灯りがともったあとの外灘
夜の美しさでこれほど際立つ通りは、アジアでもそう多くありません。中山東一路の片側には、20世紀初頭に建てられた花崗岩や石造りの銀行建築が並んでいます。黄浦江の対岸に目を向ければ、東方明珠塔、上海中心(上海タワー)、上海環球金融中心といった陸家嘴の高層ビル群が光を放っています。
ザ・ドーム(The Dome)は、まさにこの景色の目の前にオープンしました。日本料理のおまかせレストランとバーを兼ねた新しいお店で、夜の時間を楽しむためにつくられています。外灘は昔から上海屈指の格式ある美食エリアとして知られてきましたが、この新顔がもたらすのは、静まり返った堅苦しさではなく、夜ならではの華やかな活気です。
テラダシェフにすべてをゆだねる
「おまかせ」とは、文字どおり料理人に任せるという意味です。一覧から料理を選んで注文することはありません。何をどの順番で出すかはシェフが決め、季節やその日いちばんの食材に合わせて一品ずつ供していきます。
ザ・ドームでその役を担うのはテラダシェフで、料理はすべてシェフ自身の手によるものです。メニューは提供されていないため、どんな料理が何品出てくるのかを知ったふりをするつもりはありません。とはいえ、おまかせという形式から、予約前に知っておきたいことがいくつか見えてきます。
- 食事のペースは厨房が決めます。 料理は仕上がり次第運ばれてくるので、遅れて到着すると体験が駆け足になったり、進行が滞ったりします。
- 食事の制限は予約時に伝えましょう。 決められた流れを当日に変えるのは難しいため、アレルギーや苦手な食材は予約の際に知らせておいてください。
- 時間がかかります。 おまかせは腰を据えて味わうコースで、さっと済ませる食事ではありません。その晩の予定はこの食事を中心に組み立てましょう。
バーとしての顔も持つレストラン
紹介文の後半部分も見逃せません。ザ・ドームはレストランであると同時にバーでもあり、運営側はかしこまった空間ではなく、にぎやかな場所だと説明しています。
この点で、お店の使い方も変わってきます。おまかせの店には、魚を祀る静かな神殿のような雰囲気のところもありますが、ここは食後もゆっくり過ごせる場所として打ち出されています。お祝いの席やグループでの利用、最後の一皿を終えたあとの一杯にもぴったりです。コース料理ではなく一杯だけ楽しみたい場合は、バーに予約なしで入れるのか、夕食とは別に利用できるのかを予約時に確認してください。この点はまだ公表されていません。
このプロジェクトを手がけているのはザ・フェラズ・グループ(The Fellas Group)です。つまり、シェフがひとりで切り盛りする店ではなく、飲食事業を手がける会社が運営しているということです。そうした違いは、たいていドリンクの充実ぶりやサービスの洗練度に表れます。
川沿いへのアクセス
外灘は行きやすい場所ですが、車で向かうのは大変です。夜の中山東一路ではタクシーや配車サービスの車がのろのろとしか進まず、たいていは地下鉄のほうが早く着きます。
- 地下鉄: 2号線と10号線が乗り入れる南京東路駅で降ります。そこから南京路歩行街を東へ歩けば川に突き当たります。所要時間はおよそ10〜15分です。
- 配車サービス: ディディ(DiDi)は英語表示に対応しており、海外のカードも登録できます。降車地点は外灘そのものに設定し、川の近くでは渋滞を覚悟しておきましょう。
- 浦東から: 外灘観光トンネルと黄浦江のフェリーのどちらでも、陸家嘴側から対岸へ渡れます。
正確な住所は提供されていません。予約の際にお店に確認し、運転手に見せられるよう中国語の住所をスマートフォンに保存しておいてください。
予約・支払い・おまかせの楽しみ方
いきなり訪れるのではなく、まずは予約を入れましょう。おまかせはもともと席数を絞った形式ですし、外灘の新店とあって注目度も高くなっています。予約はお店の公式窓口から行い、前日には日付・時間・住所を改めて確認しておきましょう。
上海での支払いは、圧倒的にモバイル決済が主流です。地元の人はウィーチャットペイ(WeChat Pay)かアリペイ(Alipay)で支払い、現在はどちらも旅行者が海外のカードを登録できるようになっています。高級店では海外のカードも概ね使えますが、旅行前にアリペイを設定しておけば、会計で戸惑わずに済みます。
中国本土の外食文化には、チップの習慣はありません。高級店では伝票にサービス料が加算されていることがあるので、何か上乗せする前に内容を確かめましょう。
席に着いたら、シェフの流儀に従いましょう。
- 握りは目の前に置かれたら早めにいただきます。シャリとネタは、その瞬間に食べることを想定して仕上げられています。
- 握りは手で食べても箸で食べても構いません。
- 醤油は控えめに。すでに味付けされて出てくるものも多いので、迷ったら尋ねてみてください。
- スマートフォンでの写真撮影は概ね問題ありませんが、食事中ずっと撮影し続けるのではなく、料理の合間は端末を置いておきましょう。
夕食を軸にした夜の過ごし方
ザ・ドームは、外灘で過ごす夜のメインイベントにするのがいちばんです。早めに着いたら、川沿いの高台にある遊歩道を歩きながら、浦東のスカイラインに灯りがともる様子を眺めましょう。上海を代表する定番の景色で、しかも無料で楽しめます。
遊歩道を北へ進むと、蘇州河に架かる古い鉄橋、外白渡橋に出ます。少し内陸に入った円明園路には、修復された歴史的建造物が静かに並んでおり、食事の前後の散策にうってつけです。もっと長く歩きたいなら、遊歩道を南へたどれば豫園や旧市街方面へ向かえます。
大型連休、とくに10月上旬の国慶節のゴールデンウィークには外灘を避けましょう。遊歩道は肩が触れ合うほどの人で埋まり、警察が人の流れを規制するため、予約した夕食の時間に間に合わせるのも一苦労です。ふつうの平日の夜なら、ずっと楽に動けます。
お出かけの前に
ザ・ドームはオープンしたばかりで、細かな情報はまだ固まっていません。営業日や営業時間、予約の方法、バーに予約なしで入れるかどうかといった点は、最初の数か月で変わる可能性があります。古い掲載情報に頼らず、出かける前にお店へ直接確認してください。
一方で、変わらないのはその形式です。テラダシェフが腕を振るう日本料理のおまかせにバーが併設され、すぐ外には黄浦江が流れています。事前に予約を入れ、時間どおりに到着し、食後の予定は空けておきましょう。
よくある質問
上海のザ・ドームはどこにあり、どうやって行けばよいですか?
黄浦江に面した上海の川沿いエリア、外灘にあります。最寄りの地下鉄駅は南京東路駅(2号線・10号線)です。南京路歩行街を東へ進めば川に突き当たり、所要時間はおよそ10〜15分です。正確な住所は、予約の際にお店へ確認してください。
ザ・ドームは予約が必要ですか?
はい、予約を前提に計画してください。おまかせはもともと席数が限られているうえ、一等地に新しく開いたお店です。予約はお店の公式窓口から行い、アレルギーがあればその際に一緒に伝えましょう。バーが予約なしで入れるかどうかは公表されていないため、あわせて尋ねておくと安心です。
ザ・ドームではどのような料理が出ますか?
テラダシェフによる日本料理のおまかせです。料理はシェフが選び、一品ずつコース形式で提供されるため、メニューから注文する仕組みではありません。メニューが公開されていないので、具体的な料理名はご紹介していません。
夕食にはどのくらいの時間を見ておけばよいですか?
ひと晩まるごと空けておくのがおすすめです。おまかせは時間をかけて進むコース料理ですし、ザ・ドームはバーも兼ねているため、食後もそのまま残って過ごすお客さんが多くいます。夕食の前に外灘の遊歩道を散策する時間も確保しておきましょう。
支払い方法は?チップは必要ですか?
上海ではウィーチャットペイ(WeChat Pay)やアリペイ(Alipay)によるモバイル決済が一般的で、どちらのアプリも海外発行のカードを登録して使えます。中国本土にはチップの習慣はありません。ただし高級店ではサービス料が加算される場合があるので、伝票を確認してください。
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