訪れる価値
台北の旅程にとりあえず組み込む、そんな「ついで」の美術館ではありません。故宮博物院が所蔵するのは、世界でも屈指の規模を誇る中国美術・文物のコレクションです。その多くは1930年代から40年代にかけて、戦乱と革命を逃れるために北京の紫禁城から持ち出されたものです。
実際に展示品を目にする前から、その歴史の重みを感じ取ることができます。建物自体は1960年代にこのコレクションを収めるために建てられたものですが、士林区の緑深い山々を背景にした緑の屋根を持つその姿は、まさに宮殿さながらの風格を漂わせています。
アクセス
美術館の住所は士林区至善路二段221号です。MRT(地下鉄)の駅からは少し離れており、そのおかげで「駅を出てすぐの観光地」といった軽い雰囲気にはなっていません。
多くの訪問者は、MRT淡水信義線(赤線)で士林駅まで行き、そこからバスに乗り換えます。255番、304番、あるいは赤30番のミニバスはいずれも美術館の門の前に停まり、所要時間は約10〜15分です。士林駅からタクシーを利用しても所要時間はほぼ同じで、料金も数人で割ればバス代とさほど変わりません。
見どころ
これほどの規模のコレクションをすべて見て回ろうとするのは、丸一日かけても無理な話です。全部を見ようとする欲は捨てて、力の入れどころを絞りましょう。
- 翠玉白菜:白菜を模した小さくほぼ透き通るような彫刻で、葉の中にはイナゴとキリギリスが隠れています。見た目は素朴ですが、いつも人だかりができています
- 肉形石:縞模様の碧玉を彫り、色を染め付けることで、まるで煮込んだ豚の三枚肉のように見せた作品です
- 宋代の陶磁器:青磁や磁器の部屋が延々と続き、多くの訪問者は素通りしてしまいますが、じっくり見る価値があります
- 青銅器と書の巻物:美術館きっての充実したコレクションで、一続きの展示室の中で中国の複数の王朝にまたがる作品を見ることができます
3階にある2つの「人気者」の展示品の周辺には、とりわけ人が集まりやすいので、訪問の最初か最後に見るようにして、途中の時間帯は避けましょう。
訪れるタイミング
美術館は月曜は終日休館なので、その日に予定を立てないようにしましょう。それ以外の日は毎日、午前9時から午後5時まで一定して開いています。
週末の午前10時から午後5時にかけては、館内で最も混雑する時間帯です。ツアー団体や家族連れが主要な展示室に詰めかけ、翠玉白菜を見るための列は部屋の奥まで伸びることもあります。平日に訪れる余地があるなら、迷わずそちらを選びましょう。
曜日を問わず、午前9時の開館直後に到着すると、まったく違った体験ができます。廊下は静かで、陶磁器のケースも遮るものなくじっくり見られ、ツアーバスが到着する前なら有名な彫刻を見るための待ち時間も短く済みます。
現地流の訪問術
この美術館は、すでによく知られた定番の観光地です。隠れた穴場ではありませんし、そう装うと期待外れになってしまいます。ですから、ここで求められる本当の「地元流」の技術は、発見することではなく、混雑をどうかわすかということです。
- 平日の朝、できれば午前9時の開館と同時に行き、週末午前10時から午後5時の混雑のピークは避けましょう
- 可能な限りチケットはオンラインで事前購入し、窓口の列を飛ばしてそのままセキュリティチェックに進みましょう
- 音声ガイドを借りるか、美術館のアプリを利用しましょう。案内表示はバイリンガルですが、音声解説があると青銅器や巻物への理解がぐっと深まります
- まず3階の目玉展示を先に見て、日帰り客が押し寄せてきたら、比較的空いている下の階へと逆順に回っていきましょう
- 館内やカフェでの支払いは現金・カード両方に対応していますが、台湾のEasyCard(悠遊卡、MRTやバスでも使えます)はタッチ決済として便利で、地元の人も予備として持ち歩いていることが多いです
訪問者が犯しがちな最大の間違いは、士林夜市と次の観光地の間の「ちょっと写真を撮るだけの立ち寄りスポット」としてこの美術館を扱ってしまうことです。最低でも2〜3時間はしっかり時間を取り、その直後にハードな予定は入れないようにしましょう。このコレクションは、駆け足でお土産店を通り抜けるような見方ではなく、じっくり腰を据えて向き合うことに応えてくれます。
周辺スポット
士林夜市はMRT方面へ少し戻ったところにあり、午後に美術館を訪れた後の夜の予定として自然に組み合わせられます。順益台湾原住民博物館(Shung Ye Museum of Formosan Aborigines)は道を挟んだ真向かいにあり、対照的にぐっと規模の小さいコレクションで訪問を締めくくりたい場合にぴったりです。
よくある質問
故宮博物院の開館時間は何時ですか?
火曜から日曜の午前9時から午後5時まで開館しており、月曜は終日休館です。美術館は祝日などに合わせて時々営業時間を調整することがあるので、訪問前に最新の開館時間を確認しておきましょう。
車を使わずに故宮博物院へ行くにはどうすればよいですか?
MRT淡水信義線(赤線)で士林駅まで行き、そこから255番、304番、または赤30番のミニバスに乗り換えましょう。いずれのバスも美術館の門の前に停まり、所要時間は約10〜15分です。
故宮博物院が最も空いているのはいつですか?
週末の午前10時から午後5時が最も混雑する時間帯とされています。そのため、平日の午前9時の開館直後に訪れるのが、列を短く済ませる一番の方法です。
見学にはどのくらいの時間を見ておけばよいですか?
翠玉白菜、肉形石、そして陶磁器や青銅器の展示室の一部といった見どころをきちんと見るには、最低でも2〜3時間を見込んでおきましょう。もっとじっくり見たい場合は、さらに時間をかけるとよいでしょう。
美術館周辺で、あわせて訪れる価値のある場所はありますか?
順益台湾原住民博物館(Shung Ye Museum of Formosan Aborigines)が道を挟んだ真向かいにあります。また、士林夜市も少し足を延ばせば行ける距離にあり、夜の続きの予定にぴったりです。
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