細長く入り組んだ入り江、コックルベイ(Cockle Bay)。その水面を馬蹄形に囲むように遊歩道が延びているのがダーリングハーバーです。北端では、石造りの橋脚に支えられたリベット留めの鉄橋が入り江をまたいでいます。片側にはCBDのガラス張りの高層ビル群が並びます。対岸はピアモント(Pyrmont)地区です。
係留された軍艦の列の上に、オーストラリア国立海洋博物館の白い屋根が大きな弧を描いています。ひと回りするだけなら1時間もかかりませんが、たいていの人はもっと長い時間をここで過ごします。
貨物ヤードからウォーターフロントへ
20世紀のほとんどの期間、ここはのんびり散歩するような場所ではありませんでした。港湾として稼働し、鉄道の貨物ヤードが置かれていたのです。1988年のオーストラリア建国200年祭に合わせて一般向けの地区へと再開発されました。いま歩ける石畳の遊歩道や芝生、噴水は、そのとき整備されたものです。
南端は、国際会議場(ICC Sydney)の建設に伴って再び造り替えられました。歴史ある港の面影と、現代的なイベント街の顔をあわせ持っているのはそのためです。市内でも特にレビュー数の多いスポットのひとつで、一年を通じて大規模なイベントが開かれています。
水辺をめぐる見どころ
主な見どころはすぐ近くに集まっているので、歩いて順にめぐれます。
- ピアモント橋(Pyrmont Bridge):1902年に開通した旋回橋で、現在は歩行者と自転車だけが通れます。背の高いマストの船が通るときには、今も中央部分が回転して開きます。
- シーライフ・シドニー水族館(SEA LIFE Sydney Aquarium)とワイルドライフ・シドニー動物園(WILD LIFE Sydney Zoo):東側(市街地側)の岸に隣り合って建っています。動物園は屋内のこぢんまりした施設で、CBDを離れずにコアラやカンガルーに会えます。
- オーストラリア国立海洋博物館(Australian National Maritime Museum):ピアモント側の岸にあります。屋外には駆逐艦「ヴァンパイア」(HMAS Vampire)や潜水艦「オンスロー」(HMAS Onslow)などの艦艇が展示されています。
- 中国友誼庭園(Chinese Garden of Friendship):南端にある庭園です。1988年に、シドニーの姉妹州である広東省から贈られました。高い塀の内側には、東屋や築山、鯉の泳ぐ池が配されています。
- ダーリング・クオーター(Darling Quarter)とタンバロン・パーク(Tumbalong Park):芝生や水遊び場に加え、市内でも有数の広さを誇る無料の遊び場があります。午後いっぱいをここで過ごす家族連れも少なくありません。
駐車料金いらずのアクセス方法
車で行くのはいちばん快適でない方法です。徒歩か鉄道を使うのが手軽です。
- タウンホール駅(Town Hall Station)(シドニー・トレインズ)からは、ドゥルイット・ストリート(Druitt Street)かバサースト・ストリート(Bathurst Street)を西へ歩いて約10分です。
- L1ダルウィッチ・ヒル線(L1 Dulwich Hill)のライトレールなら、ピアモント・ベイ、コンベンション、エキシビション・センターの各停留所に停まります。いずれも西岸にあります。
- フェリーはバランガルー埠頭(Barangaroo Wharf)に着きます。ピアモント橋からは、港沿いに少し北へ歩いた場所です。
- サーキュラー・キー(Circular Quay)からなら、バランガルー保護区を抜けて水辺を歩いていけます。所要時間は約30分で、道中はほぼずっと海を眺められます。
どの交通手段でも、オパールカードかタッチ決済対応の銀行カードが使えます。乗り降りのたびに、忘れずにカードをタッチしてください。
日が暮れてからの楽しみ方
夕暮れを迎えると、ダーリングハーバーはがらりと表情を変えます。コックルベイ・ワーフ(Cockle Bay Wharf)やキング・ストリート・ワーフ(King Street Wharf)のレストランでは屋外テラスが客で埋まり、オフィスビルの明かりが水面に映り込みます。無料で景色を楽しむなら、地区内ではピアモント橋がいちばんです。
ここは、5月下旬から6月ごろに開かれる光の祭典、ビビッド・シドニーの主要会場のひとつでもあります。特定の夜には花火も打ち上げられます。開催日は変わるので、花火を目当てに夜の予定を組むなら、事前にダーリングハーバー公式のイベントカレンダーを確認しておきましょう。
地元の人のように水辺を楽しむコツ
地区の大部分は誰でも入れる公共スペースなので、チケットがなくても十分楽しめます。有料施設となると話は別です。シーライフ、ワイルドライフ・シドニー、マダム・タッソー(Madame Tussauds)は、それぞれの公式サイトでチケットをオンライン販売しています。セット券もそこに掲載されています。前もって予約しておけば、入口で列に並ばずに済みます。
覚えておくと役立つポイントをいくつか挙げます。
- どこでもカード払いが当たり前です。カフェやバー、チケット売り場のほぼすべてでタッチ決済が使えます。オーストラリアにはチップの習慣がありません。地元の人も、テーブルでの接客が特に良かったときに端数を切り上げたり、少し置いていったりする程度です。
- イベントのある夜は夕食を予約しましょう。ICC Sydneyで大きな公演がある日や花火の夜は、水辺のレストランが早い時間から埋まってしまいます。予約しておけば、空腹のまま遊歩道をさまよわずに済みます。
- 混雑は運ではなく時間帯で避けましょう。有料施設が混み合うのは、たいてい週末と学校の休暇期間です。開館と同時に着くようにすれば、家族連れや団体ツアーより先に入れることがほとんどです。
- カモメには要注意です。屋外のテーブルでは、ギンカモメがしつこく食べ物を狙ってきます。遊歩道で食事をするときは、フライドポテトやサンドイッチに覆いをかけておきましょう。
街歩きとの組み合わせ方
ダーリングハーバーは、シドニーの各エリアをつなぐ要のような位置にあります。北へ進めば、バランガルーを抜けてザ・ロックスやハーバーブリッジへと続きます。南端から数分歩けばチャイナタウンとヘイマーケットです。中国友誼庭園を見たあとに夕食をとるなら、まずここでしょう。
ピアモント橋を渡った先では、ピアモント地区の裏通りがシドニー・フィッシュマーケットへ向かって上っていきます。朝の散歩にちょうどよく、そのあと水辺へ戻ってくるのもおすすめです。
よくある質問
公共交通機関でダーリングハーバーへ行くにはどうすればよいですか?
タウンホール駅から徒歩約10分です。L1ダルウィッチ・ヒル線のライトレールなら、ピアモント・ベイ、コンベンション、エキシビション・センターの各停留所で降りられます。フェリーを使う場合はバランガルー埠頭で下船し、少し南へ歩けば到着します。運賃はオパールカード(Opal card)か、タッチ決済対応の銀行カードで支払えます。
ダーリングハーバーの滞在時間はどのくらいが目安ですか?
水辺をぐるりと歩いてピアモント橋を渡り、シーライフ・シドニー水族館や海洋博物館などを1か所見学するなら、半日が目安です。中国友誼庭園にも足を延ばし、夕食をとって夜景まで楽しむなら、丸1日かけるとよいでしょう。
ダーリングハーバーを訪れるのに最適な時期や時間帯はいつですか?
一帯がいちばん美しく見えるのは、コックルベイの向こうに明かりが灯り始める夕方から日暮れにかけてです。年間最大のイベントは、5月下旬から6月ごろに開かれるビビッド・シドニー(Vivid Sydney)です。花火の開催日は年によって変わるので、公式のイベントカレンダーで確認してください。
ダーリングハーバーは子ども連れでも楽しめますか?
はい、楽しめます。ダーリング・クオーターにはシドニー最大級の無料遊び場があります。タンバロン・パークには水遊びのできる広場と芝生が広がっています。東岸にはシーライフとワイルドライフ・シドニーが隣り合って建っています。
ダーリングハーバーの周辺には何がありますか?
すぐ南にはチャイナタウンとヘイマーケットがあり、北へ行くとバランガルーとザ・ロックスがあります。シドニー・フィッシュマーケットへは、ピアモント橋を渡ってピアモント地区を上っていけば歩いて行けます。
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