赤い砂岩の建物と、頭像が浮かぶホール
まずは建物そのものに注目してください。ケルヴィングローヴは深い赤色をしたロッハーブリッグス(Locharbriggs)産の砂岩で造られています。いくつもの塔と彫像で飾られたスペイン・バロック様式の建物です。1901年のグラスゴー国際博覧会にあわせて開館しました。アーガイル・ストリートから見上げると、博物館というより大聖堂のように見えます。
中に入ると、吹き抜けのセンター・ホールが頭上高くまで広がっています。その一方の端には巨大なパイプオルガンが据えられています。脇のイースト・コートに展示されているのは、ソフィー・ケイヴ(Sophie Cave)の《フローティング・ヘッズ(Floating Heads)》です。白い顔の像が何十個もワイヤーで吊られ、それぞれ違う高さに浮かんでいます。
笑い顔から叫び顔まで、表情もさまざまです。たいていの人はその真下で足を止め、見上げてからスマートフォンを取り出します。
まず見ておきたいもの
この館では、美術品と自然史の資料がわざと混ぜて展示されています。絵画の展示室のすぐ隣に、動物や甲冑、古代エジプトの品々を集めた部屋が並んでいるのです。それこそがこの館の狙いなので、決まった順路を探す必要はありません。目当てをいくつか決め、そのあいだを気ままに歩いてみてください。
- サルバドール・ダリ《十字架の聖ヨハネのキリスト》:1952年にグラスゴー市が購入した作品です。照明を落とした静かな専用スペースに展示されています。
- スピットファイア:第二次世界大戦で実際に使われた戦闘機です。ウエスト・コートの天井から吊られていて、来館者の頭上に翼を広げています。
- サー・ロジャー:アジアゾウの剥製です。何世代にもわたってグラスゴーの子どもたちに親しまれてきました。
- グラスゴー・ボーイズとスコティッシュ・カラリスト:1900年前後のスコットランド絵画を見るなら、市内でここに勝る場所はありません。
- チャールズ・レニー・マッキントッシュとグラスゴー・スタイル:グラスゴーで生まれたアール・ヌーヴォー運動の家具や金工品、デザインが並んでいます。
週末の混雑を避けるには
ここでは訪れる時間帯で快適さが大きく変わります。来館者数の計測データを見ると傾向ははっきりしていて、比較的空いているのは平日の10時〜12時と16時〜17時です。土曜や日曜の12時以降はなるべく避けましょう。そこから17時の閉館まで館内は家族連れでいっぱいになり、ダリの部屋も混雑します。
開館時間にも気をつけてください。現在は月曜〜木曜と土曜が10時開館、金曜と日曜は11時開館です。ひっそりとしたセンター・ホールを味わうなら、火曜か水曜の10時がいちばんです。祝日の前後は開館時間が変わることもあるので、出かける前にグラスゴー・ライフ(Glasgow Life)の公式サイトを確認しておきましょう。
常連のように館内を楽しむ
グラスゴーの人々にとって、ここは神聖な場所というより居間のような存在です。次のような点を押さえておくと快適に過ごせます。
- 入場は無料です。入口のそばに寄付箱があります。 一部の特別展は有料で、料金はグラスゴー・ライフのウェブサイトに掲載されています。
- 大きな荷物はクロークかロッカーへ。 展示室には通路の狭い場所もあります。
- オルガン演奏について尋ねてみましょう。 センター・ホールでは昼のオルガン演奏が長年続いています。今週の予定はインフォメーション・デスクで確認できます。聴くならバルコニーに場所を取るのがおすすめです。
- フラッシュを使わなければ写真撮影はおおむね可能です(常設展示室の場合)。特別展では掲示を確認してください。
- 入口選びも大切です。 アーガイル・ストリート側の入口は人が多めです。公園側の入口を出れば、すぐ木立の中です。
「この建物は前後を逆に建ててしまった」という話を耳にするかもしれません。実際はそうではなく、正面玄関はもともと公園側を向くように設計されていました。それでも地元の人たちは、今もこの話を好んで語ります。
アーガイル・ストリートへのアクセス
いちばん簡単なのはグラスゴー地下鉄を利用する方法です。ケルヴィンホール(Kelvinhall)駅で降りてアーガイル・ストリートを渡り、東へ数分歩けば到着します。地下鉄とスコットレール(ScotRail)の両方が乗り入れるパーティック(Partick)駅からも行けますが、少し歩く距離が長くなります。
市中心部からなら、アーガイル・ストリートを西へ進み、フィニーストン(Finnieston)を抜けて歩くこともできます。所要時間はおよそ30分です。同じ通りにはバスも走っています。市の北側から来るなら、ケルヴィン・ウォークウェイ(Kelvin Walkway)沿いにサイクリングするのもいいでしょう。
見学の前後に
館の裏口を出ると、そこからケルヴィングローヴ公園が広がっています。丘を登れば、グラスゴー大学のゴシック様式の塔が見渡せます。大学のハンテリアン博物館(Hunterian Museum)はスコットランド最古の公立博物館で、ケルヴィン・ウェイ(Kelvin Way)を渡って少し歩いた先にあります。
食事なら、フィニーストンのアーガイル・ストリート沿いにレストランやバー、カフェが軒を連ねています。丸一日楽しむなら、ケルヴィン川に沿って南へ歩き、リバーサイド博物館(Riverside Museum)まで足を延ばしてみてください。交通関連のコレクションが充実しており、隣のクライド川には帆船トール・シップ(Tall Ship)が係留されています。
よくある質問
ケルヴィングローヴ美術館・博物館がいちばん空いているのはいつですか?
平日の10時〜12時と16時〜17時が比較的空いています。いちばん混むのは週末の12時〜17時です。なお現在、金曜と日曜は11時開館となっています。
公共交通機関でケルヴィングローヴへ行くにはどうすればよいですか?
グラスゴー地下鉄でケルヴィンホール駅まで行き、アーガイル・ストリートを東へ数分歩けば到着します。地下鉄とスコットレールの両方が使えるパーティック駅からも行けますが、歩く距離は少し長くなります。
ケルヴィングローヴの見学にはどのくらい時間がかかりますか?
《フローティング・ヘッズ》、ダリの作品、スピットファイア、スコットランド絵画の展示室、マッキントッシュの展示室といった主な見どころなら、2〜3時間で回れます。昼のオルガン演奏を聴いたり、ケルヴィングローヴ公園を散策したりするなら、もう少し時間に余裕をもたせましょう。
チケットの予約は必要ですか?
一般入場は無料で、予約もいりません。寄付箱が設けられています。一部の特別展は有料で、時間指定制の場合もあります。詳細と料金はグラスゴー・ライフのウェブサイトで確認できます。
ケルヴィングローヴ美術館・博物館の周辺には何がありますか?
すぐ裏手がケルヴィングローヴ公園です。丘を少し登ればグラスゴー大学とハンテリアン博物館があります。アーガイル・ストリート沿いにはフィニーストンの飲食店街があり、ケルヴィン川沿いに歩いて下ればリバーサイド博物館にも行けます。
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