リバプールの博物館通りに建つヴィクトリア朝のファサード
まず目に入るのは、ずらりと並ぶ列柱です。ワールド・ミュージアムはヴィクトリア朝の古典様式の正面をウィリアム・ブラウン・ストリート(William Brown Street)に向けて建っています。この通りは、まるで市民の誇りを集めた屋外の大広間のようです。向かい側ではセント・ジョージズ・ホール(St George’s Hall)が空を覆うようにそびえています。
隣にはセントラル・ライブラリー(Central Library)とウォーカー・アート・ギャラリー(Walker Art Gallery)が並び、どの建物も重厚な石造りで統一されています。
博物館のはじまりは、1800年代半ばに第13代ダービー伯爵が市に遺贈した自然史コレクションです。1941年のリバプール大空襲で建物は大きな被害を受けました。今の館内では、昔ながらの石造りの外郭と明るく近代的なアトリウムが組み合わさっています。5つのフロアはエレベーターと階段でつながっています。
イングランド北部の博物館のなかでもレビュー数はトップクラスです。家族連れ、学校の団体、日帰りの旅行者などが次々に訪れます。静かに過ごせる一角はあまり期待できません。そのかわり、見どころがぎっしり詰まっています。
5つのフロアに広がる展示
フロアごとにテーマが異なります。建物を出ないまま、化石からエジプトの棺、さらには夜空へと気ままに巡れます。とくに人気のある展示室は次のとおりです。
- 古代エジプト:英国でも有数の規模を誇るエジプト・コレクションです。2017年に拡張された展示室で、ミイラや棺、副葬品を見られます。
- 自然史:動物の剥製や鉱物、恐竜の骨格を展示しています。その原点となったのがダービー伯爵の標本です。
- 水族館とバグ・ハウス:生きた魚や昆虫を観察できます。動くものを見たい小さな子どもたちに大人気です。
- 世界の文化:アフリカ、アジア、南北アメリカ、オセアニアの品々が集められ、日本の甲冑もあります。
- 宇宙と時間、プラネタリウム:天文学の展示のほか、決まった時間に上映があるドーム型シアターを備えています。
自然史の体験コーナーでは、子どもたちが標本に触れたり、顕微鏡をのぞいたりできます。スタッフがつくプログラムは時間割に沿って行われるので、入館したらモニターか受付で確認しておきましょう。
プラネタリウムのドームの下で
館内の大部分は無料で、好きな順番で見て回れます。ただしプラネタリウムは別です。上映時間が決まっていて座席数も限られているので、ふらりと立ち寄るのではなく、ここを軸に予定を立てるのがおすすめです。
到着したら、まずプラネタリウムのチケットを予約するか受け取ってください。チケット制の回かどうか、料金がかかるかどうかは、博物館のウェブサイトや受付で案内しています。上映時間が決まったら、それに合わせて残りの見学ルートを組み立てましょう。
上映内容は幅広い年代向けで、小さな子どもでも楽しめるものが多くあります。よちよち歩きの子どもと一緒なら、上映時間や内容を先にスタッフに聞いておくと安心です。暗いドームの中での20分あまりは、3歳児でも平気な子もいれば、そうでない子もいます。
ウィリアム・ブラウン・ストリートへのアクセス
市内の主要な観光スポットのなかでも、徒歩で行きやすい場所のひとつです。ロンドンやマンチェスターなど全国から列車が着く主要駅、リバプール・ライム・ストリート駅(Liverpool Lime Street)からすぐです。駅を出たらセント・ジョージズ・ホールの方へ向かい、道路を渡ってウィリアム・ブラウン・ストリートを上ってください。
マージーレールのノーザン線・ウィラル線が通るリバプール・セントラル駅(Liverpool Central)からは、商店街を北へ抜けていくので少し長めに歩きます。通りの下手に近いクイーン・スクエア・バスステーション(Queen Square)周辺には、多くの市内バス路線が停まります。
車で中心部へ来る場合は、市内の有料駐車場を利用することになります。歩いて行ける範囲にいくつかありますが、リバプール中心部はピーク時には渋滞しがちです。列車で来るほうが手軽です。
学校の団体を避けてアトリウムを抜けるには
一般入館にチケットは不要です。中に入ったら地図を手に取って、そのまま見学を始められます。入口近くには募金箱があり、入館無料だからこそ寄付をしていく人も多くいます。たいていはカードでも寄付できます。
とても人気のある博物館なので、ここでは時間帯選びがものをいいます。学期中の平日は、遠足の団体が午前中に来て、午後の半ばまでに帰っていくことがほとんどです。平日に遅めの時間から回り始めると、展示室がすいていることが多いでしょう。週末や学校の休暇中は、一日中家族連れでにぎわいます。
現在の開館は火曜〜日曜の10amからで、月曜は休館です。祝日や季節によって開館時間が変わることがあるので、出かける前にナショナル・ミュージアムズ・リバプール(National Museums Liverpool)のウェブサイトを確認してください。いちばん見たい展示室は、5pmの閉館前に回り終えるよう計画しましょう。スタッフが閉館の準備を始めると、上の階から先に人がいなくなります。
- 最上階まで一気に上がり、そこから下へ降りていきましょう。たいていの人は下の階から見始めるので、人の流れと逆向きに回れます。
- ミイラがお目当てなら、エジプトの展示室には早めに行きましょう。館内でいちばん混み合う部屋です。
- ベビーカーを押しているならエレベーターを使いましょう。階によっては階段が急で、上り下りに時間がかかります。
通りで一日を楽しむ
見学のあと遠くまで移動する必要はありません。隣のウォーカー・アート・ギャラリーも入館無料で、ラファエル前派の絵画や古典巨匠の作品がそろっています。2つの館に挟まれたセントラル・ライブラリーでは、ドーム天井のピクトン閲覧室(Picton Reading Room)をのぞいてみてください。壁一面に本が並ぶ、ヴィクトリア朝の円形の空間です。
道路の向かいにあるセント・ジョージズ・ホールでは、大ホールや法廷をめぐるガイドツアーに参加できます。ベンチに座って芝生でひと息つきたいなら、その裏手にセント・ジョンズ・ガーデンズ(St John’s Gardens)があります。マージーサイド海洋博物館やテート・リバプールがあるロイヤル・アルバート・ドック(Royal Albert Dock)のウォーターフロントへは、坂を下って歩いて20分ほど、バスならすぐです。
無理のない1日のプランなら、午前中は博物館、昼食はライム・ストリート周辺、午後はウォーカー・アート・ギャラリーです。大通りを一度渡るだけで、無料の大規模コレクションを2つも楽しめます。
見学にかける時間
主な見どころを落ち着いたペースで回り、プラネタリウムを1回観るなら、2〜3時間が目安です。体験テーブルにいちいち足を止めたり、水族館の水槽を長々と眺めたりする家族連れなら、まる1日でも楽に過ごせます。
時間が限られているなら、5つのフロアを駆け足で回るより、2フロアに絞ってじっくり見るほうがおすすめです。初めて訪れるなら、エジプト・コレクションと自然史の展示室の組み合わせがいちばん見ごたえがあります。
よくある質問
リバプール・ライム・ストリート駅からワールド・ミュージアムへはどう行けばいいですか?
駅を出たらセント・ジョージズ・ホールの方へ進みます。道路を渡ってウィリアム・ブラウン・ストリートを上ると、右手に博物館が見えます。隣にはセントラル・ライブラリーとウォーカー・アート・ギャラリーが並んでいます。歩いて数分の距離です。
ワールド・ミュージアムは月曜日も開いていますか?
現在は開いていません。開館は火曜〜日曜の10am–5pmで、月曜は休館です。祝日や季節によって開館時間が変わることがあるので、出かける前にナショナル・ミュージアムズ・リバプールのウェブサイトを確認してください。
チケットの予約は必要ですか?
一般入館は無料なので予約はいりません。ただ、プラネタリウムは上映時間が決まっていて、座席数にも限りがあります。チケットが必要な回かどうかは、公式サイトか、到着時に受付で確認してください。
ワールド・ミュージアムの見学にはどのくらい時間をみておけばいいですか?
主な見どころを回ってプラネタリウムを1回観るなら、2〜3時間が目安です。自然史の体験コーナーや水族館をじっくり楽しむ家族連れは、ほぼ1日過ごすことも少なくありません。
近くにはほかに何がありますか?
すぐ隣にウォーカー・アート・ギャラリーと、ピクトン閲覧室で知られるセントラル・ライブラリーがあります。道路を挟んだ向かいにはセント・ジョージズ・ホールとセント・ジョンズ・ガーデンズがあり、ロイヤル・アルバート・ドックまでは歩いて20分ほどです。
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