菊に彩られる元総統の庭園
毎年晩秋になると、かつての総統の庭園が菊の花で埋め尽くされます。2週間あまりの会期中、士林官邸では芝生や小道の両脇、庭園のテラスにまで鉢植えの菊がずらりと並びます。ここは1950年から1975年に亡くなるまで、蔣介石と宋美齢が暮らした邸宅です。敷地は台北市士林区の北側に位置し、背後には緑の山々が広がっています。
会場の雰囲気づくりには、庭園そのものが大きく貢献しています。刈り込まれた生け垣と左右対称の花壇が続く西洋式庭園を抜けると、池と東屋を中心にした中国式庭園が現れます。会期中に目を楽しませてくれるのは、黄、白、ブロンズ、錆色、紫といった菊ならではの色合いです。鉢がぎっしりと寄せ集められ、色のかたまりとなって咲き誇ります。
2026年11月27日~12月13日の17日間
2026年の菊展は11月27日から12月13日まで開催されます。会期中に週末が3回あり、花がもっとも見事なのは前半です。主催は台北市政府の管轄で、開催日程や来場者向けの案内は公式サイトで確認できます。
チケットについてですが、官邸の庭園はこれまで自由に入れるようになっています。本館は別料金の施設で、現在の料金は本館の入口と公式サイトで案内されています。花だけが目当てなら、ほとんどの人は福林路側からそのまま入っていきます。
11月下旬から12月の台北は、穏やかながら湿り気の多い季節です。日中の気温はおおむね10度台半ばから20度台前半で、北東季節風の影響で霧雨がよく降ります。地元の人はこの時期、折りたたみ傘をかばんに入れて出かけます。
懸崖、千輪仕立て、大輪の一輪咲き
中国の伝統的な菊展では、育てることと同じくらい仕立ての技が重視されます。何か月もかけて株の形を整えていくのです。この種の展示では、定番の仕立てがいくつも繰り返し登場します。
- 懸崖菊:小菊を長く先細りのすだれのように垂れ下がらせる仕立てです。高い台や壁に飾られることがよくあります。
- 千輪仕立て:1株から何百もの花を咲かせ、大きな枠に沿ってドーム状に並べたものです。多くの展示会で主役を務めます。
- 一本仕立ての大輪菊:1本の茎に大きな花を一輪だけ咲かせます。支柱を立てて並べられていることが多く、きっちりとした球状のものから、クモの脚や羽根ペンのように細長く伸びたものまで、花びらの形を見比べられます。
- 造形菊:枠に花をぎっしりと詰め、人物やアーチ、文字などをかたどった展示です。
クモ咲きや管咲きの菊は、ぜひ近くでじっくり眺めてみてください。花びらは筒状になっていて、ひんやりとした曇り空の光の下でも色があせて見えません。霧雨の多い12月の天気にはぴったりです。
士林駅から福林路の入口へ
いちばん簡単なアクセス方法はMRTです。赤色の淡水信義線で士林駅(R16)まで行き、2番出口を出ます。そこから中正路を東へ10~15分ほど歩くと福林路との交差点に着き、官邸の入口があります。
北へもう1駅先の芝山駅(R17)からも歩いて行けます。中正路には市内バスが何路線も走っており、タクシーなら「士林官邸」と伝えれば通じます。どちらの駅の近くにもYouBikeのステーションがあるので、雨が降っていない日なら自転車でさっと移動するのも手軽です。
官邸の敷地を歩く
花はひとつの展示館にまとめられているのではなく、敷地のあちこちに配されています。歩き回るつもりで出かけましょう。菊の花壇以外にも、次のような見どころがあります。
- 西洋式庭園:幾何学模様の花壇と生け垣が並び、菊を撮影する背景としていちばん人気のある場所です。
- 中国式庭園:池と築山、東屋があり、落ち着いた雰囲気が漂います。
- バラ園:12月は見頃を過ぎていますが(官邸では春に別途バラ展が開かれます)、散策するだけでも気持ちのよい場所です。
- 凱歌堂:蔣一家が礼拝に通った小さな教会で、敷地内の木立の中にたたずんでいます。
- 本館:当時の調度品がそのまま残る有料の邸宅です。庭園の背景にある歴史を知りたい人におすすめです。
庭園だけなら、ゆっくり歩いて1時間ほどです。本館の中も見学するなら、さらに1時間を見込んでください。
菊の季節の士林官邸で守りたいマナー
台北の人々にとって、菊展は家族で楽しむ行楽のひとつです。マナーは堅苦しくはありませんが、きちんと守られています。中国語で道を尋ねるときは「士林官邸菊展(Shìlín Guāndǐ Jú Zhǎn)」と言えば伝わります。
- 支払い:悠遊カード(EasyCard)があれば、MRTもバスもYouBikeも利用できます。士林駅周辺のコンビニでも使えます。
- 通路から外れない:展示は通路のすぐそばに置かれています。写真を撮るために花壇へ足を踏み入れるのは嫌がられます。
- 写真撮影:人気の撮影スポットでは順番に撮り、終わったらすぐに場所を譲るのが一般的です。狭い通路で大きな三脚を広げると、周囲から冷たい視線を向けられます。
- 行列:台湾の人は一列にきちんと並びます。MRTでも本館の入口でも同じです。
- 時間帯:週末は家族連れやカメラ愛好家でにぎわうため、平日のほうが落ち着いて見られることが多いです。どの庭園の展示会でも、午後より開場直後のほうが空いている傾向があります。
花は摘まずにそのままにしておきましょう。たとえ落ちた花であっても、展示花壇から拾っていくのは行儀が悪いとされています。
花を見たあとは士林で夜まで
士林は時間をかけて楽しむ価値のあるエリアです。世界有数の中国宮廷美術のコレクションを誇る国立故宮博物院へは、士林駅からバスかタクシーですぐです。午前中は菊を眺め、午後は翡翠や青銅器の名品に触れる。移動はわずかでも、充実した一日になります。
日が暮れたら、MRTで南へ1駅の剣潭駅(R15)へ向かいましょう。台北最大の夜市である士林夜市は、道路を渡ったすぐ先から始まります。屋台や地下のフードコートが並んでいるので、肌寒い庭園で午後を過ごしたあとに気軽に立ち寄れます。
よくある質問
2026年の士林官邸菊展はいつ開催されますか?
2026年11月27日から12月13日までです。会場は台北市士林区にある士林官邸の庭園です。
MRTで士林官邸へ行くにはどうすればよいですか?
赤色の淡水信義線で士林駅(R16)まで行き、2番出口を出ます。そこから中正路を東へ10~15分ほど歩くと福林路にぶつかり、その角に入口があります。芝山駅(R17)からも歩いて行けます。
菊の展示を見るのにチケットは必要ですか?
官邸の庭園は、これまで自由に出入りできるようになっています。ただし官邸の本館は別料金で、現在の料金は本館の入口と公式サイトで案内されています。
菊展ではどのくらい時間をとればよいですか?
庭園の展示だけなら、ゆっくり歩いて1時間ほどで回れます。本館の見学や凱歌堂にも立ち寄るなら、2時間ほどを見ておきましょう。
あわせて訪れたい近くのスポットはありますか?
国立故宮博物院へは、士林駅からバスかタクシーですぐです。夜はMRTで南へ1駅の剣潭駅(R15)へ向かいましょう。駅のすぐそばに士林夜市があります。
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