海で終わるサーキット
フィリップアイランド・グランプリサーキットは、バス海峡を見下ろす岬の上にあります。芝生の土手に陣取ると、マシンが丘を越えていく背後に広々とした海が見えます。サーキットと南極海のあいだには島の中で遮るものが何もありません。そのため風は海から直接吹きつけ、そのままコースを横切っていきます。
2026年のオーストラリア・モーターサイクル・グランプリは、10月23日〜25日に開催されました。2027年には開催地がアデレードへ移るため、MotoGPがここを訪れるのはこれが最後となりました。ライダーたちが長年、年間カレンダー屈指の名コースと評価してきたサーキットです。この週末は、そんなコースとの別れを惜しむ場にもなりました。
週末のスケジュール
MotoGPの週末は、決まった流れで進みます。金曜日はフリー走行、土曜日は予選と距離の短いスプリントレースです。そして日曜日に決勝のグランプリが行われます。
MotoGPのセッションの合間は、サポートクラスのMoto2とMoto3が埋めます。メインレースの時間だけでなく、ほぼ一日中コース上をバイクが走っていることになります。
全長4.4キロメートルのレイアウトは、高速で流れるようなコーナーが続くのが特徴です。ほかのサーキットのように、ライダーが大きく減速を強いられるきついヘアピンはありません。ファンのあいだで特によく話題にのぼるのは、次のコーナーです。
- ドゥーハンコーナー(Doohan Corner/ターン1): メインストレートで最高速に達したライダーが、その先で一気にハードブレーキングをかける地点です。
- ストーナーコーナー(Stoner Corner): 長く速い左コーナーです。2度の世界王者に輝いたオーストラリア出身のケーシー・ストーナーにちなんで名付けられました。
- ルーキーハイツ(Lukey Heights): 先が見えないブラインドの頂上で、マシンがふわりと浮き上がります。この丘の斜面は、一般入場券のファンに人気の観戦スポットです。
- サイベリア(Siberia)とホンダコーナー(Honda Corner): コース南側にある低速セクションで、追い抜きがよく見られます。
島へのアクセス
フィリップアイランドと本土を結ぶ道路は、サンレモとニューヘイブン(Newhaven)のあいだに架かる橋の1本だけです。メルボルンから車で向かう場合は、M1からサウス・ギプスランド・ハイウェイ、バス・ハイウェイを経由するのが一般的です。道が空いていれば約2時間ですが、レースウィークエンドに道が空いていることはまずありません。
週末全体の過ごし方は、この橋次第といっても過言ではありません。最も混むのは日曜日の夕方で、何万人もの人が一斉に島を出ようとします。そのため、島の北岸にある中心の町カウズ(Cowes)に泊まったり、近くでキャンプをしたりするファンが大勢います。サンレモやバス・ハイウェイ沿いの町に宿を取り、毎朝車で通う人もいます。
週末には通常、メルボルンや島内の町からシャトルバスや長距離バスが運行されます。また、観客のかなりの割合にとって、バイクに乗って会場入りするのも恒例の楽しみとなっています。
チケットと観戦場所
日程やチケットの種類、購入ページへのリンクは、主催者の公式サイトに掲載されています。各グランドスタンドや観戦エリアの説明も、同じサイトで確認できます。大きく分けると、一般入場券と指定席のグランドスタンド券の2種類があります。
一般入場券があれば、サーキットの大部分を囲む芝生の土手に入ることができます。この自由さこそが、多くの人のお目当てです。たとえば日曜日の決勝をルーキーハイツで観戦し、その後スタート/フィニッシュのストレート方面へ歩いて戻って表彰式を見る、といった楽しみ方ができます。グランドスタンド券なら座席が確保されているうえ、ある程度風もしのげます。
キャンプ券や複数日券も人気があります。遠方から来る人は、日曜日だけでなく3日間通して滞在することが多いようです。
バス海峡のレース日を乗り切るには
初めて訪れる人が最も戸惑うのが天候です。10月下旬のビクトリア州は春にあたります。この海岸では「1日のうちに四季がある」というのは比喩ではなく、ごく当たり前のことです。数時間のうちに、晴れ間、横殴りの雨、冷たい南風がすべてやってくることもあります。
常連の人たちは、朝が晴れていても重ね着をし、雨具を持参するのが普通です。空気が冷たくても紫外線は強いため、日焼け止めも欠かせません。芝生の土手に座るための敷物を持っていく人がほとんどです。遠くのコーナーではエンジン音で実況が聞き取りにくいため、ラジオやイヤホンも用意しておくと安心です。
サーキット内の支払いは、オーストラリアのほかの場所と同じく、カードやスマートフォン決済が中心です。屋台でチップを渡す必要はありません。飲食店やトイレの列が最も長くなるのは、セッションの合間の休憩時間です。そのため、サポートクラスの走行中に食事を済ませるファンもたくさんいます。
レースが終わっても、すぐに駐車場へ向かわない観客が大勢います。橋のひどい渋滞が落ち着くまで、1〜2時間ほどその場で待つのです。
サーキットの外の楽しみ
フィリップアイランドには、空いた1日を過ごすのにぴったりの見どころがたくさんあります。いちばん人気は、サマーランドビーチ(Summerland Beach)のペンギンパレードです。日没後、リトルペンギンが海から上がり、浜辺を歩いて巣穴へ帰っていく様子を見られます。島の西端にあるノビーズ(Nobbies)の遊歩道からは、オットセイのコロニーがあるシールロックス(Seal Rocks)を望めます。
カウズには桟橋やカフェ、宿泊施設がそろっており、波の穏やかな北側にはビーチもあります。ニューヘイブン近くから歩道橋で渡れるチャーチル島(Churchill Island)には歴史ある農場があり、半日あれば気軽に楽しめます。
よくある質問
2026年のMotoGPオーストラリアグランプリは、フィリップアイランドでいつ開催されましたか?
2026年10月23日〜25日に、ビクトリア州のフィリップアイランド・グランプリサーキットで開催されました。金曜日がフリー走行、土曜日が予選とスプリント、日曜日が決勝のグランプリでした。
MotoGPは今もフィリップアイランドで開催されていますか?
いいえ。MotoGPがフィリップアイランドを訪れたのは、2026年の大会が最後でした。オーストラリア・モーターサイクル・グランプリは、2027年からアデレードへ開催地を移します。
レース観戦のためにメルボルンからフィリップアイランドへ行くには、どうすればよいですか?
島はメルボルンから南東へ車で約2時間の場所にあり、サンレモとニューヘイブンを結ぶ1本だけの橋を渡って向かいます。日曜日のレース後はこの橋がひどく渋滞するため、カウズに泊まったり地元でキャンプをしたりして、橋を避けるファンが大勢います。
フィリップアイランドで観戦するのにおすすめの場所はどこですか?
一般入場券のファンに人気なのは、ルーキーハイツ、ドゥーハンコーナー、そしてストーナーコーナー周辺のエリアです。グランドスタンドなら座席が確保されており、海岸から吹きつける風もよりしのげます。
レースウィークエンド中、フィリップアイランドではほかに何が楽しめますか?
日没時にサマーランドビーチで見られるペンギンパレード、シールロックスを望むノビーズの遊歩道、カウズのビーチと桟橋、ニューヘイブン近くのチャーチル島にある歴史ある農場などがあります。
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