牧場のゲートをバスでくぐって
ホビット庄へは歩いては入れません。バスに乗って向かいます。ツアー客はビジターセンターでシャトルバスに乗り込みます。バスは羊がのんびり草を食む放牧地のあいだの農道を進み、セットのいちばん上で降ろしてくれます。
このセットはアレクサンダー家の牧場の中にあります。1990年代後半、ピーター・ジャクソン監督のロケハンチームが空からこの土地を見つけました。決め手は、湖のほとりに立つ大きな松の木と、道路も電線も目に入らない、なだらかに起伏する草原だったそうです。『ロード・オブ・ザ・リング』のために建てられたセットは、ほとんどが撮影後に取り壊される仮設のものでした。
その後『ホビット』三部作の撮影にあたって恒久的な素材で建て直されたため、今こうしてツアーで見学できるのです。
ガイドツアーで巡る見どころ
ルートは決まっていて、ガイドが先導してくれます。砂利道を下りながら、季節ごとに手入れされた庭を抜け、丘の斜面に掘られた丸い扉の前を通り過ぎていきます。ホビット穴は全部で44軒あります。扉はそれぞれ違う色に塗られ、多くの家の前庭には小さな小道具が置かれています。ロープに干された洗濯物や手押し車、窓辺に並ぶ瓶などです。
多くの人がお目当てにしているのは次のスポットです。
- 袋小路屋敷:ビルボとフロドが暮らした家です。丘のてっぺんでオークの木の下に建っています。
- パーティーの木:ビルボの誕生日パーティーが撮影された広場を見下ろす大きな松の木です。
- 湖:二連アーチの橋と水車小屋もここにあります。
- 大きさの違うホビット穴:俳優を画面上で大きく、あるいは小さく見せるための仕掛けです。その仕組みはガイドが説明してくれます。
ホビット穴の大半は外観だけのもので、扉の奥にはわずかな空間しかありません。歩いているあいだ、ガイドは撮影にまつわる話をたっぷり聞かせてくれます。定番の撮影アングルでは足を止め、写真を撮る時間も取ってくれます。
グリーン・ドラゴンで一杯
ツアーの最後に訪れるのは、水車小屋から橋を渡った先にあるグリーン・ドラゴン・インです。映画のデザインどおりに建てられたこのパブは、実際に営業しています。低い梁や暖炉、木のテーブルが並び、通常のツアーにはここでの1杯が含まれています。
ここで出す飲み物は、セットのために特別に醸造された「サウスファーシング」ブランドのものです。たいていエール数種とサイダー、ノンアルコールのジンジャービアがそろっていて、陶器のマグで出てきます。急がずにゆっくり味わってください。店内からも屋外のテーブル席からも、湖越しに、さっき下ってきた丘を振り返って眺められます。
バックランド・ロードへの行き方
自分の車で行くか、バスツアーを予約する必要があります。セットはマタマタとケンブリッジのあいだ、ヒヌエラ(Hinuera)近くの農村地帯にあり、路線バスは通っていません。
車でのおおよその所要時間は次のとおりです。
- オークランド:国道1号線と国道27号線で南へ約2時間
- ハミルトン:1時間以内
- ロトルア:約1時間
- タウランガ:約1時間
オークランドからロトルアへ向かう途中、1日の行程に組み込む旅行者がたくさんいます。駐車場はビジターセンターの「ザ・シャイアズ・レスト(The Shire’s Rest)」にあります。町の中心部のブロードウェイ通りにあるマタマタ・アイサイト(Matamata i-SITE)から出発するツアーもあります。映画に出てくる門番小屋を模した観光案内所です。自分のチケットの出発地がどちらなのか、必ず確かめておきましょう。
ツアーの予約とシャトルバス
予約は早めにしておきましょう。ニュージーランドの夏や学校の休暇シーズンは特に、出発枠が売り切れてしまいます。予約なしで当日参加できる保証はありません。予約は公式サイト「ホビトン・ツアーズ」からオンラインで行います。料金やツアーの種類もすべてそこに掲載されているので、古い情報に頼らず公式サイトで確認してください。
当日の流れは次のとおりです。
- 時間に余裕をもって到着しましょう。 ザ・シャイアズ・レストかアイサイトでチェックインを済ませ、チケットに記載された時刻にバスに乗ります。
- グループから離れないようにしましょう。 セットはガイド同行でしか見学できません。道を外れて歩き回ったり、自分で扉を開けたりすることはできません。
- カードが使えます。 敷地内のカフェやギフトショップではカードで支払えます。ニュージーランドにはチップの習慣がないので、ガイドにはお礼の言葉を伝えれば十分です。
- どんどん質問しましょう。 ガイドは撮影の裏話に詳しく、質問するとより面白い話が聞けます。
夜のバンケットツアーもあります。グリーン・ドラゴンでのごちそうで締めくくり、帰りはランタンの灯りの中を歩いて戻ります。早いうちに予約が埋まるので、参加したい場合はかなり前から計画を立てておきましょう。
季節・光・天気
ここは映画セットであると同時に庭園でもあります。春から夏は菜園や花壇が見頃を迎えます。秋から冬は緑が濃く、静かな雰囲気です。道は屋外の砂利道なので、ワイカト地方の雨もそのまま受けることになります。現地にはたいてい傘が用意されていますが、レインジャケットのほうが持ち歩くには楽です。
悪天候でツアーが中止になることはめったにありませんが、写真の写り方は変わります。袋小路屋敷の斜面に差す朝の光や、湖を照らす夕方の光は、どちらもセットを美しく見せてくれます。出発時刻は時期によって変わるので、最新のスケジュールは公式サイトで確認してください。
マタマタ周辺で過ごす
マタマタは酪農が盛んな小さな町です。メインストリートにはカフェが並び、アイサイトが町のシンボルになっています。ツアーの前後にランチに立ち寄るのにちょうどいい町です。
半日ほど時間があるなら、次のような場所もおすすめです。
- ワイレレ滝:町の東、カイマイ山脈にある北島屈指の落差を誇る滝です。展望台までの道は急で、たいていの人は片道45分ほどかかります。
- ケンブリッジ:西にある並木の美しい町で、競走馬の生産で知られています。
- ロトルア:もう少し足を延ばせば、地熱地帯の公園やマオリ文化を体験できる夜のショーが楽しめます。セットを訪れたあとの宿泊地にぴったりです。
よくある質問
ツアーに参加せずにホビトン映画セットを見学できますか?
できません。セットはガイドツアーでしか見学できません。バックランド・ロードのザ・シャイアズ・レストか、マタマタ・アイサイトからバスに乗って牧場の中へ向かいます。予約は公式サイト「ホビトン・ツアーズ」からオンラインで行ってください。
ホビトンのツアーの所要時間はどれくらいですか?
通常のガイドツアーは、グリーン・ドラゴン・インでの1杯を含めて約2時間です。チェックインと往復のバス移動の時間も加わるので、現地では2時間半から3時間ほどを見込んでおきましょう。
オークランドからホビトンへはどう行けばいいですか?
車なら国道1号線と国道27号線を南へ約2時間走ると、マタマタ近くのバックランド・ロードに着きます。日帰りのバスツアーを予約する方法もあります。セットまで行く路線バスはありませんが、ザ・シャイアズ・レストに駐車場があります。
ホビトンを訪れるのにいちばんいい季節はいつですか?
庭がもっとも華やかになるのは春から夏です。ただしこの時期はいちばん混み合うので、早めに予約しておきましょう。秋や冬も、雨の日でもツアーは催行されます。上着を用意し、最新の出発時刻を公式サイトで確認してください。
マタマタ周辺にはほかにどんな見どころがありますか?
カイマイ山脈のワイレレ滝は、急な道を歩く半日がかりのハイキングにぴったりです。西へ少し車を走らせればケンブリッジがあります。地熱地帯の公園があるロトルアまでは約1時間なので、泊まりの拠点にするのもおすすめです。
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