取り壊しを免れた唐樓の連なり
歩道から見上げて、バルコニーの数を数えてみてください。618上海街の建物は、実は戦前の唐樓がいくつも横に連なったものです。唐樓とは1920〜30年代に九龍一帯で建てられたショップハウスのことで、どの棟も通りに面した1階が店舗、その上が住居という造りでした。
周囲の唐樓の多くは高層ビルを建てるために取り壊されましたが、この一角だけは残されました。市區重建局がファサードを修復し、内部を新たな商業スペースとして活用しています。施設名は番地の数字からとられたものです。
ここでは買い物よりも、まず建物そのものを味わうのがおすすめです。かつてこの地区の通りを埋め尽くし、今では点々と残るだけになった建築様式の中に、実際に身を置くことができます。
中に入る前にファサードを眺める
入る前に、まずは通りの向かい側の歩道へ渡ってみましょう。そこからなら、連なる建物全体を一度に見渡せます。同じ間口がいくつも繰り���され、通りの上には奥行きのあるバルコニーが張り出し、その下に一歩奥まった店先が並んでいます。上海街は道幅が狭いため、建物のすぐそばからではこうした全体像がまったく見えません。
注目したいのは、各ユニットが刻むリズムです。間口ひとつひとつが別々の物件で、それぞれに暮らす家族と営む商売がありました。修復されたファサードにも、その一軒一軒が隣り合って続く様子がそのまま残っています。両隣に建つ現代の高層ビルと見比べると、昔ながらのプロポーションがよくわかります。この対比こそが、ここで一番の撮影ポイントです。
それから中に入り、古い構造と、各棟をつなぐために後から設けられた動線との接点に目を向けてみてください。フロアを移動していると、ひとつのショップハウスが終わって次が始まる境目を肌で感じられます。
2階へ上がってみる
登録されている住所は2/Fです。1階の店舗だけで引き返さず、階段かエレベーターで上の階へ上がりましょう。かつての居住スペースに今は店舗やテーブルが並んでおり、元のショップハウスの姿を最もよく実感できるのは上の階です。
各フロアに何が入っているかは、その時々のテナント次第です。開業以来、レストランやカフェ、小さな小売店などさまざまな店が入れ替わってきており、賃貸契約も更新されていきます。特定の店で食事をするつもりなら、入口に掲示された案内板か、その店自身の掲載情報を事前に確認してください。
レビューはおおむね好意的で、安定してまずまずの評価です。わざわざ目指す目的地というより、ちょっと変わった心地よい立ち寄りスポットと考えておくとよいでしょう。
MTR旺角駅からのアクセス
旺角駅には荃灣線と觀塘線が乗り入れています。亞皆老街(Argyle Street)や朗豪坊(Langham Place)のある西側から駅を出て、彌敦道(Nathan Road)を背に西へ進みます。上海街は彌敦道と並行して数ブロック先を走っており、徒歩でおよそ5〜10分です。
道に迷わないための目印は次のとおりです。
- 彌敦道:西へ向かう際に後にする、幅の広い大通りです。
- 朗豪坊:亞皆老街に建つ高層のショッピングモールで、駅の近くで目印として役立ちます。
- 上海街:周囲の通りより道幅が狭く、建物も低めです。この通りに入ったら、600番台の番地を目指して歩きましょう。
油麻地(ヤウマテイ)駅から上海街を北上して向かう方法もあります。時間はかかりますが、通り沿いの古い商店をより多く眺めながら歩けます。
営業は11時から23時まで
営業時間は曜日を問わず毎日同じ11am〜11pmで、定休日はありません。訪れる時間を選びやすいうえ、時間帯によって建物の表情も変わります。
日中はファサードが光をいっぱいに浴び、バルコニーが各間口にくっきりとした影を落とします。夜になると店先に内側から明かりが灯り、通りは旺角ならではの夜の人波で賑わいます。
11amに開くので、ランチがてら気軽に立ち寄れます。11pmより十分早めに入るようにすれば、夜の散策の締めくくりに訪れるのもよいでしょう。ただし各レストランの厨房は建物より早く閉まる場合があるので、目当ての店に確認しておいてください。
修復された唐樓をめぐるときのコツ
次のような点を心がけておくと、よりスムーズに楽しめます。
- 支払いは香港流で:近代的な店舗やカフェなら、たいていオクトパスカード(八達通)か銀行カードが使えます。通りのほかの場所にある小さな昔ながらの店のために、現金も少し持っておきましょう。
- チップの上乗せは不要:香港の着席型レストランでは、通常サービス料が請求額に含まれています。端数を切り上げるかどうかは自由で、それ以上を置いていくことは期待されていません。
- 店内での撮影はひと声かけてから:ファサードは公共の空間ですが、各店舗は私有の店です。カメラを軽く指し示して合図するだけで、たいていは十分です。
- 食事時の混雑時は待つ覚悟を:香港のレストランでは、通常スタッフが人数を聞いて席へ案内し、相席になることもあります。勝手に入って席を取らず、入口で待ちましょう。
- 移動は階段で:このような古い構造の建物ではエレベーターが小さく動きも遅いうえ、歩いて上がれば各フロアを見て回れます。
広東語をいくつか話せると役に立ちますが、話せなくても問題ありません。旺角の店員は、指さしと笑顔で伝えようとする観光客に慣れています。
上海街からさらに歩く
多くの人が618上海街の見学と南への散策を組み合わせており、上海街はそれにぴったりの通りです。九龍でも指折りの歴史ある通りで、油麻地方面へ下っていくと、昔ながらの台所用品店や業務用厨房用品店が並んでいます。店先には鉄製の中華鍋や竹のせいろ、中華包丁が天井まで積み上げられています。
ほかにも徒歩圏内に、次のような見どころがあります。
- 廟街夜市(テンプル・ストリート・ナイトマーケット):同じ碁盤目状の街並みを南へ進んだ油麻地にあり、夜になると活気づきます。
- 通菜街の女人街(レディース・マーケット):彌敦道を渡った東側にあり、屋台が長く続く屋外マーケットです。
- 朗豪坊:MTR駅の近くに戻ったところにあり、冷房の効いた館内で通りの喧騒からひと息つけます。
夜に訪れるなら、まず618上海街を見てから、屋台が出そろう頃に南の廟街までぶらぶら歩いてみてください。同じ地区でもまったく異なる雰囲気を味わえます。
よくある質問
618上海街とはどんな場所ですか?
旺角の上海街沿いに建つ、戦前の唐樓(ショップハウス)の連なりです。市區重建局が修復し、店舗やレストランが入る複合施設へと改装しました。登録されている住所は2/F, 618 Shanghai St, Mong Kok, Kowloonです。
MTRからはどう行けばよいですか?
荃灣線または觀塘線で旺角駅へ向かいます。亞皆老街・朗豪坊方面へ駅を出たら、彌敦道を越えて西へ進み、上海街まで歩きます。徒歩で��5〜10分です。
営業時間を教えてください。
毎日11am〜11pmの営業として登録されており、定休日はありません。中のレストランによってはそれより早くラストオーダーとなる場合があるため、訪れる予定の店に確認してください。
どのくらいの滞在時間を見込めばよいですか?
ファサードを眺めて各フロアを歩いて回るなら、30〜60分ほどが目安です。館内で食事をする場合は、さらに時間をとっておきましょう。多くの人は、上海街を南へ油麻地や廟街夜市方面まで歩く散策と組み合わせて訪れています。
近くにはほかにどんな見どころがありますか?
MTR旺角駅のすぐ近くに朗豪坊があります。彌敦道を渡った東側には通菜街の女人街があります。南へ歩いた油麻地には、上海街南部の台所用品店街や廟街夜市があります。
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