ひとつの楽器を軸にしたフェスティバル
ギターBCNは、野外にステージを並べるタイプの催しではなく、コンサートシリーズです。バルセロナで長年続いており、その根底にあるテーマはただひとつ、ギターです。フラメンコの奏者、ロックバンド、シンガーソングライター、アコースティックのソロ奏者までが顔をそろえます。公演はひとつの会場にまとまるのではなく、市内の複数のホールに分かれるのが通例です。
2026年版の会期は11月です。リストバンドもフェスティバル会場もありません。どのコンサートも本格的なホールでの独立した一夜で、チケットもそれぞれ別です。聴きたいアーティストだけを選び、ほかは見送ってかまいません。
ラウディトリで聴くホルヘ・ドレクスレル
今回もっとも知名度の高い出演者は、ホルヘ・ドレクスレルです。ウルグアイ出身のこのシンガーソングライターは、映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』の挿入歌「Al otro lado del río」でアカデミー賞歌曲賞を受賞しました。ウルグアイ人として初のオスカー受賞者です。
ラテン・グラミー賞の受賞歴も数多くあります。アルバム『Tinta y tiempo』は最優秀アルバム賞に輝き、C・タンガナとのデュエット曲「Tocarte」は、フォーク寄りのいつものファン層をはるかに超えて広まりました。長年マドリードに暮らしていることもあり、スペインの観客からは地元のアーティストに近い存在として親しまれています。
彼の歌は、巧みな言葉遊びとフィンガーピッキングのギターで組み立てられています。歌詞のひと言ひと言が届くほど静かな、着席型のコンサートホールにはぴったりです。観客はサビで声を合わせ、ヴァースでは静まり返るのが常です。
モネオが手がけたコンクリートの箱の中へ
ラウディトリ・デ・バルセロナは、スペインの建築家ラファエル・モネオの設計で、1999年に開館しました。通りから見ると、レパント通りに沿ってコンクリートと鋼鉄の角張った長いブロックが横たわっています。いかめしい外観は意図的なもので、力が注がれたのは内部のホールのほうです。
大規模なコンサートの舞台は、カタルーニャ出身のチェロ奏者の名を冠したメインホール、パウ・カザルス・ホール(Sala Pau Casals)です。客席数は約2,200席です。館内には小ホールのほか、バルセロナ音楽博物館(Museu de la Música)も入っています。所蔵品には歴史的なギターが数多く含まれており、ギターの祭典の会場としてはなかなか似つかわしい場所です。
ホワイエは広々として飾り気がありません。満席の夜でも、バーやクロークの列が押し合いにならずに済むゆとりがあります。
レパント通りへのアクセス
ホールの所在地はCarrer de Lepant 150で、アシャンプラ地区の碁盤の目がグロリアスと接するあたりです。いちばん簡単なのは地下鉄です。
- マリーナ駅(Marina、L1・赤線): 最寄り駅で、レパント通りを少し歩けば到着します。
- モヌメンタル駅(Monumental、L2・紫線): 数ブロック先にあり、サグラダ・ファミリアやグラシア通り(Passeig de Gràcia)方面から来るときに便利です。
- グロリアス駅(Glòries、L1): 開演前にトーレ・グロリアス近くで一杯楽しみたいときに向いています。
- トラム: トランベゾス(Trambesòs)の各路線が、建物のすぐ脇にあるアウディトリ=テアトレ・ナシオナル停留所(Auditori–Teatre Nacional)に停まります。
サグラダ・ファミリアへは北西に歩いて約15分です。午後にそちらを見学し、夜にコンサートへ向かう旅行者も大勢います。終演後の帰り道は地下鉄が一般的です。ホール周辺の大通りではタクシーも拾えます。
座席、案内係、そして遅めの夕食
ラウディトリでは、ポップスやフォークの夜でもクラシックのホールと同じ流儀で進みます。チケットには座席番号が記されています。遅れて着いた人は案内係が席まで誘導しますが、曲が終わるまで入口で待たされることもあります。たいていの観客は開演よりかなり前にホワイエに着き、コートをクロークに預けてそのまま自分の列へ向かいます。
ちょっとした習慣を知っておくと、一夜がぐっと快適になります。
- チケット: 入口ではスマートフォンのQRコードを見せる人がほとんどです。予備として印刷したものを持っている人もいます。
- 支払い: バーや近隣のレストランでは、カードやタッチ決済が当たり前です。スペインのチップは控えめで、端数を切り上げたり小銭を少し残したりすれば十分に気前がよいとされます。
- 言語: 案内放送や表示はカタルーニャ語とスペイン語です。entrada(エントラーダ)はチケット、fila(フィラ)は列、seient(サイエン)はカタルーニャ語で座席のことです。
- スマートフォン: 着席型のホールで1曲まるごと撮影すると、周りの迷惑になります。撮るとしてもサビひとつ分までというファンがほとんどです。
バルセロナの夕食は遅めです。地元の人は開演前ではなく終演後に食事をとるので、ホールから人が引けるころでも営業を続けている店がたくさんあります。
開演前と終演後のグロリアス
この界隈はゴシック地区よりも新しく、土産物店もぐっと少なめです。ホールから歩いて数分の範囲に、見どころがいくつも集まっています。
- カタルーニャ国立劇場(Teatre Nacional de Catalunya): リカルド・ボフィルが設計した、列柱の並ぶ隣の劇場です。
- トーレ・グロリアス(Torre Glòries): ジャン・ヌーヴェルによる砲弾形のタワーで、夜はカラフルなLEDに彩られます。
- エンカンツ蚤の市(Els Encants): ヨーロッパ最古級の蚤の市で、グロリアスにある鏡張りの大屋根の下に広がっています。
- デザイン博物館(Museu del Disseny): 「ホチキス」の愛称で呼ばれる角張った建物に入っています。
11月の夜は寒いというより涼しいくらいなので、グロリアスとホールのあいだを歩くのも心地よいものです。月のほとんどは薄手の上着で足ります。
日程とチケットの情報源
2026年のプログラムは公演ごとに日程が異なり、日付もチケットもコンサートごとに別々です。全日程とチケットへのリンクは、主催者がギターBCNの公式サイトで公開しています。ラウディトリでも、同館で行う公演を独自のプログラムに掲載しています。
パウ・カザルス・ホールの座席表は購入時に表示されます。ファンは、ステージに近い1階席か、一段高い側面席かで選ぶのが一般的です。料金はここではなく、各公演のチケット販売ページに表示されています。
よくある質問
ギターBCNフェスティバル2026の会期はいつですか?
2026年版の会期は2026年11月で、日程はコンサートごとに異なります。全日程と各公演のチケットへのリンクは、主催者がギターBCNの公式サイトで公開しています。
ギターBCN 2026でのホルヘ・ドレクスレルの公演会場はどこですか?
会場は、グロリアス広場に近いCarrer de Lepant 150にあるラウディトリ・デ・バルセロナです。同館の大規模なコンサートは、約2,200席のメインホール、パウ・カザルス・ホール(Sala Pau Casals)が舞台です。
ラウディトリへは公共交通機関でどう行けばよいですか?
最寄り駅は地下鉄L1線のマリーナ駅です。モヌメンタル駅(L2)とグロリアス駅(L1)からも歩いてすぐで、トラムのトランベゾスも建物のすぐ脇にあるアウディトリ=テアトレ・ナシオナル停留所に停まります。
コンサートは着席ですか、スタンディングですか?
パウ・カザルス・ホールのコンサートは全席指定で、案内係が列まで誘導します。遅れて着いた人は、曲が終わるまで入口で待たされることもあります。
開演前や終演後に立ち寄れるスポットはラウディトリの近くにありますか?
隣にはカタルーニャ国立劇場があります。トーレ・グロリアス、エンカンツ蚤の市、デザイン博物館はいずれもグロリアス広場のすぐ近くで、サグラダ・ファミリアへも歩いて約15分です。歴史的なギターを所蔵するバルセロナ音楽博物館は、ラウディトリの館内にあります。
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