ラケルダ提督通りに建つ赤レンガの市場
その名のとおり、建物は赤一色です。紅街市はラケルダ提督通り(Avenida do Almirante Lacerda)の角地にあり、赤レンガに淡い色の縁取りを施した建物の、交差点に面した側には時計塔がそびえています。周囲には低層のアパートが立ち並び、中国語とポルトガル語の看板を掲げた商店が軒を連ねています。
中に入ると、そこは今も現役の生鮮市場です。氷の上に魚を並べたカウンター、精肉店のまな板、野菜の屋台がずらりと続き、タイル張りの床はいつも濡れています。包丁を振るう音や、広東語で値段を交渉する声もあちこちから聞こえてきます。観光客向けに造られた場所ではないからこそ、朝の1時間を割いて訪れる価値があるのです。
聖ポール天主堂跡やセナド広場に比べると、訪れる人はほんのわずかです。そのため、マカオ北部の人々が夕食の食材をどう買い求めているのか、のんびり眺めることができます。
1936年から商いを続ける建物
市場が開業したのは1936年のことです。設計を手がけたのはポルトガル人建築家のジュリオ・アルベルト・バスト(Júlio Alberto Basto)で、当時の植民地の港町で流行していたアール・デコ様式が採用されました。すっきりとした縦のライン、帯状に連なる窓、角に立つ時計塔は、いずれも当初の設計のまま残っています。
中国語名の「紅街市(ホンガイシー)」は、そのまま「赤い市場」という意味です。タクシーの運転手にはポルトガル語名の「Mercado Vermelho」よりも、この中国語名のほうが通じます。
この地域で、これほど古い市場が今も本来の役割を果たしている例はほとんどありません。ここでは建築が博物館の展示品ではなく、日々の商いを支える舞台になっています。屋台から目を上げて、天井の高さや窓枠に注目してみてください。一度気づけば、1930年代の骨格がはっきりと見て取れます。
ラケルダ通りの角への行き方
紅街市があるのは、マカオ半島北部の歴史地区と、中国本土との境にある関閘(ボーダーゲート、Portas do Cerco)とのあいだです。おすすめのルートは次のとおりです。
- 関閘から: 南へ15〜20分ほど歩きます。タクシーならすぐです。
- セナド広場から: タクシーを利用するか、ラケルダ提督通りを北上する数多くのバスのいずれかに乗りましょう。乗車時間は短く、バスの窓からでも時計塔がすぐに目に入ります。
- タクシーで: 「紅街市」と書いた紙を運転手に見せましょう。発音よりも漢字のほうが確実に伝わります。
マカオLRT(軽軌)は半島のこのエリアを通っていないので、移動はバスかタクシー、あるいは徒歩を前提に計画してください。
狙い目は朝7時、11時以降は混雑必至
訪れる時間帯によって、体験はまったく変わります。市場は毎日6:00 AMに開き、平日・週末を問わず7amから9amがもっとも落ち着いています。
この時間帯は商品が並べられたばかりで、通路にもまだ余裕があります。魚のカウンターの前で足を止めて眺めていても、買い物客の邪魔にはなりません。
週末の11am以降に訪れるのはなるべく避けましょう。そこから7:00 PMの閉店までは、一日でいちばん混み合う時間帯です。通路は人であふれ、床はさらに水浸しになり、カメラを手にゆっくり歩く観光客は邪魔者になってしまいます。
週末しか行けない場合は朝早めに訪れ、人が増えてきたら近くで朝食をとるとよいでしょう。
屋台のあいだで迷惑をかけずに買い物するコツ
ここは働く人々の職場です。見物人ではなく、買い物客としてふるまうことを心がけましょう。次のような点に気をつけると、より快適に過ごせます。
- 現金を持参しましょう。 マカオの小さな屋台では現金が好まれることが多いです。市内ではパタカと並んで香港ドルも広く使えますが、おつりはパタカで返ってくると考えておきましょう。
- 人物を撮影するときはひと声かけましょう。 店主たちは仕事の最中です。カメラを指して軽く会釈するだけでも印象はずいぶん違います。まな板に向かう人のアップより、市場全体を広く写すほうが相手の負担になりません。
- 指さしと数字で伝えましょう。 広東語を主に話す店主が多いので、欲しいものを指さし、指で数を示せば十分に通じます。
- 足元に注意しましょう。 鮮魚や精肉の売り場まわりは、日常的にホースで水を流しています。サンダルより、滑りにくいつま先の覆われた靴がおすすめです。
- 通路では立ち止まらないようにしましょう。 足を止めるときは、特に混雑したカウンターの前では脇に寄りましょう。
市場の屋台でチップを渡す必要はありません。値段が表示されていないことも多いので、食べ歩き用に果物を買うときは、量ってもらう前に値段を確認しましょう。
料理をしない旅行者へのおすすめ
キッチンのない旅行者がほとんどですが、手ぶらで帰る必要はありません。まず手に取りたいのは新鮮な果物です。華南地方の旬の果物が量り売りされていて、そのままホテルに持ち帰ることができます。
乾物やお菓子、小分けにパックされた品も持ち歩きやすいでしょう。鮮魚や精肉の売り場は、主に眺めて楽しむ場所です。この街で使われる魚介類の豊富さがよくわかり、あとでレストランのメニューを読み解くのにも役立ちます。
三盞燈周辺の見どころ
紅街市は、日帰り客の多くが素通りしてしまうマカオの一角で朝を過ごす際の、格好の起点になります。
- 三盞燈(San Kio): 南西へ歩いてすぐの場所で、カルロス・ダ・マイア円形広場(Rotunda de Carlos da Maia)を中心に広がっています。路面店や手頃な衣料品店、小さな食堂が密集するエリアで、東南アジアやミャンマーの色が濃く感じられます。
- 蓮峰廟(Lin Fong Temple): 関閘方面へ北上したところにある清代の寺院で、天后と観音が祀られています。
- 観音堂(Kun Iam Tong): 望廈(Mong Ha)地区にあり、車でも徒歩でもすぐです。1844年に清とアメリカのあいだで望廈条約が調印された場所でもあります。
- 関閘: 珠海との行き来がある人は、あわせて訪れるとよいでしょう。
市場そのものは45分から1時間ほどで見て回れます。寺院や三盞燈まで歩いて足をのばすなら、さらに2時間ほど加えて計画してください。
よくある質問
紅街市がいちばん空いているのは何時ごろですか?
平日・週末を問わず、7am–9amがもっとも空いている時間帯です。週末の11amから7pmまでは一日でいちばん混み合うので、避けるのがおすすめです。
紅街市の営業時間を教えてください。
月曜日から日曜日まで毎日営業しており、時間は6:00 AMから7:00 PMまでです。
マカオの紅街市へはどうやって行けばよいですか?
所在地はマカオ半島北部の125 Avenida do Almirante Lacerdaです。関閘(ボーダーゲート)からなら南へ15〜20分ほど歩けば着きます。中心部からはタクシーを使うか、ラケルダ提督通り(Avenida do Almirante Lacerda)を北上するバスに乗りましょう。タクシーでは漢字で「紅街市」と書いて見せるのがいちばん確実です。
紅街市の見学にはどれくらい時間をみておけばよいですか?
市場だけなら45分から1時間ほどで見て回れます。三盞燈、蓮峰廟、観音堂まで足をのばす場合は、そのぶん時間を多めにとっておきましょう。
なぜ「紅街市(レッドマーケット)」と呼ばれているのですか?
1936年に建てられたアール・デコ様式の建物が赤レンガ造りであることが名前の由来です。設計はポルトガル人建築家のジュリオ・アルベルト・バスト(Júlio Alberto Basto)が手がけました。中国語では「紅街市」、ポルトガル語では「Mercado Vermelho(メルカド・ヴェルメーリョ)」と呼ばれています。
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