三つの切妻屋根を持つ市庁舎
まずは階段状の切妻屋根を見上げてみてください。レーマーベルク広場に面した三つの屋根は、もともと別々の中世の家屋のものです。左からアルト・リンプルク、中央のツム・レーマー、そしてレーヴェンシュタインと並んでいます。フランクフルトの市参事会が「ツム・レーマー」を買い取ったのは1405年のことで、以来、市政はずっとここで行われてきました。
何世紀もかけて隣家を取り込んできたため、目の前の建物は実際には9棟の集合体なのです。
赤い砂岩のファサードには皇帝たちの像がはめ込まれ、正面扉の上にはバルコニーがあります。アイントラハト・フランクフルトやサッカードイツ代表が、眼下の広場を埋め尽くしたファンの前に姿を見せるのが、このバルコニーです。建物の大部分は1944年の空襲で失われました。現在の姿は戦後に丁寧に再建されたもので、今も市の行政の中枢として使われています。
2階のカイザーザール(皇帝の間)
内部に入るなら、お目当てはカイザーザール(皇帝の間)です。神聖ローマ皇帝はフランクフルトで選出され、のちには戴冠式もこの街で行われるようになりました。戴冠を終えた皇帝たちが祝宴を開いたのが、この広間です。
壁にはカール大帝からフランツ2世まで、皇帝52人の肖像画がずらりと並んでいます。いずれも19世紀に同じ形式で描かれたものです。広間を端から端まで歩くだけで、ヨーロッパの権力の千年史を手早くたどることができます。
広間は現在も公式のレセプションに使われているため、行事の際は閉鎖されます。見学者は通常、建物の脇を通る路地リンプルガーガッセ(Limpurgergasse)から入ります。予定を立てる前に、最新の見学時間や入場料の有無をフランクフルト市のウェブサイトで確認しておきましょう。
周囲のレーマーベルク広場を読み解く
レーマーの魅力は、周りの広場と合わせて眺めてこそ分かります。市庁舎を背にして立つと、次のものが見えてきます。
- 正義の噴水(Gerechtigkeitsbrunnen):天秤を手にした女神ユスティティアの像があります。この像は目隠しをしていません。
- オストツァイレ(Ostzeile):広場の東側に並ぶ6軒の木組みの家です。1980年代に古い図面や写真をもとに再建されました。
- 旧ニコライ教会(Alte Nikolaikirche):南側に建つ、赤い砂岩造りの小さなゴシック様式の教会です。
- フランクフルト歴史博物館(Historisches Museum Frankfurt):川に向かう角にあります。
館内に戸籍役場があるため、レーマーの階段では結婚式の一行をよく見かけます。11月下旬からは、ドイツ最古級のクリスマスマーケットのひとつであるフランクフルト・クリスマスマーケットの屋台が広場を埋め尽くします。
レーマーベルクの混雑を避けるには
ここはフランクフルト屈指の有名スポットで、ガイドツアーもこぞって訪れるため、時間帯選びが大切です。平日なら朝7時〜8時がもっとも落ち着いています。この時間は低い光がファサードを照らし、ツアー客を画面に入れずに切妻屋根を撮影できます。
週末は11時以降の到着はなるべく避けましょう。11時〜23時は大道芸人やツアー客でにぎわい、カフェのテーブルが石畳にまで広がって、広場はもっとも混み合います。静かに見学したいなら、週末も朝7時からの時間帯が狙い目です。
実用的なポイントをいくつか挙げておきます。
- 結婚式には配慮を。 新郎新婦が階段での写真撮影に出てきたら、脇に避けてあげましょう。地元の人にとってはごく当たり前のマナーです。
- 広場周辺のカフェでの支払い:代金を渡すときに、チップを含めた合計額を伝えます。端数を切り上げるか、1割ほど上乗せするのが一般的です。今はカードも広く使えますが、小さな店では現金が好まれることもあります。
- 地元流にアップルワインを注文しましょう。 フランクフルト名物の酸味のきいたリンゴ酒は、*エッペルヴォイ(Äppelwoi)またはエッベルヴォイ(Ebbelwoi)*と頼みます。*ゲリプテ(Gerippte)*と呼ばれる、表面に格子模様の入ったグラスで出てきます。
- 試合のある日は要注意。 アイントラハトが大きなタイトルを獲ると、バルコニーでの祝賀に集まった人で広場はぎっしり埋まります。出かける前にニュースを確認しておきましょう。
ドーム/レーマー駅への行き方
U4またはU5に乗り、ドーム/レーマー(Dom/Römer)駅で降ります。駅を出るとすぐ旧市街で、レーマーまでは徒歩2分です。
フランクフルト中央駅(Frankfurt Hauptbahnhof)からは、U4で数駅です。歩く場合は、カイザー通り(Kaiserstraße)を東へ進み、パウルス教会の横の路地を抜けて約20分です。広場の北側にあるレーマー/パウルス教会(Römer/Paulskirche)停留所にはトラムも停まります。
ファサードと広場の見学には20〜30分を見ておきましょう。カイザーザールが開いていれば、さらに30分ほど加えてください。
次に足を向けたい場所
フランクフルトの主要な見どころのいくつかは、ここから歩いてわずか数分です。
- パウルス教会(Paulskirche):すぐ北にあります。1848年、ドイツ初の自由選挙による議会がここで開かれました。
- 新旧市街(Neue Altstadt):市庁舎と大聖堂のあいだに再建され、2018年にオープンしたドーム・レーマー地区です。かつての戴冠の道「クレーヌングスヴェーク(Krönungsweg)」をたどって歩いてみてください。
- カイザードーム(聖バルトロメウス大聖堂、Kaiserdom St. Bartholomäus):皇帝たちが戴冠した大聖堂です。クレーヌングスヴェークはこの塔で終わります。
- アイゼルナー・シュテーク(Eiserner Steg):広場の南、マイン川に架かる鉄製の歩行者橋です。渡った先にはザクセンハウゼンのアップルワイン酒場が並び、川岸からは対岸の高層ビル群を振り返って眺められます。
おすすめの周遊ルートは、レーマーから新旧市街と大聖堂を巡り、川へ下ってアイゼルナー・シュテークを渡るコースです。銀行の高層ビルが建ち並ぶ前のフランクフルトを、約2時間で一巡りできます。
よくある質問
レーマーがいちばん空いているのは何時ごろですか?
平日は朝7時〜8時がもっとも静かです。週末は11時〜23時にもっとも混み合うので、人混みを避けたいなら朝7時からの早い時間に訪れましょう。
公共交通機関でレーマーへはどう行けばよいですか?
U4またはU5でドーム/レーマー(Dom/Römer)駅まで行けば、レーマーベルク23番地(Römerberg 23)まで徒歩2分です。フランクフルト中央駅(Frankfurt Hauptbahnhof)からはU4で乗り換えなしで行けます。
レーマーの内部は見学できますか?
はい。皇帝52人の肖像画が並ぶカイザーザール(皇帝の間)は、通常は一般公開されています。入口はリンプルガーガッセ(Limpurgergasse)側にあります。公式行事の際は閉鎖されるため、最新の見学時間はフランクフルト市のウェブサイトで確認してください。
見学にはどのくらいの時間を見ておけばよいですか?
ファサードとレーマーベルク広場だけなら20〜30分、カイザーザールも見学するなら1時間ほどが目安です。新旧市街(ノイエ・アルトシュタット)と大聖堂も合わせれば、2時間ほどの散策になります。
レーマーの周辺には何がありますか?
パウルス教会、新旧市街(ドーム・レーマー地区)、カイザードーム(聖バルトロメウス大聖堂)、歴史博物館、そしてマイン川に架かる歩行者橋アイゼルナー・シュテークが、いずれも徒歩数分の距離にあります。
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