オアハカの厨房が首都へ
コバルデ(Cobarde)の始まりはオアハカです。席に着く前に、このことはぜひ知っておいてください。オアハカは、料理人たちがわざわざ学びに訪れるメキシコの州です。モーレもトウモロコシもメスカルも、この土地が国じゅうの基準になっています。
ミシュランガイドでビブグルマンに選ばれたコバルデは、2軒目の拠点をメキシコシティに置きました。意欲的なレストランが多すぎて、旅行者にはとても回りきれない街です。そんな街でも、ミシュランの評価を携えてやって来た新顔なら、「行きたい店」の候補に入れる価値があります。コバルデはまさにその一軒です。
ポップな感性を宿したファインダイニング
目指しているのは、本格的でありながら肩ひじを張らない料理です。メニューを率いるのはシェフのパコ・コルテス。メキシコ料理を土台に、アジアや中東、東欧の風味を取り入れています。
これほど国際色豊かな街でも、ここまで幅広い組み合わせはなかなか見かけません。首都のテイスティングメニューを出す店の多くは、メキシコ由来の食材や技法から大きく離れないからです。コバルデでは、ひと皿がまったく別の場所へ旅をして、また戻ってきます。
実際に訪れるときは、次の点を意識してみてください。
- メニューはじっくり読みましょう。 メキシコシティのほかの店では出会えない組み合わせが並んでいます。
- それぞれの皿の軸になっている要素をスタッフに尋ねてみましょう。 東欧風に聞こえる料理でも、オアハカの食材で組み立てられていることがあります。
- スタイルが許すなら、取り分けて頼むのがおすすめです。 これだけ多彩な方向性がそろうメニューなら、ひとり一皿のメインより、いろいろ味わうほうが理にかなっています。
ここでは具体的な料理名は挙げていません。オープンしたての店はメニューが変わりやすく、意味があるのはその日に目の前に出されるメニューだけだからです。
オアハカ流にメスカルを味わう
飲み物にも店のルーツが表れています。コバルデでは、厳選したメスカルを提供しています。メキシコのメスカルの大半はオアハカで造られ、きちんと味わう酒として大切にされてきましたから、これは自然な流れでしょう。
メスカルの原料はアガベの芯です。これを地中の穴で焼いてから、発酵・蒸留させて造ります。アガベの品種や造られた村が違えば、仕上がる酒もまるで別物になります。厳選されたリストとは、その違いがわかるように誰かが銘柄の幅を考えて選んだ、ということです。
上手に楽しむためのコツをご紹介します。
- 一気に飲まず、少しずつ口に含みましょう。 メスカルをよく知るメキシコの人たちは、背の低いグラスや浅い素焼きの杯で、少しずつ味わいます。
- 原料のアガベを尋ねてみましょう。 もっとも一般的なのはエスパディンです。トバラのような野生のアガベは、たいてい個性がよりはっきりしています。
- 選ぶのはスタッフに任せましょう。 食べている料理と、スモーキーさの好みを伝えてください。
- ペースに気をつけましょう。 メスカルは一般的なテキーラより度数が高めで瓶詰めされていることが多いお酒です。
ビブグルマンが意味すること
ビブグルマンは星とは違います。ミシュランガイドの調査員が、手頃な価格でとても質の高い料理を出すと認めた店に与えられる評価です。特別な記念日を待たなくても気軽に訪れられる店だ、というガイドからのサインだといえます。
ミシュランガイドがメキシコを掲載対象にしたのは2024年からです。コバルデのビブグルマン獲得は、ガイドがコストパフォーマンスのよさで取り上げた最初のメキシコのレストランのひとつに選ばれたことを意味します。豪勢な散財をする店ではありません。意欲的な料理を中価格帯で楽しめる店と考えてください。
価格の情報は手元にありません。最新のメニューと価格は、コバルデの公式チャンネルか店頭で確認できます。
オープンしたての店で席を確保するには
新しい店なので、細かい情報はまだ固まっていません。出かける前に、コバルデの公式ウェブサイトかSNSで次の3点を確認しておきましょう。
- 正確な住所とエリア。 メキシコシティはとても広く、渋滞もあるため、場所を勘違いすると大きな時間のロスになります。
- 営業日と営業時間。 開店して最初の数か月は、よく変わります。
- 予約。 ミシュランの評価を受けた新店は席がすぐ埋まりがちです。予約なしで行くより、事前に予約しておきましょう。
夜の移動には、配車アプリか正規登録のタクシーを使う旅行者がほとんどです。地下鉄(メトロ)は安くて速いので日中は便利ですが、ラッシュ時はひどく混み合います。夕食の予約時間に間に合わせるには、渋滞を見込んで早めに出発すると安心です。
席に着いてから注文、会計まで
北ヨーロッパやアメリカに比べて、メキシコシティの夕食は遅めです。地元の人は午後の半ばに一日のメインの食事をとり、夕食に出かけるのは午後9時ごろということも珍しくありません。コバルデの営業時間が許すなら、早めの時間に予約すると、たいていは落ち着いた店内で食事ができます。
次のような習慣を知っておくと、夜をより快適に過ごせます。
- 簡単なスペイン語を覚えておきましょう。 「ラ・クエンタ、ポル・ファボール」と言えば会計を持ってきてもらえます。首都の意欲的なレストランでは、スタッフがある程度英語を話せることが多いものの、まずスペイン語で声をかけるのが礼儀です。
- 会計は頼むまで出てきません。 頼まれないうちに伝票を持ってくると、客を急かしていると受け取られるからです。
- チップは別途上乗せしましょう。 メキシコシティでは、サービス料は通常含まれていません。よいサービスを受けたら、10〜15%を置くのが一般的です。
- カード端末の使い方を確認しましょう。 たいていスタッフが携帯型の端末を席まで持ってきて、チップをカード払いに加えるかどうか尋ねてきます。
- スタッフや厨房を撮影する前には、ひと言断りましょう。 どこでも当然のマナーですが、シェフが率いる小さな店ではなおさらです。
わざわざ訪れる価値はある?
メキシコ料理をすでにひととおり知っていて、オアハカ出身の若いシェフがそれをどこへ導くのか見てみたい人には、ぜひおすすめです。多彩な風味の組み合わせとメスカルのリスト。このふたつがそろうことで、コバルデは伝統的なオアハカ料理店とも、よくあるテイスティングメニューの店とも違う一軒になっています。
さっと食事を済ませるのではなく、ひと晩をゆっくり過ごすつもりで計画してください。メスカルの2杯目を楽しむ余裕も残しておきましょう。そして、行きたい日を決めてしまう前に、まずは予約を入れておくことをおすすめします。
よくある質問
メキシコシティのコバルデはどこにありますか?
コバルデがメキシコシティに店を開いたのはつい最近のことです。出かける前に、公式ウェブサイトかSNSで最新の住所とエリアを確認してください。本店はオアハカにあります。
コバルデには予約が必要ですか?
予約を強くおすすめします。ミシュランのビブグルマンを獲得した新店なので、席がすぐに埋まることがあります。予約方法と最新の営業時間は、コバルデの公式チャンネルで確認してください。
コバルデではどんな料理が楽しめますか?
ポップな感性を宿したファインダイニングです。シェフのパコ・コルテスは、メキシコ料理とオアハカ料理を土台に、アジアや中東、東欧の風味を織り交ぜています。オープンしたての店は料理が変わることがあるため、メニューは店で確かめるのがいちばんです。
コバルデはメスカルを試すのに向いていますか?
はい、向いています。オアハカにルーツを持つ店らしく、厳選したメスカルをそろえています。ゆっくり少しずつ味わい、それぞれ何というアガベから造られているのか尋ねてみてください。料理に合う一杯は、スタッフに提案してもらうとよいでしょう。
コバルデでの夕食には、どのくらい時間をみておけばよいですか?
さっと済ませる食事ではなく、ゆったりと過ごすひと晩のつもりで計画してください。メキシコシティでは、会計はふつう頼んで初めて持ってきてもらえます。夜は市内の渋滞で移動に時間がかかることがあるので、移動時間にも余裕をみておきましょう。
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