城の石垣とフェリー港のあいだで
高松では、見どころが歩いて回れる範囲にぎゅっと集まっています。JR高松駅から数分歩くだけで、瀬戸内海を行き交うフェリーのターミナルや高松城の石垣にたどり着きます。その石垣のそばの玉藻町に建つのが、香川県立ミュージアムです。旧讃岐国の歩みを紹介する館で、その歴史の多くが刻まれた土地のすぐ隣にあります。
海の向こうのアートの島々ほど注目されることはありませんが、それをかえって好む旅行者もいます。直島へ渡る船を待つあいだや、雨の午後をやり過ごしたいときには、港の近くで過ごす1時間として最も有意義な選択肢のひとつです。
展示の内容
ここはまず何よりも郷土の博物館です。展示や企画展、イベントを通して香川の歴史と文化を紹介しており、そこに美術作品の展示も加わります。決まったコレクションをひと通り眺めて終わる場所ではありません。地域をテーマにした常設展示と、年間を通して入れ替わる企画展の両方を楽しめます。
ガラスケースを眺めるだけの博物館と違うのは、体験型のプログラムがあることです。家族連れにぴったりなうえ、日本語がわからない人でも楽しみやすくなっています。出かける前に、公式サイトで次の点を確認しておきましょう。
- 訪問予定日にどの特別展が開催されているか
- その特別展に別途チケットが必要かどうか
- 当日にワークショップや体験プログラムが予定されているか
解説をじっくり読みたいなら1.5〜2時間ほど確保しておきましょう。フェリーに乗る前にさっと一周するだけなら1時間で足ります。
鯛が泳ぐ隣の堀
香川県立ミュージアムのいちばんの魅力は、お隣にある名所かもしれません。ぜひ両方をセットで計画してください。高松城跡、つまり現在の玉藻公園は、全国でも数少ない「海城」のひとつです。堀には瀬戸内海の海水が引き込まれていて、鯛が泳いでいます。
訪れた人たちは橋の上や石垣の縁から魚にえさをやり、水位は潮の満ち引きに合わせて上下します。館内の歴史展示を見たあと、かつて高松藩の殿様を守った堀へそのまま足を運ぶと、どちらの理解もぐっと深まります。疲れていないうちにまず博物館を見学し、日差しがやわらぐ夕方に公園を歩くのがおすすめの順番です。公園の開門時間は別に定められているので、あわせて確認してください。
玉藻町へのアクセス
徒歩でも電車でも簡単にたどり着けます。
- JR高松駅: サンポート地区を抜けて東へ歩き、10分ほどです。瀬戸大橋を渡って岡山から走ってくるマリンライナーの終着駅でもあります。
- 琴電高松築港駅: 琴平線の終点で、玉藻公園のすぐ隣にあります。琴平や栗林方面から来るなら、この駅がいちばん便利です。
- 高松港: 直島や豊島、小豆島からの帰りなら、フェリー乗り場から歩いてすぐです。
車で来る必要はありません。駅も港も城もミュージアムも、海辺の歩ける範囲にまとまっています。
混雑を避けて日を選ぶ
開館スケジュールはシンプルで、火曜〜日曜の午前9時〜午後5時です。月曜は休館日です。週の初めを「博物館の日」にしようとして、うっかり休館日に当たってしまう人は少なくありません。高松で過ごせるのが月曜だけなら、城跡の公園と港を優先しましょう。
避けたいのは週末です。土日は午前9時〜午後5時の開館中ずっと混み合っており、すいている時間帯を狙うこともできません。展示をじっくり見るなら火曜〜金曜が断然おすすめで、人気の特別展が開かれている時期ならなおさらです。
最終入館は午後5時の閉館より前に締め切られるのが一般的です。4時半に到着するのではなく、午後の半ばまでには入館しておきましょう。
館内での過ごし方
日本の博物館には独特のマナーがあり、ここもそれにならっています。
- チケット: 入口の窓口で購入します。現在の観覧料は窓口と公式サイトに掲示されています。クレジットカードやICカードで支払いたい場合は窓口で確認してください。念のため現金も用意しておくと安心です。
- 荷物: 大きなリュックやスーツケースは、コインロッカーかクロークに預けるのが基本です。フェリーを降りてスーツケースを持ったまま来た場合にも助かります。
- 撮影: ルールは展示ごとに異なります。展示室の入口にあるカメラに斜線のマークを確認しましょう。常設展示より特別展のほうが厳しいと考えておくとよいでしょう。
- 会話と携帯電話: 館内では皆、小声で話しています。通話は屋外かロビーで済ませましょう。
- 筆記具: 傷みやすい作品を展示している部屋では、メモに使えるのが鉛筆だけということがよくあります。ペンでスケッチするのは控えてください。
日本語が読めない場合は、受付で英語のパンフレットや案内があるか尋ねてみましょう。「すみません、英語のパンフレットはありますか?」と聞けば十分に伝わります。
半日かけて楽しむ
ミュージアムは、気軽に歩ける海辺の周遊ルートのちょうど真ん中にあります。展示と城の堀を見たら、北へ歩いてサンポート高松へ向かいましょう。防波堤の先にある赤い灯台は、夕暮れどきの散歩にぴったりの人気スポットです。
港のすぐ東には、古い倉庫を利用したカフェや小さな店が並ぶ北浜アリーがあります。城の南には丸亀町周辺の長いアーケード商店街が続き、雨の日でもぬれずに歩けます。その先には、香川の名物として全国に知られる太い小麦麺、讃岐うどんの店もたくさんあります。
時間に余裕があれば、琴電かJRで少し足をのばして栗林公園へ。ミュージアムとあわせれば、高松の定番の一日が完成します。お殿様の庭園、その居城の海の堀、そして彼が治めた国の歴史を、夕方のフェリーに乗る前にひと通り味わえます。
よくある質問
香川県立ミュージアムはどこにありますか?アクセス方法を教えてください。
所在地は高松市玉藻町5-5で、玉藻公園(高松城跡)のすぐ隣です。JR高松駅から歩いて約10分、琴電の高松築港駅は公園のすぐそばにあります。高松港のフェリー乗り場からも歩いてすぐです。
開館日はいつですか?
火曜〜日曜の午前9時〜午後5時に開館しています。月曜は休館なので、週の初めに高松を訪れる場合は予定の組み方に気をつけましょう。
比較的すいているのはいつですか?
週末は午前9時〜午後5時の開館時間中ずっと混み合うため、土日はできるだけ避けるのがおすすめです。狙い目は火曜〜金曜の平日です。午後5時の閉館に追われないよう、午後の早めの時間に訪れるとよいでしょう。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
歴史展示と特別展をあわせて見るなら1.5〜2時間ほど、さっと回るだけなら1時間ほどが目安です。隣の玉藻公園で城の堀を散策するなら、さらに1時間ほど見ておきましょう。
周辺にはどんな見どころがありますか?
すぐ隣には、鯛が泳ぐ高松城の海水の堀がある玉藻公園があります。少し歩けば、赤い灯台で知られるサンポート高松や、倉庫街の北浜アリー、丸亀町の商店街へも行けます。栗林公園までは電車ですぐです。
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