背後に大聖堂の尖塔、正面に劇場の列柱
大聖堂に背を向けて立ってみてください。黄色いタイルで覆われたグアダラハラ大聖堂(Catedral de Guadalajara)の双塔が背後にそびえ、目の前には淡い色の石を敷きつめた細長い広場が東へ延びています。その突き当たりで視界を締めくくるのが、デゴリャード劇場(Teatro Degollado)のコリント式の柱廊玄関です。まるで舞台装置のような眺めです。
ここがリベラシオン広場です。広場の両側に杯の形をした噴水が一つずつあることから、地元の人の多くは「二つの杯の広場(Plaza de las Dos Copas)」とも呼んでいます。平坦で広々とした広場で、植え込みも低いものしかありません。この開放感こそが訪れる理由です。広場を囲む建物を、どれも余すところなく眺められます。
チケットは不要で、昼も夜も開放されています。セントロを観光していれば、どこかで必ず通りかかる場所です。そのときは、ぜひ足を緩めてみてください。
二つの杯と断ち切られた鎖
広場の名にある「リベラシオン(解放)」は、ミゲル・イダルゴにちなんだものです。広場には彼の像が立っています。独立戦争が始まって間もない1810年12月、イダルゴはここグアダラハラで奴隷制廃止令を発布しました。広場はこの出来事を記念しており、イダルゴ像が大聖堂ではなく石畳の広場のほうを向いているのもそのためです。
広場そのものは、周囲の建物よりも新しく造られました。歴史地区の中心部を開けた空間にするため、20世紀半ばに街区を取り壊して整備されたものです。現在大聖堂を囲んでいる十字形に並ぶ広場の一角として計画されました。それまでは、劇場と大聖堂の間に見通しのきく軸線はありませんでした。
十字形の広場をめぐる
大聖堂の四方には広場が一つずつあり、全体で十字形を描いています。リベラシオン広場はその東側の一角です。のんびり歩いても、ひと回り20分ほどです。
- アルマス広場(Plaza de Armas)(大聖堂の南側):木陰に鍛鉄製の音楽堂が建っています。
- グアダラハラ広場(Plaza Guadalajara)(西側、大聖堂の正面扉の前):大聖堂の正面を撮る定番の撮影スポットです。
- ハリスコ偉人廟(Rotonda de los Jaliscienses Ilustres)(北側):円形に並ぶ列柱の周りに、ハリスコ州ゆかりの偉人たちの像が立っています。
- リベラシオン広場(東側):大聖堂とデゴリャード劇場に挟まれた、いちばん広い空間です。
劇場の先へ進むと、タパティア広場(Plaza Tapatía)に出ます。長く続く歩行者専用のプロムナードで、その終点がオスピシオ・カバーニャス(Hospicio Cabañas)です。かつての孤児院で、ユネスコの世界遺産に登録されており、ドームにはホセ・クレメンテ・オロスコのフレスコ画が描かれています。旧市街を見て回るなら、この道を一方向に歩き通すのがいちばん自然な順路です。
扉の向こうにオロスコのイダルゴ
広場の南側に面して建つのが、ハリスコ州の州政府庁舎(Palacio de Gobierno)です。中に入らずに広場を通り過ぎてしまう人も多いのですが、それはもったいないことです。正面階段の上には、オロスコが描いたイダルゴの壁画があります。闘争の場面の上で松明を高く掲げる司祭の姿を描いた、巨大な作品です。
外でイダルゴ像を見たすぐ後にこの壁画を目にすると、広場の名の由来がすっと腑に落ちます。現役の行政庁舎なので、見学できる時間は入口で確かめてください。広場を挟んだ北側には、州議会が置かれている州議会議事堂(Palacio Legislativo)があります。
デゴリャード劇場を間近で
この劇場は、広場の端から写真を一枚撮るだけで済ませるには惜しい建物です。柱廊玄関のすぐそばまで歩いていきましょう。破風を見上げると、アポロンと九柱のミューズを彫った浮き彫りが見つかります。劇場の開館は1866年で、内部は彩色された天井の下に金色のバルコニー席が馬蹄形に並んでいます。
グアダラハラ大学民族舞踊団(Ballet Folclórico de la Universidad de Guadalajara)は、長年この劇場で公演を行ってきました。日曜の朝の公演は恒例となっています。ただし公演日程やチケットの販売方法は変わることがあるため、公演に合わせて予定を立てるなら、事前に劇場のチケット窓口か公式サイトで確認してください。
ペドロ・ロサ通りへのアクセス
広場の正式な住所はC. Pedro Loza 27A, Zona Centroです。実際には、大聖堂側かイダルゴ通り(Avenida Hidalgo)沿いから入ることになります。おすすめの行き方は次のとおりです。
- ライトレール3号線・カテドラル駅(Catedral):最寄り駅です。大聖堂の脇を通ればすぐに着きます。
- ライトレール2号線・プラサ・ウニベルシダード駅(Plaza Universidad):南西に数ブロック離れています。フアレス通り(Avenida Juárez)方面から来るなら便利です。
- 配車サービスまたはタクシー:行き先は「デゴリャード劇場」か「カテドラル」と伝えましょう。どちらもドライバーなら誰でも知っています。
セントロに車で乗り入れると一方通行の道が多く、路上駐車できる場所も限られています。大聖堂周辺の街区にある有料駐車場を使うほうが楽です。広場は全面的に歩行者専用です。
ベンチと物売り、夕暮れの散歩
この広場は、腰を下ろしてしばらく過ごす場所として楽しむのがいちばんです。次のことを心がけると快適に過ごせます。
- 小銭を用意しておきましょう。広場の周りでアイスキャンディーやカットフルーツ、風船、軽食を売る物売りは、ほとんどカードが使えません。靴磨きも営業していて、支払いは硬貨や少額紙幣です。
- デモに出くわすこともあります。州政府庁舎があるため、その前にはデモ行進や座り込みの人々がよく集まります。たいていは平和的なものです。距離を取り、参加者の許可なく近くから写真を撮るのは控えましょう。
- 大聖堂側では声を落としましょう。大聖堂の裏手も、教会であることに変わりはありません。中に入るなら帽子を取り、話し声も小さくしてください。
- 噴水は写真を撮るためのもので、水遊び場ではありません。子どもが手を浸す程度ならよく見かけますが、杯の中に入り込むと、セントロを巡回している警察官に目をつけられます。
市内でも指折りの人気スポットなので、静けさは期待できません。いちばんゆったり楽しむなら、ツアー客の団体が十字形の広場を回り始める前の、平日の早い時間に訪れましょう。ライトアップされた建物の正面が主役になる夕暮れどきもおすすめです。
昼の広場、夜の広場
遮るもののない石畳に、真昼の日差しが容赦なく照りつけます。並木のある隣のアルマス広場に比べると、ここには日陰がほとんどありません。日中に訪れたら、ここでは手早く写真を撮るだけにして、木陰へ避難しましょう。
いちばんよいのは夕方です。西から差し込む低い光が劇場の列柱を正面から照らし、大聖堂の尖塔が東の空にくっきりと浮かび上がります。日が暮れると、大聖堂と州政府庁舎、デゴリャード劇場がライトアップされます。広場は24時間開放されていますが、夜遅くは大聖堂とタパティア広場を結ぶ明るい中央の通りから外れないようにしましょう。脇道をぶらぶら歩いて帰るより、配車サービスを使うのが安心です。
よくある質問
リベラシオン広場へは公共交通機関でどう行けばよいですか?
ライトレール3号線に乗り、カテドラル駅(Catedral)で降りてください。広場にいちばん近い駅で、大聖堂の脇を通ればすぐに着きます。2号線のプラサ・ウニベルシダード駅(Plaza Universidad)も利用できます。フアレス通り(Avenida Juárez)沿いにあり、広場からは南西に数ブロックの距離です。
リベラシオン広場には夜も入れますか?
はい、入れます。公共の広場なので、毎日24時間開放されています。日が暮れると、大聖堂と州政府庁舎、デゴリャード劇場がライトアップされます。夜遅い時間は明るい中央の通りから外れないようにして、帰りには配車サービスを使いましょう。
滞在時間はどのくらいみておけばよいですか?
広場とイダルゴ像、噴水を見るだけなら30〜60分ほどです。州政府庁舎のオロスコの壁画を見学し、タパティア広場を歩いてオスピシオ・カバーニャスまで足をのばすと、すぐに半日ほどかかります。
おすすめの時間帯はいつですか?
傾いた日差しがデゴリャード劇場の列柱を照らす夕方か、建物の正面がライトアップされる日没後がおすすめです。広場には日陰がほとんどないため、日中は暑くなります。平日の朝早くに行けば、たいていツアー客の団体より先に回れます。
リベラシオン広場の周辺には何がありますか?
西にグアダラハラ大聖堂(Catedral de Guadalajara)、東にデゴリャード劇場、南にオロスコの壁画がある州政府庁舎、北に州議会議事堂(Palacio Legislativo)が建っています。アルマス広場(Plaza de Armas)やハリスコ偉人廟(Rotonda de los Jaliscienses Ilustres)も目と鼻の先です。タパティア広場(Plaza Tapatía)をたどっていけば、オスピシオ・カバーニャスに着きます。
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