チケット売り場も舞台もない祝日
ツァガーン・サルの舞台は、家庭の居間です。名前は「白い月」を意味し、モンゴル最大の伝統的な祝日として知られています。2027年は2月6日〜8日で、全国で祝日となります。
いわば「会場」は、ウランバートルじゅうの集合住宅とゲル地区のすべてです。家族が集まり、若い親族が年長者にあいさつをします。同じような訪問が家から家へと何日も続きます。チケットを買う場面はどこにもありません。必要なのは招待です。
前夜のビトゥーン
一年の締めくくりはビトゥーンです。ツァガーン・サル元日の前夜にあたり、各家庭では家を掃除し、借りを清算し、たっぷりと食べます。身も心もきれいにして、満腹で新年を迎えるという考え方です。
元日の朝には、近くの丘に登って初日の出を拝む人が少なくありません。ウランバートルなら、市街の南端にあるザイサン記念碑が定番の高台です。北側にはトール川の谷と首都の街並みが一望できます。
ガンダンテグチンレン寺は普段ガンダン寺と略して呼ばれ、祝日の間は大勢の参拝者でにぎわいます。家族連れが祈りをささげてマニ車を回し、堂内は晴れ着のデールをまとった人々でいっぱいになります。デールとは、丈の長い伝統衣装のことです。
食卓に並ぶもの
どの訪問でも、主役は食卓です。各家庭では何日も前から準備を始め、並べ方はどの家でもほぼ同じです。
- ウル・ボーブ:模様の入った層状のショートブレッドで、奇数段の塔のように積み上げます。てっぺんにはキャンディーや角砂糖、乾燥させた凝乳を載せます。
- ボーズ:羊肉の蒸し餃子です。訪れる客の一人ひとりに一皿ずつ出すため、各家庭では何百個も作って冷凍しておきます。
- ウーツ:脂の乗った尾ごと丸焼きにした羊の背肉です。食卓の中央に据えられ、主人が切り分けます。
- アーロールなどの「白い食べ物」:乾燥させた凝乳や乳製品の料理で、祝日の名前の由来になっています。
- スーテーツァイ:塩味のミルクティーで、何よりも先に出されます。
- アイラグ(馬乳酒)やウォッカ:回し飲みの器や小さなグラスで振る舞われます。
ウル・ボーブの塔は、食べるためだけでなく飾るためのものでもあります。客は上から一切れ取り、塔そのものは祝いの季節が終わるまで崩さずに置いておきます。
ゾルゴフと家でのしきたり
誰もが見守る儀式があいさつです。これをゾルゴフと呼びます。年下の人が手のひらを上にして両腕を差し出し、年長者の前腕を下から支えます。年長者はその上に腕を重ね、二人で頬と頬を触れ合わせます。年下の人が両手に青い絹のスカーフ、ハダグを掛けていることもよくあります。
客として訪れた場合は、たいてい支える側になります。ほかのしきたりも、同じ敬意の考え方に基づいています。
- お茶や料理、贈り物は右手か両手で受け取ります。左手を右ひじに添えてもかまいません。
- 勧められたものは、少なくともひと口は味わいます。きっぱり断ると冷たい印象を与えます。
- ウォッカのグラスが回ってきたら、唇をつけるだけで十分です。飲み干す必要はありません。
- ゲルでは敷居をまたいで入り、決して踏まないようにします。
- 訪問の際はちょっとした手土産を持参するのが一般的で、帰りには主人からもささやかな品が手渡されます。
年配の男性が嗅ぎたばこの瓶を差し出すこともあります。軽く香りを嗅ぐか、鼻先に掲げるだけにして、そのまま返します。
外国人が参加するには
外国人旅行者の多くは、同僚やホームステイ先の家族、ゲストハウスのオーナーなど、知り合いを通じてツァガーン・サルに加わります。ウランバートルでは、祝日の期間中に家庭を訪問するツアーを催行している旅行会社もいくつかあります。地元に知り合いのいない旅行者にとっては、これが最も一般的な方法です。
招待がなくても、規模は小さいながら外から見られる祝日の姿はあります。元日の朝のガンダン寺、丘で日の出を待つ人々、そしてデール姿で親戚の家へ向かう人々であふれる街並みです。
ショーやフェスティバルのような催しはほとんどありません。この祝日は、あくまで家族の内側に向けられたものなのです。
2月の首都
ウランバートルは世界でも指折りの寒さの首都で、2月初めは冬のさなかです。日中でも氷点下を大きく下回るのが当たり前です。旅行者は、日の出を見に行くときのために、しっかりした防寒ブーツや重ね着できる服、顔を覆う防寒具を用意してくるのが一般的です。
祝日の間は、多くの商店やレストラン、オフィスが休みになります。ホテルとその館内レストランはおおむね営業を続けており、旅行者はビトゥーンの前の数日のうちにスーパーで食料を買いだめしておくことが多いようです。
市内ではタクシーや配車サービスが利用できますが、家族が訪問先を行き来するため、道路は大変混雑します。空の玄関口はチンギスハーン国際空港で、中心部から車で南へ約1時間の距離にあります。
よくある質問
2027年のツァガーン・サルはいつですか?
2027年のツァガーン・サルは2月6日〜8日で、モンゴルの国民の祝日です。元日の前夜はビトゥーンと呼ばれ、各家庭では家を掃除し、行く年を送るごちそうを家族で囲みます。
ウランバートルのツァガーン・サルにチケットは必要ですか?
必要ありません。ツァガーン・サルは家庭で祝う家族の祝日なので、チケットも中心となる会場もありません。旅行者は、モンゴル人の友人からの招待やホームステイ、地元の旅行会社が催行するホームビジットを通じて参加するのが一般的です。
招待がなくても旅行者が見られるものはありますか?
元日の朝には、ガンダンテグチンレン寺(ガンダン寺)に大勢の人が集まります。ザイサン記念碑のような高台に登り、その年最初の日の出を拝む人もいます。街には、伝統衣装のデールを着て親戚の家を回る家族の姿があふれます。
ツァガーン・サルでは年長者にどうあいさつすればよいですか?
このあいさつはゾルゴフと呼ばれます。両腕を手のひらを上にして差し出し、年長者の前腕を下から支えてから、頬と頬を触れ合わせます。両手に青い絹のスカーフ、ハダグを掛けることもよくあります。勧められたものは、右手か両手で受け取ります。
祝日の期間中、お店やレストランは営業していますか?
祝日の間は多くの商店やレストラン、オフィスが休みになりますが、ホテルはおおむね通常どおり営業しています。旅行者は、ビトゥーンの前の数日のうちにスーパーで食料を買っておくのが一般的です。
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