街より古い森
クライストチャーチは湿地を埋め立ててできた街です。その湿地に本来生えていた森が、ここに残っています。場所はフェンダルトンの住宅街の奥です。カヒカテアが茂る氾濫原の森がひとまとまりで残っていて、同じタイプの森はカンタベリー平野でここが最後です。先住民ナイ・タフ族はこの森を「プータリンガモトゥ」と呼んできました。
森の隣には、ヴィクトリア朝様式の屋敷があります。ディーンズ兄弟が建てた小さな板張りのコテージも並んでいます。どちらも、1843年からこの地で農場を営んだスコットランド系入植者ゆかりの建物です。森と建物を合わせると、市内でも指折りの人気の歴史スポットです。入場は無料で自由に散策でき、中心部からも気軽に足を運べます。
カヒカテアの木陰へ
門をくぐって数歩進むだけで、頭上は木々の枝葉に覆われます。カヒカテアは、ニュージーランドの在来樹の中でいちばん背が高くなる木です。ここには数百年も生き続けている木もあります。灰色の幹はまっすぐ空へ伸び、根元には板のような根が張り出しています。
森の中は木道と砂利道で一周でき、のんびり歩いて20–30分ほどです。森の周りは、2004年に完成した捕食動物よけのフェンスで囲まれています。ネズミやオコジョ、ポッサムが入れないので、郊外のほかの緑地より鳥たちが暮らしやすい環境です。耳を澄ませて、こんな鳥の声を探してみてください。
- コリマコ(ベルバード):水が流れるような、鈴を鳴らすような声で鳴きます
- ピーワカワカ(ファンテイル):歩く人の後をついてきて、足音に驚いて飛び出した虫を捕まえます
- ケレルー(ニュージーランドバト):頭上で重たい羽音を響かせて飛びます
歩くときは木道から外れないようにしましょう。木々の下の地面はやわらかく、若木の芽があちこちに出ています。こうした下草や若木を守ることこそ、フェンスが設けられた目的です。
ディーンズ家の屋敷と1843年のコテージ
入植者の歴史を伝える建物が2棟あります。1843年に建てられたディーンズ・コテージは、カンタベリー平野に残る建物の中でいちばん古いものです。木造の質素な建物で、中をのぞくと、初期の入植者がどれほど狭い家で暮らしていたかがわかります。
リッカートン・ハウスは、1856年から1900年にかけて少しずつ増築されました。最初は農家でしたが、やがて堂々とした2階建ての屋敷になりました。ベランダの前には芝生が広がり、エイボン川(オータカロ)まで続いています。ディーンズ家が森の伐採を許さなかったからこそ、この森は今も残っています。
屋敷の内部はガイドツアーで見学でき、結婚式やイベントの会場としても使われています。ツアーに合わせて予定を立てるなら、事前にリッカートン・ブッシュ・トラストのウェブサイトで最新の時間を確認してください。
土曜マーケットの賑わい
土曜の朝になると、芝生はリッカートン・ファーマーズマーケットの屋台でいっぱいになります。地元の農産物やコーヒー、焼き菓子、温かい朝ごはんが並びます。毎週ここへ来るのを楽しみにしているクライストチャーチの家族連れも多くいます。平日の静かな森とは、まったく違う雰囲気です。
混雑の度合いは、このマーケットでほぼ決まります。リッカートン・ハウス&ブッシュがいちばん混むのは週末の8amから2pmまでで、駐車場もこの時間帯がもっとも埋まりやすくなります。マーケットが目当てなら、ぜひこの時間に来てください。鳥の声や木道をゆっくり楽しみたいなら、この時間帯は避けるのがおすすめです。
カフ・ロードへのアクセス
入口は、フェンダルトンのカフ・ロードにあります。交通量の多いリッカートン・ロードから少し北に入った場所です。市の中心部からは西へ約3kmで、車なら10分ほどです。ハグレー公園を抜けて自転車で行くこともでき、平坦な道なので楽に走れます。
カフ・ロード沿いに専用の駐車場があります。ただ、土曜の朝はすぐに満車になり、あふれた車が周りの住宅街の路上に停められます。リッカートン・ロードには市内バスが何路線か走っています。メトロの乗換案内で最新の運行状況を確認し、最寄りのバス停から北へ数分歩いてください。
現在の開園時間は毎日6am–7pmです。季節によって変わることがあるので、公式サイトで確認しておきましょう。冬の夕方に訪れる場合は特に注意してください。
トラストのお願いを守って森を歩く
この森は保護区で、遊び場ではありません。いくつかのマナーを守れば、ボランティアの方々や常連の利用者とも気持ちよく過ごせます。
- 犬は森には連れて行かないでください。 捕食動物よけのフェンスの内側には、犬は入れません。芝生のエリアでの決まりは、現地の案内表示で確認してください。
- 門は通ったら必ず閉めましょう。 フェンスは二重の門が閉まっていてこそ役に立ちます。1つ目の門が閉まってから、次の門を開けてください。
- 採らない、餌をあげない。 若木の芽やキノコ、落ちた果実には手を触れないでください。川辺のカモに餌をあげるのも禁止です。
- マーケットでは現金とカードの両方を用意しましょう。 カードが使える屋台は多いものの、小規模な生産者は現金を好むこともあります。
バードウォッチングが目的なら、6amの開園直後の早朝がおすすめです。鳥がいちばん活発な時間帯で、週末のマーケットの人出よりも先に森を歩けます。
クライストチャーチ西部とあわせて巡る
リッカートンからは、市内のほかの緑地にも気軽に足を延ばせます。組み合わせにおすすめなのはこちらです。
- ハグレー公園とクライストチャーチ植物園:東へ少し移動するだけで行けます。1日たっぷり、木々と芝生の中で過ごせます
- モナ・ベール:同じフェンダルトンにある、エイボン川沿いの屋敷と庭園です
- ウェストフィールド・リッカートン:リッカートン・ロード沿いのショッピングセンターです。散策のあとの昼食や買い物に便利です
森の周回路を歩き、コテージを見て、屋敷を外から眺めるなら、1時間ほど見ておきましょう。屋敷のツアーに参加したり、土曜のマーケットをゆっくり楽しんだりする場合は、もう少し時間に余裕を持たせてください。
よくある質問
リッカートン・ハウス&ブッシュが空いているのはいつですか?
いちばん混むのは週末の8amから2pmまでです。この時間は土曜のファーマーズマーケットで敷地が人でいっぱいになります。混雑を避けたいなら、この時間帯を外しましょう。静かに散策するなら、週末の2pm以降の午後か、平日がおすすめです。
クライストチャーチ中心部からはどうやって行けばよいですか?
場所は市の中心部から西へ約3km、フェンダルトンのカフ・ロード16番地(16 Kahu Road)です。車なら10分ほどで、ハグレー公園を抜けて自転車で行くのも楽です。カフ・ロード沿いに専用の駐車場があります。近くのリッカートン・ロードにはバスも走っているので、メトロの乗換案内で路線を確認してください。
所要時間はどのくらいですか?
森の木道を一周するだけなら20–30分ほどです。ディーンズ・コテージや屋敷の敷地も見て回るなら、1時間ほど見ておきましょう。屋敷のガイドツアーに参加したり、土曜のマーケットに寄ったりする場合は、さらに時間がかかります。
犬を連れて行ってもよいですか?
森を囲む捕食動物よけのフェンスの内側には、犬は入れません。芝生のエリアでの決まりは、入口の案内表示で確認してください。
リッカートン・ハウスの中には入れますか?
屋敷の内部はガイドツアーで見学でき、イベントの会場としても使われています。ツアーの時間は日によって変わるので、出かける前にリッカートン・ブッシュ・トラストのウェブサイトで確認してください。
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