大半が原生のブッシュという都市公園
フレーザー・アベニュー(Fraser Avenue)の展望台に立つと、眼下にパースの街が広がります。左手にはガラス張りの高層ビルが建ち並ぶ中心部が見えます。スワン川はパース・ウォーター、メルヴィル・ウォーターへと川幅を広げていき、よく晴れた日には東の彼方にダーリング山脈が青く低い稜線を描きます。
振り返ると、景色はがらりと変わります。キングスパークはマウント・イライザの約400ヘクタールを占め、その3分の2ほどがいまも残る原生のブッシュです。バンクシアやモクマオウ、ユーカリの林に散策路がめぐらされています。先住民ヌーンガーの人々はこの丘を「カーター・ガラップ」と呼び、入植者がやって来るはるか昔から集いの場としてきました。
西オーストラリア州でも屈指のレビュー数を誇る観光地で、訪れる人は絶えません。週末の午後に静けさを求めるのは無理でしょう。それでも敷地は十分に広く、メインの芝生から少し歩くだけで木々に包まれます。
フレーザー・アベニューと記念碑
ほとんどの人は、まずフレーザー・アベニューから散策を始めます。断崖の縁に沿って公園の主な建物の前を通るこの道には、白い幹のレモンユーカリの高木が整然と植えられています。
突き当たりにあるのが州戦争記念碑の一帯です。
- セノタフ:川を望んで建つ花崗岩のオベリスク
- 黙想の庭:水鏡のような池の中で「永遠の炎」が燃え続ける場所
- 追悼の池:永遠の炎のそばの、通りより一段低い場所にある池
毎年4月25日のアンザック・デーには、ここで国内有数の規模を誇る夜明けの追悼式が行われます。フレーザー・アベニューを離れると、メイ・ドライブとラブキン・ドライブ沿いに「オナー・アベニュー」が続きます。道の両側に並ぶ木々にはそれぞれ小さな銘板が添えられ、戦争で命を落とした西オーストラリアの人の名が一人ずつ刻まれています。
名前を読みながら一区画歩くと、静かな10分ほどが過ぎていきます。その時間はきっと心に残るはずです。
樹冠の中へ:フェデレーション・ウォークウェイ
植物園を巡るルートでいちばん有名なのが、ロッタリーウェスト・フェデレーション・ウォークウェイです。小道を進んでいくと、ユーカリの木立の梢をくぐるように、ガラスと鋼鉄の橋が弧を描いて架かっています。足元には庭園が広がり、葉の間からは川の向こう岸まで見渡せます。
その周りに広がる西オーストラリア植物園には、州内各地の植物が植えられています。庭は地域や生息環境ごとに分かれているので、1時間も歩けばキンバリー地方の植物から南西部のバンクシアやカンガルーポーまでたどれます。植物には名前の札も付いています。一つの州の在来植物にここまで焦点を絞った植物園は、世界でもそう多くありません。
ウォークウェイと庭園をひと回りするなら1〜2時間が目安です。子ども連れならもう少し余裕をみてください。リオ・ティント・ネイチャースケープは、木登りをしたり、小川に入ったり、泥んこになったりして遊べるように造られたエリアです。
南へやって来たバオバブ
植物園でいちばん風変わりな住人は、「ギジャ・ジュムル」と名付けられたバオバブの巨木です。2008年、高速道路の工事で失われそうになったため、キンバリー地方から陸路でおよそ3,200キロを運ばれてきました。樹齢は約750年と推定されています。
灰色の幹を大きくふくらませて、この木は庭園の中に立っています。バオバブは乾季の一時期に葉を落とすので、訪れる月によって裸の枝を見るか、緑の葉に覆われた姿を見るかが変わります。どちらにしても探してみる価値は十分にあります。キンバリーでこの木を見た人なら、まさかパースの丘の上で再会するとは思わないでしょう。
もう一つの見どころは春です。おおむね8月から10月にかけて、ブッシュや花壇が一斉に花を咲かせます。9月のキングスパーク・フェスティバルでは、このワイルドフラワーの季節に合わせて展示やガイドウォークが催されます。毎年の開催日は公園の公式サイトで確認してください。
マウント・イライザへの行き方
公園は街のすぐそばにありますが、市街地よりかなり高い場所にあります。行き方は次のとおりです。
- 中心部から歩く場合: セント・ジョージズ・テラスを西へ進み、マウント・ストリートを上ります。体力自慢の地元の人たちは、クリフ・ストリートから延びる急な公共の階段「ジェイコブズ・ラダー(Jacob’s Ladder)」を上り、そのまま公園まで歩いていきます。
- バスの場合: 市内から公園まで、トランスパースの935番バスが走っています。最新の停留所と時刻表はトランスパースの乗換案内で確認してください。
- 車の場合: フレーザー・アベニュー沿いのほか、園内の各所に駐車場があります。駐車のルールや料金の支払い方法はエリアごとに異なるので、着いたら表示をよく読んでください。
公園への入場は無料です。有料のツアーやイベントがある場合は、キングスパークの公式サイトに掲載されています。
パースっ子流、芝生で過ごす週末
地元の人たちにとって、キングスパークは自宅の庭のような場所です。溶け込むのは難しくありません。
- ピクニックを持っていきましょう。 フレーザー・アベニュー近くの芝生やシナジー・パークランドは、敷物やクーラーボックスを広げる人、誕生日パーティーを開く人でいっぱいになります。ピクニックエリアのあちこちに公共のバーベキュー台があります。たいてい次の家族が待っているので、使い終わったら鉄板をきれいにしておきましょう。
- 記念碑は追悼の場として敬いましょう。 セノタフや永遠の炎のそばでは、ピクニックをしたり音楽を流したり、よじ登ったりする人はいません。帽子を取り、声を落とすのが自然な場所です。
- ブッシュでは散策路を外れないようにしましょう。 ブッシュの自然は傷つきやすく、暖かい季節にはヘビも出ます。特に子ども連れのときは、標識のある道を歩いてください。
- 夕暮れどきに足を運んでみましょう。 天気のよい夕方には、フレーザー・アベニューの展望台や断崖沿いに人が集まります。川の上の光が移ろい、街の明かりが灯っていく様子を眺めるためです。
- 日差し対策を忘れずに。 夏の芝生の木陰はすぐに埋まり、断崖沿いには午後の強い日差しが照りつけます。水、帽子、日焼け止めを持っていきましょう。
コーヒーを飲むなら、フレーザー・アベニューのカフェやレストランが便利です。料金はメニューで確認できるので、前も���て計画に組み込むほどのことではありません。
混雑を避けて訪れるには
公園は閉まることがないので、気にすべきは開園時間ではなく混み具合です。平日は午前7時から午後11時まで一日中空いています。平日ならほぼどの時間でも車を停めやすく、橋も人がまばらです。
週末は事情が違います。落ち着いているのは午前7時〜8時だけです。午前9時から午後10時までは週末の人出で芝生が埋まり、フレーザー・アベニューの駐車場も空きが少なくなります。フェデレーション・ウォークウェイでは、幅の狭いところで行列ができます。
土曜か日曜しか行けないなら、早めに出かけましょう。午前7時までにフレーザー・アベニューに着いて景色を楽しみ、午前8時前に橋を渡り、ピクニック客がやって来るころに引き上げるのがおすすめです。そうでなければ平日を選んでください。同じ川、同じバオバブを、ずっとゆったりと楽しめます。
よくある質問
キングスパークがいちばん空いているのはいつですか?
平日なら午前7時から午後11時まで、一日中空いています。週末に落ち着いているのは午前7時〜8時だけです。もっとも混雑する週末の午前9時〜午後10時は避けるのがおすすめです。
キングスパークには夜も入れますか?
はい、入れます。公園は毎日24時間開放されていて、フレーザー・アベニューの展望台から眺める夕日や夜景が人気です。ただし、ブッシュの中を通る小道は明るいうちに歩いてください。
パース中心部からキングスパークへはどう行けばよいですか?
歩いて行く場合は、セント・ジョージズ・テラスを西へ進んでマウント・ストリートを上るか、クリフ・ストリートから延びる階段「ジェイコブズ・ラダー」を上ります。市内からはトランスパースの935番バスも出ています。最新の停留所はトランスパースの乗換案内で確認してください。
キングスパークの見学にはどのくらい時間をみておけばよいですか?
フレーザー・アベニュー、州戦争記念碑、フェデレーション・ウォークウェイ、植物園を回るなら2〜3時間が目安です。ピクニックやブッシュの散策路も楽しんだり、子ども連れでリオ・ティント・ネイチャースケープに立ち寄ったりするなら、半日みておきましょう。
キングスパークでワイルドフラワーが見ごろになるのはいつですか?
おおむね8月から10月です。9月に開かれるキングスパーク・フェスティバルは、この花の季節に合わせて催されます。毎年の開催日はキングスパークの公式サイトで確認してください。
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