石造りのシャトーと木の天蓋
この美術館は、ふたつの建物から成り立っています。キッチナー・ストリートに面して建つのが旧館です。1887年に建てられたフレンチ・ルネサンス様式の建物で、急勾配の屋根と、角に据えられた時計塔が目を引きます。もともとは市の図書館兼美術館として造られたもので、まるでロワール地方から運ばれてきたかのような佇まいです。
その前を通り過ぎると、2011年に増築された新館が姿を現します。入口の上には、カウリ材の天蓋が木立のように枝を広げています。ガラスの壁越しには、アルバート公園の大木が透けて見えます。この改修は、2013年の世界建築フェスティバルで「ワールド・ビルディング・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。作品を鑑賞する前に、まずは頭上を見上げてみてください。
壁を彩るコレクション
所蔵作品は15,000点を超え、公的な美術コレクションとしてはニュージーランド最大の規模を誇ります。ヨーロッパの古典巨匠から現代のインスタレーションまで、その幅は実に多彩です。なかでも、ニュージーランドとマオリの美術をこれほど深く掘り下げたコレクションは、ほかでは見られません。
まず足を運びたい展示室は次のとおりです。
- ゴルディとリンダウアーの肖像画。 19世紀から20世紀初頭にかけて、マオリのランガティラ(首長)やクイア(長老の女性)を描いた作品群です。顔に施されたター・モコ(伝統的な入れ墨)まで細密に描き込まれています。
- コリン・マッカホン。 文字を書き込んだ、どこか聖典を思わせる風景画で知られ、ニュージーランド・モダニズムの屋台骨ともいえる画家です。
- フランシス・ホジキンス。 祖国を離れて活動したこの画家の作品が、まとまった形で収蔵されています。
- 現代のマオリおよび太平洋地域のアーティスト。 上階で入れ替え制の展示が行われています。
大規模な巡回展は、年間を通じて入れ替わります。開催中の展覧会や別途チケットが必要かどうかは、公式サイトに掲載されています。入館に関する詳細も同サイトで確認できます。
キッチナー・ストリートへの行き方
美術館の所在地はキッチナー・ストリート1番地(1 Kitchener Street)で、ウェルズリー・ストリート・イースト(Wellesley Street East)との角にあります。クイーン・ストリート(Queen Street)から東へ1ブロック、坂を上った先です。列車やほとんどの港内フェリーが発着するブリトマート交通センター(Britomart Transport Centre)からは、中心街を上って徒歩約10〜15分です。
クイーン・ストリートやウェルズリー・ストリートを走るバスなら、数分歩けば着く場所に停留所があります。中心街の駐車場は料金が高いうえに数も限られています。特にウォーターフロントと合わせて巡るなら、公共交通機関を使うか歩いたほうが合理的です。
訪れるタイミング
現在、美術館は毎日午前10時〜午後5時に開館しています。祝日や特別イベントの際は変更になることがあるので、出発前に公式サイトを確認しておきましょう。
混雑の傾向ははっきりしています。平日は午前10時〜11時と、午後4時〜5時が最も落ち着いた時間帯です。週末に空いているのは午前10時〜11時だけです。土日の正午から午後4時の間に到着するのは避けましょう。人気の展覧会が混み合い、木の屋根に覆われたアトリウムも騒がしくなる時間帯です。
コレクションと企画展ひとつを見るなら、2〜3時間を予定しておくと安心です。マオリの肖像画と建築に絞れば、1時間でも十分に見て回れます。平日の午後に時間があれば、午後4時に入館すると最後の1時間を静かに過ごせます。ただし、大規模な展覧会を見るには時間が足りません。
トイ・オ・タマキを巡るために
館内の案内表示には、英語名と並んでマオリ語名の「トイ・オ・タマキ」が記されています。スタッフもこの名前を使っているので、訪問者も遠慮なく使ってかまいません。タマキとは、オークランド地峡を指すマオリ語の呼び名です。
次のような心がけがあると、より気持ちよく見学できます。
- 肖像画は単なる絵ではなく、祖先として向き合いましょう。 ゴルディとリンダウアーの作品には自分たちのトゥープナ(祖先)が宿っていると考える子孫が多くいます。これらの展示室では声を落とし、作品の前で自撮りをするのは控えてください。
- 写真撮影の可否は展示室ごとに表示を確認しましょう。 一般に、常設コレクションは貸出作品の展覧会よりも規制が緩やかです。フラッシュ撮影は原則として禁止されています。
- 大きな荷物は預けましょう。 かさばるリュックは展示室に持ち込まず、受付で預けるのが通例です。
- 無料のガイドツアーについて尋ねてみましょう。 ボランティアのガイドによるコレクションツアーが行われています。最新のスケジュールは受付や公式サイトで確認できます。
- 支払いはカードで。 オークランドの多くの場所と同じく、ミュージアムショップやチケット窓口もほぼすべてタッチ決済で運営されています。
ウォーターフロントから出発するなら、午前10時の開館に合わせて朝のうちに訪れましょう。静かな時間帯に見学でき、午後は港で過ごす時間もしっかり残ります。
美術館のあとに
外へ出ると、目の前はすぐアルバート公園です。中心街を見下ろす高台にあるヴィクトリア朝時代の公園で、噴水や整然とした花壇、古木が並んでいます。見てきたばかりの作品について腰を下ろして語り合うには、うってつけの場所です。公園の先、坂の上にはオークランド大学のキャンパスが続いています。
隣のローン・ストリート(Lorne Street)にはオークランド中央図書館があります。クイーン・ストリートの商店街は1ブロック西です。そのあと街を上から眺めたいなら、南西へ徒歩約10分でスカイタワーに着きます。
よくある質問
オークランド美術館が最も空いているのはいつですか?
平日は午前10時〜11時と午後4時〜5時が最も落ち着いています。週末なら午前10時〜11時に訪れましょう。土日の正午〜午後4時は最も混雑する時間帯なので避けるのが無難です。
ブリトマートからオークランド美術館へはどう行けばよいですか?
中心街を歩いて上り、キッチナー・ストリートとウェルズリー・ストリート・イーストの角を目指します。所要時間はおよそ10〜15分で、ほとんどが上り坂です。クイーン・ストリートやウェルズリー・ストリートを走るバスも近くに停まります。
館内ではどのくらい時間をかければよいですか?
常設コレクションと企画展ひとつを見るなら2〜3時間を見ておきましょう。ゴルディとリンダウアーによるマオリの肖像画や、受賞歴のある木造のアトリウムといった見どころだけなら1時間で回れます。
開館時間を教えてください。
現在は毎日午前10時〜午後5時に開館しています。祝日やイベントによって変更されることがあるので、出かける前に公式サイトで確認してください。
オークランド美術館の周辺には何がありますか?
目の前にはアルバート公園が広がり、隣のローン・ストリートにはオークランド中央図書館があります。1ブロック西がクイーン・ストリートで、スカイタワーまでは徒歩約10分です。
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