歩道からでも全体がわかる教会
ヘレフォード・ストリート(Hereford Street)に立つと、この建物の構想がひと目でわかります。巨大な紙管が寄り添うように傾き合い、背の高いA字型の骨組みをつくっています。その上を覆うのは半透明の屋根です。正面は色ガラスをはめ込んだ三角形の壁になっています。隠されている部分はひとつもなく、構造そのものが建物になっているのです。
設計は日本の建築家、坂茂です。2011年2月の地震で大聖堂広場のクライストチャーチ大聖堂が大きく壊れたことを受けて手がけました。2013年に英国国教会の教区の仮設大聖堂として開かれています。もともと「仮の大聖堂」として計画されたもので、本来の大聖堂はいまも修復が続いています。
紙管の内側へ
扉をくぐると、屋根や紙管のすき間から光が差し込んできます。紙管はコーティングと補強が施されており、2本ずつ組になって身廊の上の頂点まで伸びています。近くで見ると、とても分厚いとはいえ本当に紙でできていることがわかります。
両側の壁の下部には輸送用コンテナが使われています。安く、早く建てられ、再利用もできる素材を丁寧に使うのは、坂茂がよく用いる手法です。身廊には数百人が入れます。ここは博物館のような展示物ではありません。礼拝やコンサート、地域の行事が定期的に開かれる現役の教会です。
入口の方を振り返ると、三角形のステンドグラスが見えます。色ガラスに描かれているのは、被災した大聖堂のバラ窓から写し取った図柄です。旧大聖堂とこの建物をもっともはっきりと結びつけているのが、このステンドグラスです。
礼拝の時間を考えて訪れる
現在の開館時間は、月曜日〜土曜日が午前9時〜午後4時、日曜日が午前9時〜午後3時です。教会の開館時間は礼拝や特別行事、祝日によって変わります。特定の時間に合わせて予定を組むなら、事前に大聖堂の公式サイトを確認してください。
週末の混み具合には、はっきりした傾向があります。
- 空いている時間帯: 週末の午後1時〜午後4時です。日曜日は午後3時に閉館するので、それまでとなります。
- 混み合う時間帯: 週末の午前9時〜午後1時です。日曜礼拝がこの時間帯にあるため、信徒席が使われていると考えておきましょう。
- 平日: 混雑を測ったデータがないので、時間に余裕をもって訪れてください。
内部とステンドグラスを見て、骨組みをじっくり眺めるなら30〜45分あれば十分です。リサイタルやオルガンの練習が行われていれば、もう少し長く過ごすのもよいでしょう。
現役の大聖堂でのマナー
ここは祈りをささげ、悲しみと向き合うために人々が訪れる場所です。2011年の地震で家や職場、大切な人を失った地元の人は少なくありません。この建物にはそうした思いが込められています。
- 声は小さめにしましょう。硬い壁や床のせいで、思った以上に音が響きます。
- 礼拝中は後ろの席に座るか、時間をずらして出直してください。写真を撮りながら通路を歩くのはやめましょう。
- 礼拝の時間以外なら、基本的に写真撮影はできます。フラッシュと三脚は使わないでください。
- 入場や寄付についての案内は入口に掲示されています。ネット上の古い情報を当てにせず、その場で確認しましょう。
- 紙管には触らないでください。建物を支える構造材であり、しかも紙です。
男性は堂内で帽子を脱ぐのが一般的な礼儀です。服装を細かく注意されることはありませんが、ビーチで着るような服装は場違いに見えます。
徒歩でのアクセス
大聖堂の所在地はヘレフォード・ストリート234番地です。中心部の東側、ラティマー・スクエア(Latimer Square)の角にあります。大聖堂広場からはヘレフォード・ストリートを東へまっすぐ歩くだけで、たいてい10分もかかりません。
リッチフィールド・ストリートのバスインターチェンジからは徒歩15分ほどです。中心部の見どころはほとんどが近くに集まっているので、交通機関を使う必要はまずないでしょう。車で来る場合は、中心業務地区にある有料の立体駐車場を探してください。広場周辺の路上駐車スペースはすぐに埋まってしまいます。
震災の歴史をめぐる散策ルート
大聖堂は、復興にまつわるほかの場所と組み合わせて回るのにぴったりです。無理のないペースで歩いて、半日ほどの行程になります。
- ラティマー・スクエア: 大聖堂のすぐ隣に広がる緑地です。2011年には緊急時の集結拠点として使われました。
- クライストチャーチ大聖堂(大聖堂広場): ゴシック・リバイバル様式で建てられたもとの大聖堂で、いまも修復が続いています。
- カンタベリー地震国立記念碑: オックスフォード・テラスのそば、オータカロ/エイボン川沿いにあります。犠牲者の名前を刻んだ大理石の壁が長く続いています。
- クエイク・シティ: カンタベリー博物館による地震の展示施設です。被災地から回収された品々や、生き延びた人々の体験談を紹介しています。
疲れていない最初のうちに大聖堂を訪れましょう。復興のあいだに街が何を築いてきたかを見てからのほうが、記念碑の壁の意味がより深く伝わってきます。
よくある質問
カードボード・カテドラルが空いているのは何時ごろですか?
週末は午後1時〜午後4時が最も落ち着いています。ただし日曜日は午後3時に閉まります。週末の午前9時〜午後1時がいちばん混みます。日曜礼拝がこの時間帯にあることも理由のひとつです。
見学にはどのくらい時間をみておけばよいですか?
紙管の構造や三角形のステンドグラス、身廊を見て回るなら30〜45分が目安です。コンサートや礼拝が行われているときは、もう少しゆっくりしてもよいでしょう。
開館時間を教えてください。
現在は月曜日〜土曜日が午前9時〜午後4時、日曜日が午前9時〜午後3時です。礼拝や行事によって変わることがあるので、出かける前に公式サイトで確認してください。
カードボード・カテドラルへの行き方は?
所在地はラティマー・スクエアに面したヘレフォード・ストリート234番地です。大聖堂広場からヘレフォード・ストリートを東へ歩けば、迷わずたどり着けます。中心部のバスインターチェンジからは徒歩15分ほどです。
周辺にはどんな見どころがありますか?
すぐ隣にラティマー・スクエアがあります。大聖堂広場のクライストチャーチ大聖堂、オックスフォード・テラス沿いのカンタベリー地震国立記念碑、地震をテーマにした展示施設クエイク・シティにも歩いて行けます。
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