを使って足を延ばせます。
- アサバスカ滝(Athabasca Falls): 車でさらに少し南へ。アサバスカ川が石灰岩の狭い峡谷を勢いよく流れ抜ける場所です。
- オールド・フォート・ポイント(Old Fort Point): 町の近くに戻ったところにあります。短くて急な登りの先に、アサバスカ渓谷とジャスパーの町を見渡す眺めが広がります。
- ボーヴェール湖(Lac Beauvert)とアネット湖(Lake Annette): 町の東側にある平坦な湖畔の散歩道で、夕方にのんびり歩くのにぴったりです。
無理のない流れとしては、体力に余裕があり駐車場も空いているうちに、まず湖をめぐるのがおすすめです。そのあと車で南のアサバスカ滝へ向かい、ぐるりとジャスパーに戻って夕食にしましょう。
よくある質問
ファイブ・レイクス・バレーの登山口はどこにありますか?
アイスフィールド・パークウェイ(Highway 93)の東側にある、標識の出た駐車場です。ジャスパーの町から南へ車で約10分の場所にあります。車や自転車で向かうか、ここに立ち寄るツアーを利用する必要があります。
ファイブ・レイクス・バレーのハイキングにはどのくらい時間がかかりますか?
定番の周回コースは約4.5 kmで、登りはそれほどありません。湖での休憩を含めて、たいていの人は2時間ほどで歩きます。ピクニックや水泳を楽しむ予定なら、さらに時間をみておきましょう。
ファイブ・レイクス・バレーを歩くのに入園券は必要ですか?
はい、必要です。トレイルはジャスパー国立公園内にあるため、有効なパークス・カナダの入園券が求められます。最新の料金はパークス・カナダのウェブサイトと公園ゲートに掲示されています。
2024年のジャスパー山火事のあと、トレイルは開いていますか?
2024年の山火事ではジャスパー周辺の広い範囲が焼け、町の近くのトレイルにも影響が出ました。出かける前に、パークス・カナダのトレイル情報ページで最新の状況を確認してください。
湖の色を見るのに最適な時期はいつですか?
6月から9月の、できれば晴れた日がおすすめです。日差しを受けると緑や青の色合いが引き立ちますが、曇りの日は色がのっぺりと見えてしまいます。初秋にはアスペンの黄葉が加わり、ハイカーもたいてい少なくなります。
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