キャセイズ・パーク(Cathays Park)の芝生を歩いていくと、市庁舎の左手に博物館が見えてきます。どちらの建物も淡い色のポートランド石でできています。博物館には列柱の並ぶ玄関と、緑青色の銅板ドームがあります。2棟は対になって見えるように設計されました。カーディフが最も豊かだったエドワード朝の時代に、この2棟を中心として行政地区が築かれています。
キャセイズ・パークに建つウェールズの殿堂
博物館が開館したのは1920年代です。案内板には英語名と並んでウェールズ語名の「アムゲズヴァ・ゲネドラエソル・カエルディッド(Amgueddfa Genedlaethol Caerdydd)」も書かれており、館内の解説もすべて2言語で表記されています。扉を入ると、大理石の床とバルコニーに囲まれた吹き抜けのドームの大ホールに出ます。たいていの人はここで立ち止まり、どちらへ進むか考えます。
この博物館の魅力を手短に言えば、考古学、美術、自然史の展示に企画展まで加わり、それがすべて堂々とした建物ひとつに収まっていることです。市内の観光名所の中でもレビュー数がとりわけ多く、評価も安定して高い施設です。雨の日にはカーディフの住民の半分が屋内に避難してきたかと思うほどで、混雑は覚悟しておきましょう。
上の階:デイヴィス姉妹の絵画コレクション
この博物館を訪れる人の多くは、美術展示室がお目当てです。グウェンドリン・デイヴィスとマーガレット・デイヴィスの姉妹は、石炭と鉄道で財を成したウェールズの実業家の孫娘でした。姉妹はフランスの印象派やポスト印象派の作品を早い時期から買い集め、のちに国へ遺贈しました。この遺贈品を中心に、同種のコレクションとしては英国でも屈指の内容がそろっています。
見逃せない作品は次のとおりです。
- ルノワール『パリジェンヌ』:青い服の女性を全身で描いた作品で、「青い服の女」の愛称で親しまれています
- モネの『睡蓮』のほか、ルーアン大聖堂やヴェネツィアを描いた作品
- ゴッホ『オーヴェールの雨』:画家が亡くなる直前の数週間に描かれました
- セザンヌの風景画や静物画
- 『接吻』のひとつも含むロダンのブロンズ像
その周りには、ウェールズ美術の展示室が並んでいます。グウェン・ジョンとオーガスタス・ジョンの作品や、リチャード・ウィルソンによる18世紀の風景画を探してみてください。ウェールズの古い肖像画や銀器も展示されています。
下の階:恐竜、マンモス、そしてウミガメ
自然史のフロアは「ウェールズの進化」と題したひと続きの順路になっています。ビッグバンや数十億年前の岩石から始まり、恐竜の骨格や氷河期のマンモスへと続きます。薄暗い照明の中に立つ復元模型は雰囲気たっぷりです。子ども連れの場合は、大人がまずここへ引っ張っていかれることが多いようです。
海の生き物の展示の近くには、1988年にハーレック(Harlech)の浜辺で見つかったオサガメが吊るされています。これまでに見つかった中で最大と記録されている個体で、その大きさにほとんどの人が足を止めます。考古学の展示室では、初期の入植者からローマ時代までのウェールズの歩みをたどれます。金や青銅の工芸品はつい早足で通り過ぎてしまいがちなので、じっくり見てください。
キャセイズ・パークへのアクセス
住所はCathays Park, Cardiff CF10 3NPです。市の中心部からなら、歩いて気軽に行けます。
- カーディフ・クイーン・ストリート(Cardiff Queen Street)駅:北西へ徒歩約10〜15分
- キャセイズ(Cathays)駅:最寄り駅で、行政地区の裏手から徒歩数分
- カーディフ・セントラル(Cardiff Central)駅:ショッピング街を抜けて徒歩約20分
- カーディフ城から:城の北東の角で道路を渡り、ゴーセッド庭園の横を北へ進みます
行政地区内の駐車場は限られています。市の中心部はこぢんまりとしているので、移動に車が欠かせない事情がなければ、徒歩か鉄道のほうが手軽です。
無料入館を上手に活用するには
常設展は入館料がかからないので、一度ですべてを見て回る必要はありません。カーディフの住民の多くは、1時間ほど立ち寄ってひとつの展示室だけを見て帰ります。旅行者もそれにならい、フロアをひとつ選んでじっくり見て、残りは別の日に回すとよいでしょう。企画展は有料の場合もあるので、開催中の展示と予約の要否を公式サイトで確認してください。
見学に役立つポイントをまとめました。
- 入口のそばに寄付箱があります。寄付は任意ですが、実際に寄付していく人もいます。
- 受付でフロアマップをもらいましょう。展示室は順路が入り組んでいて迷いやすくなっています。
- 大きな荷物はクロークに預けるよう求められることがあります。身軽にしておけば、階段やエレベーターの移動も楽になります。
- 学期中は自然史のフロアを学校の団体が利用するので、比較的落ち着いている美術展示室から見始めるのがおすすめです。
- ぎりぎりに着くと損をします。現在の閉館時刻は午後5時なので、午後3時30分を過ぎてから入ると両方のフロアを見る時間が足りません。
現在は月曜が休館日なので、知らずに訪れてしまう人も少なくありません。開館時間はバンクホリデー(公休日)や季節によって変わることがあるので、その月の開館時間をアムゲズヴァ・カムリ(Amgueddfa Cymru)のウェブサイトで確かめておきましょう。
博物館のあとは行政地区を散策
扉を出てすぐのところにあるのがゴーセッド庭園(Gorsedd Gardens)で、花壇の中に立石が小さく輪を描いて並んでいます。隣には市庁舎があり、そのすぐ裏手のアレクサンドラ庭園(Alexandra Gardens)にはウェールズ国立戦争記念碑が立っています。公園の北側を占めているのはカーディフ大学の本館です。
南へ数分歩けばカーディフ城に着き、その裏手にはタフ川(River Taff)に沿ってビュート・パーク(Bute Park)が広がっています。博物館に城と公園を合わせれば、バスに一度も乗らずに丸一日楽しめます。
よくある質問
カーディフ国立博物館の見学には、どのくらいの時間が必要ですか?
2〜3時間あれば、上の階の印象派の展示室と、下の階の自然史展示「ウェールズの進化」をひととおり見られます。常設展は入館無料なので、短い見学を2回に分けるのもよいでしょう。
カーディフ国立博物館は月曜も開いていますか?
いいえ、現在は月曜が休館日です。開館日は火曜〜日曜で、時間は午前10時〜午後5時です。祝日の前後は時間が変わることがあるので、出かける前にアムゲズヴァ・カムリの公式サイトで確認してください。
最寄りの鉄道駅はどこですか?
いちばん近いのはキャセイズ駅です。カーディフ・クイーン・ストリート駅からは徒歩約10〜15分、カーディフ・セントラル駅からは徒歩約20分です。
コレクションの見どころは何ですか?
デイヴィス姉妹が遺した絵画で、ルノワールの『パリジェンヌ』、モネの『睡蓮』、ゴッホの『オーヴェールの雨』などがあります。下の階には恐竜やマンモスの展示のほか、1988年にハーレックの浜辺で見つかった巨大なオサガメもあります。
周辺にはほかに何がありますか?
隣には市庁舎とゴーセッド庭園があり、その裏手のアレクサンドラ庭園にはウェールズ国立戦争記念碑が立っています。南へ少し歩けば、カーディフ城とビュート・パークです。
カーディフ旅行の準備
上記リンクの一部はアフィリエイトリンクです。このリンクから予約すると、追加料金なしでWander Atlasが少額の手数料を受け取ります。こうしてすべてのガイドを無料で提供しています。