6日間、ひとつの建物に世界中から中国向けの商品が集まります
輸入博は、ふつうの見本市とは発想が逆です。大規模な博覧会の多くは、自国の製品を海外に売り込むための場です。それに対して輸入博では、海外の企業が上海に集まり、中国市場への販路を探ります。主催は商務部と上海市人民政府で、世界との貿易と協力を重んじる姿勢を国内外に示す場にもなっています。
第9回の会期は 2026年11月5日から10日まで です。2018年の第1回から毎回そうであるように、今回も上海の西の外れにある国家会展センターが会場になります。何かを予約する前に、開催時間や入場ルール、日程変更の有無を公式サイトで確かめておきましょう。
四つ葉のクローバー形の会場
会場の造りは、空から見るといちばんよくわかります。国家会展センターは四つ葉のクローバーをかたどった建物です。中央の広場から巨大な展示棟が4方向に広がっており、単体の建物としては世界最大級の展示施設に数えられます。
この配置が、1日の動き方を大きく左右します。展示ホール同士は長い屋内通路でつながっていて、ひとつの「葉」から反対側の「葉」まで歩くとかなりの時間がかかります。目についたところから見て回るのではなく、ホール番号をもとにルートを組み立てましょう。
展示は通常、大きく2つに分かれています。
- 国家展:各国の政府がパビリオンを構え、自国の経済や文化、主力産業を紹介します。
- 企業展:企業のブースが分野別に並びます。最近の回では、食品・農産物、自動車、技術装備、消費財、医療機器・ヘルスケア、サービス貿易といった分野がそろいました。
展示と並行して 虹橋国際経済フォーラム も開かれます。政策に関するスピーチやパネルディスカッションは、こちらで行われます。
地下鉄2号線で青浦へ
アクセスの主役は上海地下鉄2号線です。国家会展中心駅 で降りてください。案内によっては旧称の徐涇東駅と表示されていることもあります。出口を出れば、会場はほぼ目の前です。
会場が虹橋の交通ハブのすぐ隣にあるのは大きな利点です。虹橋駅と虹橋空港第2ターミナルは、どちらも2号線で数駅東にあります。北京や杭州、南京から高速鉄道で来れば、市内を横断しなくても会場に着けます。
浦東空港から向かう場合は、上海を端から端まで横切ることになるので、移動時間がずっと長くなります。2号線一本で行けますが、1時間を優に超えると考えておきましょう。タクシーや配車アプリも使えます。ただし、会期中は会場周辺で交通規制や乗降制限がかかることが多いため、時間が読みやすいのはたいてい地下鉄のほうです。
登録と入場証、ここでいう「チケット」とは
当日ふらりと訪れて入口でチケットを買う、ということはできません。輸入博は事前の 実名登録 制です。出展者もプロのバイヤーも、報道関係者も一般の来場者も、それぞれ公式の窓口から入場証を申請します。
準備しておくものは次のとおりです。
- パスポート:入場時には入場証と身分証を照合します。そのため、登録する氏名は身分証の記載と完全に一致させてください。
- 所属企業の情報:専門来場者やバイヤーとして登録する場合に必要です。
- 最近撮影した顔写真:登録システムが指定する形式で用意します。
一般公開日があるかどうか、また誰が対象になるかは、回によって異なってきました。古い記事を当てにせず、公式サイトで最新の来場者区分を確認しましょう。入口のセキュリティチェックは空港とほぼ同じで、手荷物検査と入場証の確認があります。朝はその分の時間に余裕をもたせておいてください。
1日を無駄にしない会場の回り方
輸入博を上手に活用する人は、会場を散策するのではなく、商談を次々とこなす場として使っています。成果を最大限に引き出すコツをまとめました。
- 商談は到着前に予約しておきましょう。 出展者のスケジュールは早くから埋まります。公式のマッチングツールを使うか、ブースに直接メールで連絡し、商談ごとにホール番号とブース番号を控えておきます。
- 名刺はたっぷり持参しましょう。 裏面に中国語を刷っておくのが理想です。名刺はやはり両手で渡すのが礼儀で、思っている以上の枚数を使います。
- モバイル決済を設定しておきましょう。 会場内の飲食店も、上海の大半のお店も、アリペイ(Alipay)とウィーチャットペイ(WeChat Pay)が主流です。どちらのアプリも現在は外国人旅行者が海外発行のカードを登録できます。出発前に済ませておけば、最初に入ったカフェのレジで慌てずに済みます。
- オフラインでも使える翻訳アプリを入れておきましょう。 ブースのスタッフは英語を話せる人が多いものの、取引先や仕入れ先もそうとは限りません。
- 「葉」ごとに1日の予定を組みましょう。 午前中にクローバーの一翼を回ったら、昼食後は別の一翼へ移ります。棟と棟を行ったり来たりすると時間を無駄にします。
開場の時間に合わせて着けば、午前中ごろに押し寄せる代表団の波よりも、たいていセキュリティチェックの列が短くて済みます。初日は公式の開幕式や要人の移動が中心になりがちなので、本格的なバイヤーは翌日以降に商談を入れることが多いようです。
虹橋での一週間:宿と食事、そして街歩き
ホテル不足の原因は立地にあります。誰もが国家会展センターの近くに泊まりたがるため、虹橋のビジネス街周辺のホテルは11月上旬になるとすぐに埋まってしまいます。予定が決まったら、できるだけ早く予約しましょう。
虹橋で空きがなければ、2号線の沿線ならどこに泊まっても大丈夫です。静安や人民広場からは、乗り換えなしで西へ向かえば会場に着きます。南京東路のあたりに泊まれば夜は 外灘(バンド) にすぐ出られますが、その分通勤時間は長くなります。
展示が終わったあとに気軽に立ち寄れるスポットも紹介します。
- 朱家角:運河の流れる水郷の町で、こちらも青浦区にあります。会期の前後に半日かけて訪れるのにおすすめです。
- 外灘と陸家嘴:2号線の東側にあり、黄浦江越しに高層ビル群の夜景を楽しめます。
- 豫園 とその周辺に広がる旧市街の路地:外灘からすぐの距離です。
11月上旬の上海はおおむね穏やかで、涼しい日が続きます。夏の厳しい蒸し暑さもすっかり和らぎ、街歩きにはうってつけの季節です。ただ、暖房の効いたホールと肌寒い夜の屋外を行き来することになるので、羽織るものを一枚持っていきましょう。
よくある質問
2026年の輸入博はいつ開催されますか?
第9回中国国際輸入博覧会の会期は、2026年11月5日から10日までです。どの日にどの来場者区分が入場できるかも含め、詳しい日程は公式サイトでご確認ください。
会場はどこにあり、どう行けばよいですか?
会場は上海市青浦区の国家会展センター(NECC)です。地下鉄2号線に乗り、国家会展中心駅(旧称・徐涇東駅)で降ります。虹橋駅と虹橋空港第2ターミナルは、同じ路線の数駅東にあります。
会場の入口でチケットを買えますか?
買えません。輸入博では公式の窓口を通じた事前の実名登録が必要で、登録内容はパスポートの記載と一致していなければなりません。最新の来場者区分と要件は公式サイトでご確認ください。
見学にはどのくらいの日数をみておけばよいですか?
四つ葉のクローバー形の会場は非常に広いため、本格的なバイヤーは2~3日かけることが多いようです。1日しかない場合は、展示エリアを1つか2つに絞りましょう。商談も事前に予約しておけば、会場内で迷わずに済みます。
会場の近くにほかの見どころはありますか?
同じ青浦区にある水郷の朱家角は、半日の観光にぴったりです。外灘(バンド)、陸家嘴、豫園へは、地下鉄2号線の東の端のほうから足を延ばせます。
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