テーブルの真ん中から取り分けるスタイル
シュペッツレを一人分だけ頼むと、出てくるのは付け合わせ程度の量です。マダム・プリュッシュの料理は、もともとみんなで分け合うことを前提に作られているからです。この店の評判を支えているのは、テーブルの中央に置かれる大皿料理です。シュペッツレ、スモークソーセージ、ザワークラウトが盛られた皿に、全員が手を伸ばして取り分けます。
そのため、ここでの食事の進め方は少し変わってきます。一人ずつメインを頼むのではなく、グループで相談して注文を決め、皿を回しながらゆっくり過ごすのがこの店の流儀です。店内は伝統的な雰囲気の内装です。軽やかな料理とは無縁の、バイエルンやシュヴァーベンのボリュームある郷土料理にはよく似合います。
大皿に並ぶ料理
主役となるのは、店の名物として知られる3品です。ドイツのこの地方で食事をするのが初めての方のために、それぞれをご紹介します。
- シュペッツレ: 生地を削ったり押し出したりして熱湯に落とす、やわらかく不揃いな形の卵麺です。このあたりはアルゴイ(Allgäu)地方に接しています。アルゴイの定番は、チーズを重ねて揚げ玉ねぎをのせたケーゼシュペッツレです。
- スモークソーセージ: 身が詰まってしっかりと味付けされており、マスタードを添えて食べたくなる一品です。
- ザワークラウト: 発酵させたキャベツです。酸味が強く、ほかの2品のこってりとした味わいをさっぱりさせてくれます。
メニューは店頭に掲示されており、内容は変わることがあります。特定の料理を目当てに行くよりも、当日のメニューを確かめるのがおすすめです。フュッセンの中では高めの価格帯です。観光の合間に軽く済ませる店ではなく、腰を据えて味わう本格的な食事の店と考えてください。
午後4時の空白
いちばん気をつけたいのが営業時間です。マダム・プリュッシュの営業は、12時から午後4時までのランチと、午後5時から11時までのディナーの2部制になっています。その間の1時間は、料理の提供がありません。
曜日ごとの営業日も同じくらい重要です。火曜と水曜は定休日です。営業するのは月曜と木曜から日曜までで、5日間とも営業時間は同じです。
短い滞在なら、まずこの2日間の定休日を確認しましょう。たとえば月曜に到着して水曜に発つ場合、チャンスは月曜だけです。遅めのランチにも注意が必要です。午後3時30分に入店すると、休憩時間を前に時間を気にしながら食べることになります。
ドレーアーガッセへの行き方
ドレーアーガッセはこぢんまりとしたフュッセン旧市街の路地のひとつで、店はその48番地にあります。歴史地区全体は、端から端まで歩いても数分ほどです。町なかに泊まっているなら、どこからでもほぼ確実に徒歩で行けます。
ミュンヘンからのローカル線の終点であるフュッセン駅からは、旧市街まで歩いてすぐです。中心部を通る主要ルートは、歩行者専用の商店街ライヒェン通り(Reichenstraße)です。中心部は歩行者が多いため、車で乗り入れるのは手間がかかるだけです。町の駐車場に車を停めて、歩いて向かいましょう。
予約・支払い・注文
取り分けスタイルであることや価格帯が高めであることを考えると、事前の計画をおすすめします。金曜や土曜のディナーならなおさらです。次のような点を押さえておくと、食事がスムーズに進みます。
- 予約をしましょう。夏は特に必須です。 晩春から秋にかけてのフュッセンはお城を目当てにした観光客であふれ、町のレストランはディナーの時間帯に混み合います。ドイツではテーブルの予約はごく普通のことで、大げさだと思われることはありません。
- 注文はテーブル全体で。 まずみんなで大皿料理を決め、自分の分が欲しい人がいれば個別の料理を追加しましょう。
- カードが使えるか確認を。 バイエルンでは、今も現金払いを好む店や、一部のカードしか使えない店が少なくありません。予約の際に尋ねるか、念のため現金を用意しておきましょう。
- チップはドイツ式で。 サービス料は料金に含まれていますが、端数を切り上げて払うのが慣習です。硬貨をテーブルに置いていくのではなく、店員が代金を受け取るときに、支払いたい合計額を伝えます。「シュティムト・ゾー」と言えば「お釣りは結構です」という意味になります。
- お会計は自分から頼みましょう。 店員が頼まれる前に伝票を持ってくることは、ふつうありません。食べ終わったら店員と目を合わせて、「ツァーレン、ビッテ(お会計をお願いします)」と声をかけましょう。
食事には1時間半から2時間ほどを見込んでおきましょう。大皿料理はもともとゆっくり味わうためのもので、急いで食べてはその良さが台なしです。
お城観光との組み合わせ方
フュッセンを訪れる人の多くは、約4キロ離れたノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城が目当てです。フュッセン駅からはバスが出ています。お城の見学には、たいてい午前遅くから午後の早い時間までかかります。そのため、ここでランチをとるのは難しくなります。町に戻ってくるのが、ちょうど午後4時の休憩が始まる頃になるからです。
無理なく組み込めるのはディナーです。お城を見学してホテルで一休みし、午後5時の開店に合わせて、あるいはもっと遅い時間に歩いて出かけましょう。ランチにしたい場合は、お城に行かない日を選んでください。旧市街で朝をのんびり過ごし、正午に食事をして、午後は川辺で過ごすのがおすすめです。
レストラン周辺の見どころ
旧市街には、食事の前後に立ち寄れる場所がたくさんあります。以下はいずれも気軽に歩いて行ける距離です。
- ホーエス城(Hohes Schloss): かつてアウクスブルク司教領主の夏の離宮だった城です。中庭の壁面に描かれた装飾はだまし絵になっています。現在は州立の美術館として使われています。
- 聖マング修道院(Kloster St. Mang): かつてのベネディクト会修道院で、現在はフュッセン市立博物館が入っています。リュートやバイオリン製作の中心地として栄えた町の歴史を紹介する展示があります。
- レヒ川: 旧市街のすぐそばを流れる川です。南へ少し歩くと、狭い峡谷を水が段々に流れ落ちる堰、レヒの滝(Lechfall)に着きます。ボリュームたっぷりの食事のあとの散歩にぴったりです。
すべてを見て回るつもりなら、博物館はレストランより早く閉まる点に注意しましょう。先に観光を済ませ、大皿料理は最後のお楽しみにとっておくのがおすすめです。
よくある質問
レストラン・マダム・プリュッシュの定休日はいつですか?
毎週火曜と水曜が定休日です。月曜と木曜から日曜までは、ランチを12時から午後4時、ディナーを午後5時から11時まで提供しています。
夕方の早い時間に食事はできますか?
午後4時から5時までは、ランチとディナーの間の休憩時間のため料理の提供がありません。ランチなら午後4時より十分前に、ディナーなら午後5時以降に訪れましょう。
レストラン・マダム・プリュッシュへはどう行けばよいですか?
フュッセン旧市街のドレーアーガッセ48番地にあります。ミュンヘンからのローカル線の終点であるフュッセン駅から歩いて行けます。車の場合は町の駐車場に停めて、歩行者中心の旧市街まで歩いてください。
食事にはどのくらいの時間を見ておけばよいですか?
1時間半から2時間ほどを見込んでおきましょう。メニューはシュペッツレ、スモークソーセージ、ザワークラウトを取り分ける大皿料理が中心なので、ゆっくり味わうことを前提にした食事です。
ノイシュヴァンシュタイン城の観光と組み合わせることはできますか?
できます。いちばん組み合わせやすいのはディナーです。日中はフュッセン駅からバスでノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城を見学し、午後5時以降に食事をしましょう。お城を観光した日は、ちょうど午後4時から5時の休憩時間に町へ戻ってくることが多いからです。
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