街全体を見渡せる丘
マウント・ビクトリアはマオリ語でマタイランギ(Matairangi)と呼ばれ、市街地から約196メートルの高さにそびえています。頂上に立つと、テーブルの上に置かれたウェリントンの模型を眺めているような気分になります。足もとの海沿いには中心街の高層ビルがひしめき合い、その脇にはオリエンタル・ベイの湾がゆるやかな弧を描いています。
反対側に目を向ければ、ロンゴタイの滑走路に飛行機が順番に並んでいます。距離がとても近いので、旋回してから着陸するまでの一部始終を目で追えるほどです。
山頂は舗装された展望スペースで、手すりや案内板、ベンチが備えられています。周囲はどの方向も芝生の斜面です。港の向こうにはマティウ/サムズ島、ミラマー半島、ハット・バレーが見え、よく晴れた日にはその奥にリムタカ山脈まで姿を見せます。
山頂の見どころ
展望台はこぢんまりとしていて、数分あればひと回りできます。次のポイントはぜひチェックしてください。
- バード記念碑:アメリカの極地探検家リチャード・E・バード提督をたたえる記念碑です。提督はこの一帯を経由して南極へ飛びました。
- 方位案内板:それぞれの方角に見える山や街、島の名前が記されています。
- 芝生の斜面:展望スペースの下に広がり、気軽なピクニックの場として親しまれています。
- 空港の眺め:南東の方角に広がり、これを目当てにやって来る飛行機ファンもいます。
景色を楽しむだけなら20〜40分が目安です。車ではなくタウンベルトの森を歩いて登る場合は、さらに1時間以上みておきましょう。
歩いてめぐるタウンベルト
マウント・ビクトリアの麓は松林に覆われていて、ウェリントンのタウンベルト(Town Belt)と呼ばれる緑地帯の一部になっています。マウント・ビクトリア地区やオリエンタル・ベイの外れから山頂までは、遊歩道が網の目のように延びています。上り坂はなだらかに続き、コートニー・プレイス(Courtenay Place)からだとたいていの人が30〜45分で登りきります。
この森は『ロード・オブ・ザ・リング』のファンにはおなじみの場所です。ピーター・ジャクソン監督はここでホビットたちが登場する序盤の場面を撮影しました。ホビットたちが道ばたに身を隠し、黒の乗手をやり過ごす場面もそのひとつです。道標のある遊歩道のいくつかは、撮影場所のすぐそばを通っています。道は踏み固められた土と松葉で覆われていて、雨のあとはぬかるみます。
アクセス
いちばん手軽なのは車ですが、気楽なドライブとはいきません。ルックアウト・ロードは細く急なカーブが続き、山頂の駐車場も狭いからです。歩行者や自転車も同じ道を使うので、駐車場へ入るときは十分に注意してください。
マウント・ビクトリア周辺にはメットリンク(Metlink)のバスが走っています。運行内容は変わることがあるので、出かける日にどの路線がいちばん近くまで行くか、メットリンクの乗換案内で確認しましょう。タクシーや配車サービスで山頂まで上がり、帰りは森を抜けてオリエンタル・ベイまで歩いて下りれば、半日でちょうどよく一周できます。
展望台は現在24時間開放とされています。ただし公共の保護区なので、出かける前にウェリントン市議会のお知らせで通行止めや工事の情報を確認しておきましょう。
週末の混雑を避けるには
ウェリントンでも指折りの有名な展望スポットなので、ツアーのワゴン車やクルーズ船の乗客も多く訪れます。もっとも落ち着いているのは午前7時〜8時、そして午後10時〜11時です。これは平日でも週末でも変わりません。問題は週末で、午前9時〜午後10時は展望スペースが常ににぎわい、駐車場もすぐに満車になります。
次のような工夫をすると快適に過ごせます。
- 午前7時に行く:手すりの前に人はおらず、街が目覚める前の港を低い光が照らしています。
- 午後10時以降に来る:中心街や空港の夜景を楽しめ、駐車場の車もまばらです。
- 天気予報にかかわらず上着を1枚持っていく:山頂にはウェリントン名物の強風が吹きつけ、海沿いより体感で数度は寒く感じます。
- 手すりの前では写真を撮る人に場所を譲る:ベストスポットは順番に使うのが暗黙の了解です。撮り終えたら一歩下がりましょう。
- ごみは持ち帰る:山頂にはごみ箱が少なく、突風でごみが茂みへ飛ばされてしまいます。
いちばん人気なのは夕暮れどきなので、その時間は混雑を覚悟しておきましょう。人混みを避けて美しい光を楽しみたいなら、朝の時間帯がおすすめです。東の丘の上に、夕暮れに近い色合いの空が広がります。
一日の予定に組み込むなら
展望台は市街地の散策コースにも無理なく組み込めます。森の遊歩道を下ってオリエンタル・ベイへ出れば、ビーチ沿いの遊歩道を歩き、そのまま海沿いを国立博物館テ・パパまで足を延ばせます。あるいはマウント・ビクトリア地区へ下り、木造のヴィラが並ぶ急な坂道を抜けて、コートニー・プレイスのバーやレストランへ向かうのもよいでしょう。
ウェリントンに数日滞在する予定なら、まずはここに登ってみてください。山頂で10分も過ごせば、港と丘と街並みの位置関係がひと目でつかめます。そのあとの街歩きでも、道に迷いにくくなるはずです。
よくある質問
マウント・ビクトリア展望台がいちばんすいているのは何時ごろですか?
平日も週末も、午前7時〜8時と午後10時〜11時がもっとも静かです。週末の午前9時〜午後10時は山頂も小さな駐車場もいちばん混み合うので、避けたほうが無難です。
車がなくても展望台へ行けますか?
オリエンタル・ベイかマウント・ビクトリア地区からタウンベルトの遊歩道を歩いて登れます。コートニー・プレイスからなら30〜45分ほどです。周辺へ向かうバスはメットリンクの乗換案内で調べられます。タクシーで山頂まで上がり、帰りだけ歩いて下りる方法もあります。
展望台ではどのくらい時間をみておけばよいですか?
景色とバード記念碑を見るだけなら20〜40分が目安です。森の中を歩いて往復するなら、1〜2時間を見込んでおきましょう。
夜に行く価値はありますか?
あります。展望台は現在24時間開放とされており、日が暮れると明かりのともった中心街や港、空港を一望できます。しかも午後10時〜11時は、一日のうちでもとりわけすいている時間帯です。
『ロード・オブ・ザ・リング』のロケ地はどこにありますか?
マウント・ビクトリアの麓に広がるタウンベルトの森の中です。ホビットたちが登場する序盤の場面がここで撮影されました。山頂へ向かう道標つきの遊歩道が、撮影場所のすぐ近くを通っています。
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