ライブデータで事実確認 · 2026年10月21日

穴場 ツカルトゥボ

サナトリウム・メタルルギスト:ツカルトゥボ旅行ガイド(4.5★)

このガイドの作り方

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サナトリウム・メタルルギスト(ツカルトゥボ、ジョージア)
Photo: Alexey Komarov / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

製鉄労働者のために建てられた宮殿

まず目に入るのは柱です。白っぽい柱がずらりと並んで正面を支える姿は、まるで官庁の建物のようです。ところが実際は、ソ連の冶金労働者のための施設でした。溶鉱炉での働きへのご褒美として、彼らはここに送られ、ツカルトゥボの鉱泉に浸かったのです。

いまでは漆喰がはがれ落ち、テラスを突き破って木々が伸びています。それでも建物の均整は損なわれておらず、そこにこそ訪れる価値があります。湿気にさらされながらも、壮麗な階段や背の高い窓、装飾の施された天井は残っています。前庭に立てば、ふつうは首都にしか見られないスターリン様式の新古典主義建築を、本来のスケールのまま味わえます。

ツカルトゥボに空っぽの宮殿が多いわけ

この町は、温かく微量の放射能を含むラドン炭酸泉を中心に発展しました。ソ連時代には連邦屈指の温泉保養地となり、モスクワからの直通列車が走りました。省庁や産業界が所有するサナトリウムも立ち並び、メタルルギストもそのひとつでした。

ソ連が崩壊すると、客足は途絶えます。1990年代初めには、アブハジアを追われた人々の住まいとして多くのサナトリウムが使われ、数十年にわたって暮らし続けた家族もいました。町のいくつかの建物にいまも一部人が住んでいるのは、こうした経緯があるからです。一方、メタルルギストをはじめとする建物の多くは、風雨にさらされるまま放置されました。

こうした歴史が重なり、ツカルトゥボはコーカサスでも指折りの不思議な小さな町になっています。保養公園はいまも手入れが行き届き、温泉に入ることもできます。ところが数本先の通りに入ると、屋根の抜けた宮殿が丸ごと建っているのです。

メタルルギストの内部

メタルルギストは、部屋をひとつずつ確認して回るより、ゆっくり歩いてこそ楽しめる場所です。見どころは次のとおりです。

  • 列柱と正面の階段。 近づきすぎると大きさが伝わらないので、前庭の向こう側から撮影しましょう。
  • 階段室と廊下。 割れた窓から差し込む光が長い廊下を照らし、漆喰の細工がいちばんよく見えるのがこのあたりです。
  • 大広間。 ぜひ上を見上げてください。残っている装飾の多くは天井にあり、その上をカビや苔がじわじわと覆いつつあります。
  • 敷地。 建物のまわりには草に埋もれた小道や古いテラスがめぐっています。石造りの部分の多くは、ツタや若木にすっかり覆われています。

案内板も立ち入り禁止のロープも解説もありません。それがこの場所の魅力であり、同時に危険でもあります。管理されずに朽ちていく建物の中にいるのですから、どの床も安全が確かめられていないものと考えてください。

廃墟をけがなく歩くために

メタルルギストは管理された観光施設ではありません。チケット売り場も決まった開館時間もなく、中に入れる保証もありません。売却されたりフェンスで囲われたりして、季節ごとに状況が変わることもあるため、出発前にクタイシや宿泊先のゲストハウスで確認しておきましょう。

中に入れた場合は、次の点を心がけてください。

  • 靴底のしっかりしたブーツを履く。 割れたガラスや外れたタイル、さびた鉄筋があちこちにあります。
  • 踏み出す前に確かめる。 見るからに頑丈な床だけを歩き、下の階の天井が崩れているような上層階には上がらないようにしましょう。
  • 懐中電灯を持参する。 建物の奥の部屋は、昼間でもすぐに暗くなります。
  • 明るいうちに、誰かと一緒に訪れる。 厚い壁の内側では、携帯電話の電波が届きにくいことがあります。

町の廃墟の中には、管理人や住人が敷地にいる場所もあります。入る前にひと声かけ、断られたら素直に従いましょう。洗濯物や住まいの窓にカメラを向けるのも控えてください。見張りの人に通してもらってお礼をしたいときは、少額のラリ紙幣を渡すのが一般的な心づけです。金額はお任せします。

ツカルトゥボへのアクセス

ツカルトゥボは、ジョージア第3の都市クタイシの北西およそ10キロに位置しています。クタイシ国際空港も近いので、ジョージア旅行の最初か最後に立ち寄るのも現実的です。

クタイシとツカルトゥボの間には、乗り合いミニバスのマルシュルートカが一日中運行しています。行き先はフロントガラスにジョージア文字で表示されているので、「წყალტუბო」の字の形を覚えておくか、運転手に直接尋ねましょう。クタイシからタクシーや配車アプリのBoltを使えば早く着き、複数のサナトリウムをまとめて巡るのも簡単です。

住所はプラスコードの8HGV+4FFです。「メタルルグ」の綴りは表記が一定しないため、このコードを地図アプリにそのまま貼り付けるのが、入口を見つけるいちばん確実な方法です。

温泉の町で一日を過ごす

わざわざ足を運ぶなら、建物ひとつだけではなかなか物足りないものです。メタルルギストと合わせて、次の場所を巡ってみてはいかがでしょうか。

  • ツカルトゥボ温泉保養公園。 町の浴場が集まる中心部の公園で、散策の出発点にうってつけです。
  • 第6浴場。 スターリンゆかりの浴場として広く知られ、町でも特に写真に撮られることの多い内装を誇ります。
  • ほかのサナトリウム。 徒歩やタクシーですぐの距離に、ソ連時代の廃墟がほかにもいくつかあります。朽ち方はそれぞれに異なります。
  • プロメテウス洞窟。 町のすぐ外にある、ライトアップされた大きな観光洞窟です。半日で一緒に回るのにちょうどよい組み合わせです。
  • サタプリア自然保護区。 クタイシへ戻る道中にあり、恐竜の足跡や洞窟、森の散策路が楽しめます。

自分でも温泉を体験したい方は、町で営業している温泉施設でラドン浴ができます。現在の施術内容や料金は、各施設に直接お問い合わせください。

光がきれいな時期と時間帯

過ごしやすいのは晩春と初秋です。ジョージア西部の夏は蒸し暑く、真夏には建物のまわりの草木が最も生い茂ります。冬は木々の葉が落ちて正面がよく見えるようになりますが、建物の中は寒く、じめじめしています。

内部の撮影には、窓から十分な光が入る午前の半ばから午後の半ばがいちばん向いています。見学を終えたら、夕方に保養公園を歩いて戻り、クタイシで夕食をとって一日を締めくくりましょう。クタイシまでは30分もかかりません。

よくある質問

クタイシからサナトリウム・メタルルギストへはどう行けばよいですか?

クタイシからツカルトゥボ行きのマルシュルートカ(乗り合いミニバス)に乗れば、約20分で着きます。タクシーや配車アプリのBoltを使う方法もあります。建物を探すときは、地図アプリにプラスコード8HGV+4FFを入力してください。

サナトリウム・メタルルギストの中には入れますか?

入れることが多いものの、必ず入れるとは限りません。公式の開館時間がない廃墟で、ツカルトゥボのサナトリウムは少しずつ売却され、フェンスで囲われつつあります。出発前に現地で確認し、中では床がしっかりしている場所だけを歩くようにしましょう。

見学にはどのくらいの時間が必要ですか?

正面、主な広間、敷地を見て回るなら1〜2時間で足ります。半日から1日あれば、温泉保養公園や第6浴場、ほかのサナトリウム、プロメテウス洞窟にも足を延ばせます。

見学しても安全ですか?

廃墟であることを忘れないでください。丈夫なブーツを履いて懐中電灯を持ち、明るいうちに同行者と一緒に訪れましょう。傷んだ上層階には上がらず、敷地に住んでいる人や見張りをしている人には敬意を払ってください。

サナトリウム・メタルルギストの近くには、ほかに何がありますか?

町なかにはツカルトゥボ温泉保養公園と第6浴場があります。町のすぐ外にはプロメテウス洞窟があり、クタイシへ戻る道中にはサタプリア自然保護区があります。

ツカルトゥボ旅行の準備

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