土の丘にそびえる天守
まずは丘のふもとから見学を始めましょう。急な芝の斜面には長い階段がまっすぐ延びていて、登りきった先には淡い色の石灰岩の壁にただ一つの入口が開いています。天守の形は少し変わっています。丸い張り出しが4つつながっていて、上から見ると四つ葉のクローバーのようです。イングランドでもこの設計で築かれた城はほとんどありません。
石の天守より、土台の丘のほうが古い歴史を持っています。1068年、反抗的な北部を抑えるためにウィリアム征服王が築かせたのがこの丘です。頂上には最初、木造の塔が建てられていました。現在登れる石造りの天守は、13世紀にヘンリー3世のもとで築かれたものです。
この地で起きたこと
塔の歴史で最も痛ましい出来事は、石の天守ができる前に起きました。1190年、暴徒に追われたヨークのユダヤ人共同体の人々が木造の塔に逃げ込みました。人々は降伏を拒み、その多くがその場で亡くなりました。自ら命を絶った人も少なくありません。丘のふもとには犠牲者を悼む銘板があるので、登る前にぜひ立ち寄ってください。
後の時代になると、天守はもっと実用的な目的に使われるようになります。牢獄として、また王立造幣所として使われた時期もありました。1684年の爆発で内部が焼け落ちてからは、300年以上も屋根のないまま残されていました。名前の由来は、一般に1322年に処刑されたロジャー・ド・クリフォードだとされています。彼の遺体は鎖で城壁に吊るされました。
城壁の内側と屋上へ
大規模な改修を終えて、イングリッシュ・ヘリテージ(English Heritage)が2022年に天守の公開を再開しました。外壁だけが残る内部に木の床と通路が新しく渡され、かつての上階の部屋と同じ高さに立てるようになっています。頭上にむき出しになった石壁には、暖炉や出入口の跡が今も残っています。
いちばんの見どころは屋上デッキです。ここからは次のような景色を見渡せます。
- 北側の屋根並みの上にそびえるヨーク・ミンスターの塔
- アイ・オブ・ヨーク(Eye of York)の芝生をはさんですぐ向かいにある、旧監獄の建物を利用したヨーク城博物館
- 中世の旧市街に広がる赤い屋根と、街を囲む城壁
滞在時間はたいてい45分〜1時間ほどです。隣のヨーク城博物館もあわせて回るなら、その分の時間を見込んでおきましょう。
登るタイミング
開館時間は曜日にかかわらず午前10時〜午後5時で、休館日はありません。平日なら、開館直後の午前10時〜11時がいちばん空いています。屋上デッキは幅が狭いので、この時間帯を狙う価値は十分にあります。
週末の午後12時〜午後5時はできるだけ避けてください。塔が最も混み合う時間帯で、階段の上でも下でも行列に並ぶことになります。週末に訪れるなら、午後ではなく午前10時の開館に合わせるのがおすすめです。
チケットと階段の心得
ヨークでも指折りの人気スポットなので、いつでもすぐ入れるとは考えず、予約して出かけるつもりでいましょう。
- 事前にオンラインで予約しましょう。 イングリッシュ・ヘリテージのサイトから予約できます。特に週末や学校の休暇期間は予約がおすすめです。最新の料金はイングリッシュ・ヘリテージのウェブサイトで確認できます。会員は無料で入場できます。
- 早い時間枠を選びましょう。 混雑のない屋上デッキを楽しみたい人には特におすすめです。
- 丘はゆっくり登りましょう。 階段は急で吹きさらしなので、雨や風の強い日でも雨宿りできる場所はありません。階段が苦手な方は、出かける前にイングリッシュ・ヘリテージのバリアフリー情報を確認してください。
- 屋上は風対策をした服装で。 下の通りよりも風が強く吹きつけます。
- 銘板にも目を向けてください。 地元の人々は1190年の慰霊碑を静かな敬意をもって大切にしています。記念撮影をする場所ではなく、足を止めて思いを寄せる場所です。
アクセスと周辺の見どころ
所在地はTower Street, YO1 9SAです。旧市街の南端にあり、フォス川がウーズ川に合流する地点の近くです。ヨーク駅からはウーズ橋(Ouse Bridge)かスケルダーゲート橋(Skeldergate Bridge)を渡って、徒歩およそ20分です。ヨーク中心部は車だと渋滞しがちなので、市のパーク・アンド・ライドのバスを使うほうがたいてい楽です。車で行く場合は、出発前に城の近くの駐車場を調べておきましょう。
近くには、あわせて回れる見どころがいくつもあります。
- ヨーク城博物館(York Castle Museum):アイ・オブ・ヨークをはさんですぐ向かいにあります。ヴィクトリア朝の街並みの再現や、かつての債務者監獄を見学できます。
- ヨーヴィック・ヴァイキング・センター(Jorvik Viking Centre):コッパーゲート(Coppergate)にあり、歩いて2〜3分です。
- シャンブルズ(The Shambles):中世の路地を抜けて北へ約10分です。
- フェアファクス・ハウス(Fairfax House):キャッスルゲート(Castlegate)にある、ジョージ王朝様式のタウンハウスを修復した建物です。
よくある質問
クリフォーズ・タワーがいちばん空いているのはいつですか?
平日なら、開館直後の午前10時〜11時がいちばん落ち着いています。最も混むのは週末の午後12時〜午後5時なので、できればこの時間帯は避けましょう。
開館時間を教えてください。
毎日午前10時〜午後5時に開館していて、定休日はありません。祝日などは時間が変わる場合があるので、出かける前にイングリッシュ・ヘリテージのウェブサイトで確認してください。
見学にはどのくらい時間がかかりますか?
丘を登り、内部の通路と屋上デッキを回るまで、たいていの人は45分〜1時間ほどで見学を終えます。隣のヨーク城博物館にも行くなら、さらに2時間ほど見込んでおきましょう。
事前予約は必要ですか?
イングリッシュ・ヘリテージのサイトからオンラインで予約しておくと安心です。特に週末や学校の休暇期間はおすすめです。最新のチケット料金はイングリッシュ・ヘリテージのウェブサイトに載っています。会員は無料で入場できます。
塔まで登るのは大変ですか?
はい、少し大変です。丘の斜面に設けられた急な屋外階段を登って向かいます。ゆっくり登るようにしてください。階段が苦手な方は、事前にイングリッシュ・ヘリテージのバリアフリー情報を確認しておきましょう。
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