城から10分、メソポタミアへ
岡山を訪れる人の多くは、後楽園と黒い城を見たらそのまま新幹線で帰ってしまいます。ところが、そのどちらからも数本西の通りに入ったところに、国内ではほとんど見られないコレクションを持つ市立の美術館があるのです。所蔵するのは中東の歴史的な美術品数千点で、その範囲は古代オリエントからイスラム世界にまで及びます。
まだあまり知られていない穴場で、展示室はたいてい落ち着いた雰囲気です。ひとつのケースの前に長く立ち止まっていても、後ろから誰かにのぞき込まれることはまずありません。地元の案内板や地図では「オリエント美術館」と表記されています。
ガラスケースの中に並ぶもの
コレクションは数千年の時をまたぎ、地域もおおよそ現在のトルコやシリアからイランにかけての広い範囲に及びます。巨大な彫刻よりも手に収まるほどの大きさの品が中心なので、ケースごとに時間をかけて見るのがおすすめです。主な展示品には次のようなものがあります。
- 最古の文字文化が生んだ楔形文字の粘土板や印章
- この地域ならではの、薄く虹色に輝く器をはじめとした古代ガラス
- 初期のイランやメソポタミアの遺跡から出土した彩文土器
- 施釉タイルや象嵌細工を含むイスラムの陶器と金属工芸
- 収蔵品からテーマを決めて紹介する、入れ替え制の特別展
解説パネルは主に日本語で、英語の対応は展示によってまちまちです。興味のある時代について事前に調べておき、あとは翻訳アプリを解説文にかざせば十分に楽しめます。
天神町への行き方
所在地は北区天神町9-31です。岡山駅からは、東口前の電停で岡山電気軌道の東山本線に乗ります。城下で降りたら、北へ数分歩けば到着です。
歩いて行きたい方は、駅から桃太郎大通りを東へ進みましょう。平坦な歩道を約15〜20分の道のりです。途中で商店街のそばを通るので、晴れた日なら気軽に歩けます。
美術館エリアをまとめて巡る
天神町は岡山の美術館が集まるエリアで、オリエント美術館はいくつかの施設とあわせて巡るのがいちばんです。すぐ隣には岡山県立美術館があります。日本や東アジアの美術品を所蔵する林原美術館も、城の方へ少し歩いたところです。
そこから岡山城までは歩いて10分ほど。旭川を渡れば、日本三名園のひとつに数えられる後楽園です。1日の回り方としては、次のような流れが無理なくおすすめです。
- 朝:9amの開館に合わせてオリエント美術館へ
- 昼前:岡山城の城内を散策
- 午後:ゆっくり時間をかけて味わいたい後楽園へ
オリエント美術館をスムーズに見学するには
見学の流れは、国内のほとんどの公立美術館と変わりません。チケットは入口近くの窓口で購入します。現在の観覧料は特別展の料金も含めて窓口に掲示されているほか、公式サイトにも載っています。展示室に持ち込むには大きすぎる荷物は、たいていコインが戻ってくるタイプのコインロッカーに預けます。
館内のマナーは厳しいものの、内容はシンプルです。会話は小声で、電話は館外で済ませましょう。撮影のルールは常設展と特別展で異なる場合があるため、各展示室に掲示されたカメラのマークを確認してください。ケースに寄りかかると、スタッフから丁寧に、しかしはっきりと注意されます。
日程で唯一気をつけたいのが月曜日です。現在は月曜が休館日で、岡山のほかの美術館も同じ日に休むことが少なくありません。天神町で過ごす朝は、火曜〜日曜に組み込みましょう。祝日や展示替えの時期には開館時間が変わることもあるので、公式サイトで当月のカレンダーを確認しておくと安心です。
所要時間と、おすすめしたい人
常設展には60〜90分を見込んでおき、特別展の開催中はさらに余裕を持たせましょう。庭園散策が楽しみにくい雨の日の岡山にはぴったりの行き先です。日本の寺社はもう十分に見たので、少し気分を変えたいという旅行者にも向いています。
大英博物館やルーヴル美術館の古代オリエント展示室を訪れたことがある方なら、この規模感をきっと気に入るはずです。1回の訪問でしっかり見て回れるコンパクトさで、館内も静かなので、すべてのケースの解説にきちんと目を通せます。
よくある質問
岡山駅からオリエント美術館へはどう行けばよいですか?
駅の東口前にある電停から岡山電気軌道の東山本線に乗り、城下で降ります。そこから北へ数分歩くと、天神町9-31の美術館に着きます。駅から桃太郎大通りを歩いて向かう場合は、約15〜20分です。
開館日はいつですか?
現在は火曜〜日曜の9am〜5pmに開館しており、月曜は休館です。祝日や展示替えの時期には変更になることがあるため、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。
見学にはどのくらいの時間が必要ですか?
常設展だけなら60〜90分が目安です。特別展が開催されている時期は、さらに時間に余裕を持っておきましょう。
英語の案内はありますか?
解説パネルは主に日本語で、英語の対応は展示によってまちまちです。翻訳アプリを用意し、古代オリエントについて少し予習しておくと、ぐっと楽しめます。
周辺にはほかにどんな見どころがありますか?
すぐ隣に岡山県立美術館があり、林原美術館へも少し歩けば行けます。岡山城と後楽園も徒歩圏内です。
岡山旅行の準備
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